第54話家族の話し合いと空の美声

その夜空の家族が集まり、キャサリンとクリスが空によって紹介される


「えっとぼ・ボクのカナダ人とアメリカ人の恋人です。

家族になってほしいと思ってる人です。

こっちがクリスさんで、この人がキャサリンさんです。」


真帆達は菫からあらかじめ聞いていたため、空を問い詰めることはしなかった。


お互いそれぞれ自己紹介をする


「クリス・テラルトです。空には石垣島で知り合いました。空はずっと捜してた王子様でした。よろしくお願いします。」


「キャサリン・リモワールです。空とは石垣島で運命的な出会いをしました。

空は私の素敵な旦那様です。

勿論空の家族に加えて頂くのでちゃんと空を大切にするルールはまもります。

よろしくお願いします。空愛してるわ♪」


キャサリンにウインクをされて恥ずかしそうにする空


はぅ…


空とのきっかけが石垣島と聞き真帆や紫苑達は、自分達と同じだと気づきあの時空に救われた者同士ですっかり打ち解けていた。


梨香が尋ねる


「キャサリンもクリスもこれからどうするの?1年に一度くらい空に会いにくるのかしら?」


真帆達もそれが気になりキャサリンの発言に注目する


「私は年内後数本映画の撮影があるしモデルや他の仕事もあるから向こうに戻るけど、来年は大好きな人のいるここに来るわ!すぐ近くに家を建てるつもりよ!」


クリスもこれからどうするかを伝える


「そうね私も向こうに何人か契約してる患者がいるから、空のリハビリが目処ついたら一度フロリダに戻るわ。

向こうでいろいろ整理して空のいるここに戻るわ、この家の周り土地が空いてるみたいだから、キャサリンと同じように家を建てるつもりよ♪

ここを中心にしてアメリカに戻ったりするつもりです。何日かに一度でいいから、空と二人で過ごせたらいいかな…」


すると菫が笑いながら二人に話す


「梨香ママと真帆、志保の家の周りの土地は、全てサクラグループの方で抑えてるから、どこでも好きなところ言ってくれたら、お譲りするわよ」


二人は、喜び菫に是非譲ってほしいとお願いをする。


「この家は、私の他は娘が二人と子供が一人住む予定よ。

今日は子供の転校手続きでいないけど、キャサリンが滞在日数次第では、紹介ができるかも知れないわね。」


二人は何かを感じ質問をする


「菫さんそのお二人も空の家族になるのでしょうか?」


「そうよ、恵美理と楓と言うのよ、3日後には引っ越しも終わるから、時間が合えば来てくれたいいわ」


キャサリンは予定を見て答える


「夜にはこれると思います。よろしいでしょうか?」


「ええかまわないわよ」


空が楓がここに住むことに嬉しそうに菫に確認してくる


「菫おかあさま楓お姉ちゃんもここに住むの?恵美理お姉ちゃんも?」


「フフフそうよ、空は嬉しい?」


空は嬉しそうに答える


「うん♪すごく楽しみ!菫母さまも梨香お母さんもみんな忙しいから1週間に1回くらいは会いたい・・

でも母様もお姉ちゃんもお仕事も大切だからボク我慢するけど・・

できたらそんな感じで会えたらご飯とかも一緒に食べたいな・・」


梨香も真帆、紫苑、志保、理沙、百合と集まった姉妹たちは空を安心させるように


「空。私たちは、今みんな凄く忙しいけど、一番優先するのは空だからね!

空がいるから私達毎日仕事が楽しいのよ!みんなお仕事休みの時とか仕事早く終わった時は空に会えるの楽しみにしてるんだから」


志保が空に話しかける


「空がいてくれるから私達お仕事頑張れるの、だからこれからは家族みんなで話し合って空がさみしくないように、誰かが必ず早く帰る日を決めて一緒にご飯食べるようにするからね」


空は恥ずかしそうに


「みんな無理しなくていいから、どこかで一緒に食べれたらでいいから」


菫が空を見つめ安心するように話す


「空心配しなくてもいいわよ、今サクラグループで広告音楽、ファッション関連の仕事はほとんど外注だったけど、それが梨香お母さんや真帆たちの所に切り替えてるから忙しいけどもう少ししたら落ち着くからそれまで我慢して」


