第61話空と美空
空が病院に運び込まれ治療が始まる。
真帆達は病院で先に待っていて、空が救急車から中に運び込まれたのを見て愕然とする。
空、は死んでいるのではないかと見えたからだ。
空は処置室でいろいろチェックされた後すぐに手術が行われる。
始まって30分ほどで真帆達家族が予想した通り看護師が飛び出して来て慌ただしくなる。
真帆たちは予想がついていたが、菫達はわからなかった。
看護師が手術室に入ったと思ったら再び出てきて菫達の前に出てきて説明を始める
「現状の瑞樹空ちゃんは非常に危険な状態です。
出血も多く輸血用血液もこの天候と、交通事情により運搬が難しい状態です。
血液も一番近い県内の血液センターに保存の血液はなく、現在あるのは500km以上離れた大阪にしかありません。
ご家族の方でどなたか適合する方はいませんか?」
それを聞いて真帆達は項垂れるキャサリンが看護師に問いただす。
「あの空の血液型はなんでしょうか?」
看護師が驚いてキャサリンを見て答える
「家族の方以外で適合する方はかなり少ない適合率0.2%のAB型RH-です。」
それを聞いて菫も項垂れる
『血液型が特殊だから梨香さん達が項垂れてたのね。』
看護師が私達の様子を見て答える
「空様はかなりの出血されています。とてもセンターからの血液の到着を待っていては助かりませんので、皆さま覚悟はしておいて下さい。」
そんな中楓が泣きながら美空にすがりつく
「ぅぅ美空…お願い空を… 助けてぅぅ… 」
美空は泣きながら懇願する楓を睨み話す
「お母様つまりそれは以前、私の聞いていた答えなんですね。」
楓は泣きながら頷く
「ぅぅ…ごめんなさい…空を失いたくないのお願い助けて…」
「嫌よ!あんな奴!お母様が私を育てるのに苦労されてるのにあいつは… 何も連絡もせずどうせ遊びまわってたんでしよ。
お母様に深い傷を負わせて自分は逃げて!
私絶対許さない!あんな奴死ねばいいのよ!」
それを聞いて楓が泣きながら激しく首を振る
「違うの美空…言えなかったの… 空くんにも教えてないの… 」
「何でよお母様!何でよぉー!お母様ー」
美空も楓の泣きながら激しく揺さぶる
そのやり取りを見て梨香達は美空が空の子供だと悟
看護師が美空に告げる
「特殊な事情がおありのようですが、現在空様を助ける事が出きるのは、あなただけのようですね。
看護師としてはっきり言わさせてもらいます。
事情はどうあれ、血液が間に合わない今もう一度お聴きします。
あなたの血液型はAB型RH-ですね。」
美空は看護師の厳しい口調に答える
「はい…」
「ではもう一度お聴きします。空様への輸血の協力お願いできますか?」
美空は答えず黙ったままだった。
それを見て看護師は一言言って手術室に向かって歩き出す。
「わかりました。私たちも輸血用血液の搬送状況を確認します。」
看護師が手術室の前で病院用携帯で、いろいろやり取りをし、何度もいろんなところに掛けて話をしている。
真帆達にも僅かだがきこえてくる
「はい!そうですか・・何とかなりませんか?・・・・わかりました。」
「もしもしこちら千葉○○総合医療センターの・・・はい・・・わかりました。」
「もしもし・・・先ほど電話した・・・・わかりました。・・はい」
「こちら・・・・」
看護師は30分やり取りをし私たちの前に戻って来る。
そして手術室から男性医師が出て来て看護師に耳打ちして再び手術室に入って行く。
看護師は私達に告げる。
「これ以上は待てません。脈拍も低下しかなり難しい状況だと・・
医師は最後まで全力は尽くすと言ってます。私も戻ります。皆さん覚悟だけはしておいてください。」
そう言って看護師は歩いて行く
それを見て楓は泣き崩れる
「空ぁ―ウゥ・・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます