第25話 指名依頼
ある日ギルドに行くと「指名依頼が来ています」と言われた。
話を聞くと、伯爵が王都に向かうのでその護衛を頼みたいというものだった。
馬車で5日かかる道程らしい。
「それはいつ出発なんだ?」
「3日後の9時です。」
「ちょっと独断で決定はできないから返事は待って欲しい。それと今日は自作した短刀を売りに来た」
「返事は保留…っと。かしこまりました。短刀の売却は受け付けておりますが、素材でない場合は商業ギルドの方が少し高く売れますよ?」
「そうなのか…でも試作品だから大丈夫だ。」
「かしこまりました。お預かりします。鑑定しますので少々お待ちください」
暇なのでその間依頼を眺めていく。
「ハイオーク討伐依頼」この前倒したからインベントリにあるような気がするんだよな…
「木材採集の依頼」これも森の繁殖力を見るために伐採したやつがあるんだよな…
そうこうしてるうちに、鑑定が出来たと呼ばれた。
「短刀自体は良質、しかし付与で【耐久値上昇】の付与がついてるので3万エンでいかがでしょうか?」
「付与がなければいくらくらいになるんだ?」
「良質の短剣でしたら1万エンくらいが妥当なところだと。付与できる人間はそう多くないため、この値段にさせていただきました」
「わかった。それで頼む」
まさか魔力を込めて作っただけの短刀がそんな高値で売れるとは思わなかった。
1度帰り、リエンに王都行きの護衛任務を指名依頼で受けたので行っても大丈夫が聞いてみる。
「それは我も行っては駄目なのか?」
「人数が多くなると進行が遅くなるから出来れば増やして欲しくないらしい」
「む…何日くらいで帰ってくるんじゃ?」
「5日かけて王都に行く。帰りは転移で一瞬だ。もしかしたら帰りも頼まれるかも知れないから、短くて5日、長くて10日だ」
「我は寂しいのぅ。しかし、大丈夫じゃぞ。待つのも嫁の仕事じゃ」
「誰が嫁だ。嫁にした覚えはないからな。それじゃ依頼を受ける方向で話をしておく。出発は3日後だから」
「分かったのじゃ。みなには我から伝えておこう」
「助かる。んで今日も何かしら作るから下に籠るわ」
「なにっ!?3日後出発するんじゃろう?我にかまえ!」
「はいはい、明日の昼過ぎからかまってやるよ」
と言い残し地下に篭もる。8時間くらい。
色々試して見た。属性ごとの魔力を込めてみたり、長剣を作ってみたり。
次の日、起きてギルドへ依頼を受ける事の報告をしておく。ついでに昨日作った武器も売る。
短剣【火属性付与】
短剣【切れ味上昇】
ロングソード【光属性付与、切れ味上昇】
ロングソード【聖属性付与、耐久値上昇】
と8時間かけて出来たのはこの4本のみ。
かなりの時間と集中力を使う。
結局かなり高価になって合計30万エンで売れた。
こうなると錬金とかもやってみたくなる…
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