#2 僕とトクヨさん、最初の事件。前編
トクヨは愛知県警を出ると、工藤に名古屋の街並みを見せてくれと言われ、スマホを上に掲げた。
「『ひぇー、すっごい良い景色だねぇ、今の名古屋。』」
「僕にとっては全く変わらない街並みに見えますけどね。」
そう淡々と答える工藤にトクヨは呆れて答えた。
「『はぁ、これだから今時の若いモンはつまんない答え方ばっかなんだよ。』」
「悪かったですね、つまんなくて。って言うか、事件の捜査って何を捜査するんです?」
するとトクヨは自身のアプリの検索機能で通り魔事件を検索してみろ。と言ってきた。 その事件は中区の交差点でさっき発生した事件なのだが、犯人は未だに逃走中で現在は制服警官が追跡中である。
「分かってるんですか?トクヨさん。僕は警察官ですが、管轄外の事件は無断で捜査出来ないんですよ。」
「『現行犯で捕まえればいいし、例えどやしつけられても偶然を装わせればいいだろ?ほら、早いトコ、犯人とっ捕まえるよ!!』」
トクヨの圧に押され、工藤は全力疾走で現場に急行した。
※
通り魔事件の現場に到着し、工藤は見張りの警官に警察手帳を見せ規制線を潜り抜け現場に入った。被害者は20代の若い女性だった。彼女の腹部は無惨にも深く、何度も刺された跡だった。救急車の担架で運ばれて行く時に工藤は彼女の写真を確認した。それは婚約者と幸せそうにカメラに収まる彼女の姿だった。するとトクヨは周囲にバレない程度で工藤に話し掛けた。
「『・・俊輔、絶対に捕まえるよ、犯人。私達の手で。』」
「ハイ。トクヨさんは手はありませんけど。」
「『余計な口は叩かずにさっさと走りな!!居場所のナビは私に任せて、はい!!』」
そう背中を押され、工藤は血走った眼光で名古屋の中心街を全力で走り出した。ー
続く
あとがき
トクヨのCV(キャラクターボイス)は花澤香菜さんか、MAOさんを希望してます。江戸っ子弁で蓮っ葉な喋り方が似合いそうな女性声優さんを希望してます。
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