「はい!わかりました。」


菫は空が落ち着いたのを見て、みんなを驚かせるためにリモコンを操作し出す


それを見て控えていたメイド達がテキパキ準備を始める


集まってるのはエイトクローバのメンバーとクリスとキャサリン家のスタッフだけだった。

菫が微笑みながらみんなを見つめ何かのスイッチを入れる


「これは、コスモスミュージックで2週間前に有料チャンネルに登録された曲で、歌い手さんと映像が凄くいい感じなのよ。

2日前に有料配信が始まった曲だからみんなで聞いて感想を聞かせてほしいの。」


スクリーンに有料チャンネルの情報が流れMCが本日披露する音楽を紹介する


「皆さんこんばんは本日はコスモスミユージック有料チャンネルを見て下さりありがとうございます。

では早速先週登録された新人瑞樹ソラネちゃんの曲をご紹介します」


MCに紹介され瑞樹ソラネが挨拶をする


「瑞樹ソラネです。登録したばかりの新人です。沢山の人がボクの歌を聞いてくれたら嬉しいです。

よろしくお願いします。☆桜!聞いてください。」


突然スクリーンに空が現れ全員が驚く


真帆が空を捕まえ尋ねる

「瑞樹ソラネ何それ?誰のつもりかなぁ…この事何も聞いてないよ。空」


紫苑も問い詰めるも音楽が流れだし静かになる


スクリーンには空がギターを奏で始め歌声が流れてくる。

背景には綺麗な桜並木が映しだされ桜舞散る中を空がギターを奏でながらゆっくり歩く

誰もが聞いたことがない曲をギターを奏でながら空が歌っている


ポロロン♪

ジャンジャン~♪


「桜舞散るこの季節…… ♪

あなたと歩いたこの道が…… ♪

でもあなたはもういないから…… ♪

今私は二人で歩いたこの道を…… ♪」


ジャンジャン~♪


全員が空の歌声に感動する。


『凄い心に響くよぉ・・スクリーンの空凄く可愛いし…ウルウル』

『スクリーンの空凄く可愛い…何でこの子の声は心に響くのよ…

ぅう…』

『空の歌声ほんとに凄い…映像も最高キュンキュンが止まらない…』

『何これ何でこんなにドキドキするの…』

『ソラはスゴクイイはぁ~ スクリーンのソラも歌声もステキ…』

『コレダメなヤツ・・トテモステキはぁ~』


歌が終わると座ってスクリーンを見てた空が恥ずかしそうに下を向いている。


菫が空を見て微笑み全員に詳細を話す


「この曲は空が作詞作曲した曲です。どうでしたかフフフ」


皆はまだ放心状態なのを見て菫が嬉しそう合図をおくる。


「フフフではソラネちゃんの魅力を知ってもらうたもう一曲聞いて貰いましょうか、この曲は雨宿りする二人が出会う恋唄よ」


映像は雨が降る中を小走りに走り店先で雨宿りするところから空が歌いだす。


雨が降ってたあの日は君はここで雨宿りしてたね。僕は・・・♪

雨宿りする君の方は小さく震え…♪

雨に濡れた君は…♪


映像の雨に濡れた女子高生姿の空が肩を少し震わせながらハンカチで拭いていく姿がよけいドキドキさせる。


空が雨の雫を滴らせながら歌いだすと、皆ため息のようなものが聞こえてくる


登録された曲を聞き終えた皆に菫は尋ねる


「皆さんどうかしら…あらまだ酔いしれてるのかしら…うふふ」



キャサリンが口を開く


「菫様この映像と歌声は恋に落ちる…危険よ!ほんとにこれを配信したの?

どうなっても知らないわよ。」


菫はあまりの反応に驚く


「まさかそこまでないでしょ。一応コスモスミュージックでは、この2曲を曲のみと映像も含めた完全版を用意してるそうよ。

目標は両方併せて500万ダウンロード再生を目指してるそうよ。」


クリスも呆れるように菫に話す。


「菫様は空の美声を甘く見すぎです。とんでもないことになると思いますよ。映像、曲の内容、歌声、曲調どれも文句のつけようがないのよ。」


真帆も頷き正直な意見を述べる


「菫お義母様映像無しで1曲100円!いえ300円でもダウンロード数凄い事になると思います。

でもあの映像見たら完全版のダウンロードの方がとんでもない事になると思います。」


菫は、有料だしまさかと思いながらもコスモミュージックの空を担当してる者に状況を尋ねる


「わかったわよ。一応聞いてみるから…ああ私よ。ちょっと教えてくれるかしら、瑞樹ソラネちゃんの配信スタートしてから、現時点での数値教えてくれるかかしら」


ふんふん…


「はぁー!2日で5000万ダウンロード!嘘でしょ!まだ2日よ!え?ダウンロードが集中しすぎてサーバーがダウンしてるだって…」


周りは菫を見てニヤニヤしている。


キャサリンが菫にニヤニヤしながら話す



「で!結果はどうだったのかな?私達のソラの魅力は…」


菫は呆れるように話す。


「貴方達の言う通りよ。空の魅力はとんでもないことを引き起こしたわ。

サーバーがダウンするなんて…はぁー

私の認識が甘かったのね。」


コスモスミュージックもまさかの事態に混乱している


瑞樹ソラネのデビューミュージック映像が、配信スタートした数時間は、お試し視聴に集中していた。


その後2時間後くらいから完全版をダウンロードした者が、SNSで評価を拡散してから大変な事になる。


完全版にアクセスが集中し始めたのだ。その為なかなかダウンロードできない状態が続く。


それもSNSで拡散され人気に拍車がかかり、ついにサーバーがダウンしてしまう。


コスモスミユージックの担当者がまさかの事態に他の部署の者も動員して対処に奔走していたのだった。



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