第26話 王都へ
3日が経った。俺は特にこれといって変わったことをする事もなく、武器を作っては売ってを繰り返していた。おかげで懐は暖まりまくっている。
「さてナオト殿、王都へ向かうとするか」
「いや、伯爵、護衛は?俺一人?」
「ただ街道を進むだけだからね。盗賊も滅多に出ない。戦力としては充分のナオト殿がいる。今回は落ち着いて向かえそうだな」
なんかもう、伯爵も引く気がなさそうなので出発する。護衛増やさないと万が一で困るのあなたですよ?といいたい。切実に。
「気を取り直して、向かおうか」
こうして、馬車に揺られて王都へ出発した…
出発して2日。前方にみすぼらしいが武器を構えている人間がおよそ30人。
おそらく盗賊の類だと思うが分からないので伯爵に聞いてみる。
「前のやつらって盗賊なのか?」
「前?……盗賊だ。しかもかなりの規模だ。降伏して受け入れてもらうしかないか…」
「いやいや、なんの為の護衛なんだ?あれぐらいだったら大丈夫だろう」
「しかし見た感じ30人くらいはいるが…ナオト殿は1人で制圧出来るのか?」
「多分大丈夫だ、それより降伏してほっておく方が後々面倒だろう。それに俺は犯罪者に人権はない、という考えだからな」
伯爵が心配そうにこっちを見るから、馬車を止め、1人で盗賊の方へ向かう。
「なんだてめぇは!?「ダウンバースト」
特殊魔法の重力魔法を使い、全員をその場にひれ伏せさせる。
「前口上の最中すまないが盗賊だろ?人権も生きる価値もない。このまま殺させてもらう」
「待て待て!悪かった!もうしない!許してくれ!」
「ふむ。思っていたより命乞いが早い気もするが、却下だ。お前らはそういう人達を手にかけてきただろう?殺すのは殺される覚悟が無いとな」
動けない奴らの首を一人一人落としていく。
もしかしたら懸賞首がいるかも知れないからな。
馬車へ戻り「終わったぞ」と声をかけると伯爵が「ここから見てたが圧倒的だったな」と返してきた。
その後の道のりは特に何も無く、王都へ進んでいった。
馬車はケツが痛いので出来れば乗りたくない。これが王都へ向かう最中に思った事だった。
王都へつくと門前に長蛇の列が出来ていた。
しかし伯爵は気にした様子もなく横の門から入っていく。聞けば貴族用の門らしい。
「ようこそクェンタ伯爵。王都へ。失礼ですがそちらの方の身分証明出来る物をお願いします」
ギルドカードを提示する。
さすが貴族用。丁寧な門番だ
チェックが終わり王都の中へ入る。
クェンタも多かったが王都はやっぱりもっと多い。体感で3倍くらいだろうか。活気もすごい。
「ナオト殿、護衛助かった。2日目の盗賊の時はナオト殿の強さを垣間見た気がした。ちなみにナオト殿はこの後は?」
伯爵だったらいいか、と思い普通に答える。
「転移が使えるからそれで家に帰る予定だ」
「なに!?転移!?…まぁ、ナオト殿だからな、気にしないがあまり言いふらすのはやめておいた方がいい」
「わかってる。伯爵だから言ったんだ。それじゃまた」
転移で家へ戻る
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