第8話 不思議な力

人間には稀に不思議な力を持った人がいる。例えば、動物と話せる人、他人には見えない何かがみえる人など様々だ。そんな不思議な力をなぜか俺も持っている。正夢的なアレだ。正夢とは夢だ見た内容が現実でも起こるというもの。経験したことのある人は少なからず多いはずだ。俺の場合、その正夢が1ヶ月に1回起こる。毎月同じ日にちに起こるわけではなく起こる日にちはバラバラだ。秋山さんに初めて会った時もその何日か前に夢をみた。俺がハンカチを拾い女の子に渡す夢。うっすらと同じ高校の制服を着ていたのを覚えている。現実で彼女に会った時、1度どこかで会ったことのあるような変な既視感は正夢によるものだったと思う。それ以来正夢をみていない。

この時の俺は、正夢によって運命が変わることを知る由もなかった。



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