第67話一条の暴走

空がICUに入って1か月ようやく意識が戻ったと知らせが入り、菫たち関係者が病院に集まる。


空はたどたどしくだが少し会話をし皆を安心させる。


菫も楓も喜び涙を流す


美空も意識の戻った空を見つめガラス越しに空にてを振る。


そらもゆっくり首を動かしそれにこたえる。


みなその光景を嬉しそうに見つめる。


その後担当医と話して、順調にいけば週末には一般病棟に移れると言われる。


皆それを聞いて病院の個室だから何人かで交代で看病しても問題ないからと、ローテーションの打ち合わせをしたりと楽しそうに話していた。


菫がみんなに話す


「皆私達の大切な空が意識を取り戻してほんとよかったよね。1週間もすれば一般病棟に移れるらしいからみんなで話し合って交代で看病に来ましょう。」


美空も嬉しそうに楓に話しかける


「お母様!やっとです。私のパパに会える。嬉しい・・でも私の事知ったら・・」


楓は不安そうにする美空に話しかける


「大丈夫よ。その前に空にちゃんとお話しないとね。たぶん喜んでくれると思うわ。」


真帆たちもこれからの事を楽しそうに話し面会時間が過ぎたので病室を後にする。


空が意識を取り戻してから面会時間いっぱい家族が様子を見に来ていた。


菫は空の状態は順調に回復していると、ただ心肺機能だけ回復が遅れていると。だからまだもう少しICUで様子を見る必要があると言われ少し落ち込み病院を後にして、皆が定期的に集まる家族会議でその事を伝える。


ただ家族会議には仕事が忙しいのか風香だけ参加していなかった。


「では皆さん一般病棟に移るのは少し伸びたけど時間を守って見に行くのは構いませんからお見舞いよろしくね。」


風香が来れなかったのには訳があった一条彰が四葉を解雇されすぐ瑞樹空の殺人未遂で逮捕、その取り調べ中に逃げられその事件の監督官として、捜査を見守っていたからだ。


風香は一条に逃げられた報を聞いて激怒し捜査一課長に厳しく注意し捜査本部に詰め行方を追っていたのだった。


風香は怒りでおかしくなりそうだった。大好きな空に重傷を負わせ放置した一条に逃げられたのだ。


『くそ!一課の連中油断して何やってるのよ!捜査員を増やしてるのに何で見つからない!絶対見つけて見せる!』


捜査班の中には妖精ソラネのファンもいて彼ら彼女らが他の捜査班にも影響を与え捜査班の指揮が一気にあがっていた。


『いいか!絶対見つけるぞ!あのクソヤローは絶対捕まえるぞ!』

『あの可愛い空ちゃんを殺そうとした奴だ絶対捕まえるぞ!』


☆・☆・☆


警察の取り調べ中に上手く逃げだした一条は


「なんでエリートの僕が逮捕されるんだ!僕は選ばれた人間なんだ!こうなったのも全てあのチビが原因だ!キャサリンも真帆も僕のものにできたのだ!クソ!このボクの好意を無視した奴らに絶望を見せてやる!」


あの女どもの希望があのクソチビか・・・だったらフフフ


・・・・・・・・・・・・・


ほうあのチビ入院してるのか、ならこのボクの情報網で調べれば・・・・

なるほどこの病院か、セキュリティーとか甘いな。これなら・・


一条は白衣に身を包み空の病院に姿を現す。


早朝の看護師の交代時間を狙えば・・・

フハハハちょろいもんだぜ


おぉスヤスヤとおやすみですか・・


見回り来る前にさっさと連れ去るか。


こんなチューブ邪魔だ!


ブチブチブチ


よし。あとはこのチビをこのバックに入れてっと。


ハハ小さいからこんなバックにも入っちまうぜ。


これならわからねえだろ。


医薬品ケースこれに入れて冷蔵庫に入れておけば誰も疑わないだろう。


気が付いた時はこのチビは死んでるだろうけどフハハこのボクをコケにした報いだ!


☆空視点…


空は窮屈な箱に入れられて気が付く


『ここは・・・?苦しい・・なにこれ何かの中?どうなってるの?』


空の身体は心肺機能以外はほぼ完治し、大腿部の傷の影響で神経切断その後手術により修復、ただ修復できたかわからない状態だった。


空は度々の大量出血心肺停止の影響で機能がかなり弱っていて、現在も自力で必要酸素を取り入れる事が出来ない状態だった。


空は狭い箱の中で思いを巡らせていた。


『ボクまたやっちゃったなぁ・・今の状態よくわからないけど、たぶんどこかに連れて行かれてるのかなぁ』


ガラガラガラ…


ゴトン


止まった。


はぁはぁ


息するの苦しいの…


なんか凄く寒くなってきたの…


なんで…


寒い…



☆☆☆☆


一条は病院の地下にある医療用冷蔵庫に空を閉じ込めた鞄を入れる。


「ここなら見つかるまで時間かかるだろう。おい!チビそこで永遠に眠りな!」


バタン


一条は冷蔵庫の温度を確認してその場を急いで離れる


「設定温度は3℃かこれなら長く持たねえだろ。」


「これであいつらも絶望するだろフハハハ」


途中何人かの看護師とすれ違うも一条は怪しまれず病院を後にする。




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