第13話 突入する。
「そんな……あたしの家に魔族が…」
「魔族は半端ものを嫌う。しかも極端にね。力こそが全ての奴らだから、半魔の君が嫁ぎの道具にされるのは無理はない」
しかし、あれから数千年の永い歴史と時間が経ってるというのに、人間と魔族は和解しなかったのか……あれほど勇者にボコボコにされたというのに、反省しない奴らだな。
「ど……どうするの?」
フレインは私に打開策を聞く……一応簡単な事だけどね。
「どうするもこうするも、豪邸内にいる魔族二人を殺す事だ。私ら二人でね」
地下にいる微量の魔力持ちの反応は恐らく、捕らわれたフレインの親だろう。
方法はちょっと荒いが、床を壊して救出するのは最終手段とでも言っておこうか。
「だ……大丈夫なんですか?あたしでも倒せるの?」
「【魔力探知】で探した結果、君と戦うにぴったりな魔族がこの家の地下にいる。君はそこに行ってもらう。安心したまえ、私の出した難関を幾度か潜り抜けている君なら逆に弱く感じるはずだ」
「よ、弱く感じるの?」
「ああ、信じなさい」
私は笑って見せた。頼もしく見せるために、ちょっとでも希望を与えるように。
「うう……できるだけやってみる」
「ウジウジしてても何も始まらない。言葉より行動だ」
こうしてヴァロード家奪還の作戦が始まった。
*
「じゃあ入るよ」
作戦前に私の人形に命令を出し、増援としてネウロを後衛で待機させている。
「さてさて、ここから先は【念話】で会話しよう。君もできるだろう?」
「は…はい」
若干不安になるフレイン。魔物相手なら余裕でぶっ飛ばす彼女だが、魔族との初戦闘は緊張するのも無理はない。
あーそれと、忘れてたね。フレインの
この首都に来る前に戦闘能力をチェックしてから彼女の戦術は大体理解できる。問題は人形と鉄球の使い分けだ。
ここに来る前に少しだけ人形作りをした。フレインの所持する人形は
私が作った奴だが、これはあくまで高威力の魔法をぶっ放すフレインを援護するために作り上げたため、これはフレインの人形だ。あげたらすごい喜ばれたけどね。
「それじゃあ行くか。あの脳筋魔女様が到着する前に片付けれれば問題ない」
そう言って私は正面玄関ホールの扉を蹴破る。
「レッツ、ハンティング!」
最初に玄関ホールに入るが誰もいない。あちこちの部屋を探したが三十人中、二十八人は部屋に籠ってるな。被害を受けたくないだけかもしれないか、それとも待ち伏せか、まぁ上位の魔族は二階と地下に分けられてるね。
「敵が出てこない……」
「使用人たちはあくまで道具にすぎないから攻撃を仕掛けてこないだけだろう。なら好機だ。一気に攻め落とそう」
コツコツと私らの足音が廊下に響く、途中で地下への入り口を見つけて一度フレインと別れる。後は私が元凶を見つけ出せばいい。
「待ってなさい。魔族君。必ず君を倒そう」
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