第52話キャサリンの思いと契約

キャサリンがいろいろと思い出していると、クリスから連絡が入る


「ごめんね、今ソラが帰って来て話ししょうとしたんだけど、元気がなくて何かあったみたいなのよ。落ち着いたら連絡するわ。」


クリスが通話を切ろうとしたので、慌てて止めるキャサリン。


「ちょっと待って!クリスは、今その子と一緒に住んでるの?」


「ええそうよ、いろいろとサポートしてるから、フフフ羨ましい?」


「ねぇ私もそっち行っていい?」


クリスは、少し考えて答える


「そうね、私の親友として会いに来るのは問題ないと思うわ。

あの様子だと暫く外にいかないと思うから、キャサリンの想い人のソラに会えるわよ。」


「ソラちゃん大丈夫なの?」


「うーん何があったかわからないけど、たぶん大丈夫だと思う…

ソラは、私達以外もいろいろ助けた女の子いるみたいで、どうやらその時の影響で身体に障害が残ってるみたいなの。

私がサポートして機能回復頑張ってるの。

それで今バイクで帰って来て何か部屋に引きこもっちゃったの。」


「でも凄いね、障害あるのにバイク乗れるなんて…」


「ソラちゃんのために、障害者用の特別なバイクを用意したのよ。

脚が不自由なソラ用の三輪バイクなの。

あの感じだと暫く家にいると思うから、私はいつでもいいわよ」


キャサリンは、アイシャにスケジュールの確認をすると、明日は日本最大グループ企業のモモイロとの会談だし、明後日ならいいか


キャサリンはクリスに明後日で、お願いした。

クリスは午前中はソラの定期検査と、リハビリだから午後なら問題ないとの事で2日後訪問する事になった。


アイシャが、2日午後の予定全てキャンセルしてくれた。


次の日私とアイシャは、サクラコーポレーションビルに来た。


「アイシャ凄いわね。凄く大きな綺麗なビルね。」


「そうですね。さすが日本のトップ企業ですね。この中にファッションブランド、モモイロのオフィス事務所があるようです。」


私達は、エントランスに入ると、私に注目が集まり周りがざわつきだす。


すぐに案内人がかけよって来る。


「ようこそいらっしゃいました。

今日はどちらにいらっしゃったのでしょうか?」


アイシャが日本語で答える


「モモイロに商談の事があって来たんだけど、連絡とってくださるかしら?リモワのキャサリンが来たと言ってくださればわかるから」


すると案内人が右手をあげると、一人の女性が私達の元に来る


「リモワCEOキャサリン・リモワール様、秘書アイシャ様お待ちしていました。

この者達がモモイロまで案内します。」


一人の女性が、礼をする

「キャサリン様お待ちしておりました。

私モモイロ広報部長の七瀬と申します。

キャサリン様アイシャ様ご案内します。のでついて来てください。」


私達は、七瀬の後をついて行く。

私達二人もゲストカードを渡され、カードをかざしゲートを抜けエレベーターで25階にオフィスを構えるモモイロに来た。


会議室に通された私達は、モモイロの代表、企画、広報、販売の各責任者と話しあった。


条件は、対等ハッキリ言って前に商談した、四つ葉の方がはるかによかった。


ハッキリ言ってこのモモイロのブランドは、最近になって急速に成長してきたブランド、それが対等の条件での契約を求めるとは呆れるわ!

どれほど自分達のブランドに自信持ってるのよ!


「あの失礼ですが、モモイロは、私のブランド力ととても対等と思えないのですが…

モモイロの一番を見せてくれるかしら、商品、デザイン、広告モデル、どれでもいいわ。納得出来なければ、契約はいたしません」


モモイロの代表山崎が強気の発言をする。


「そもそもお話は、そちらから提携したいと言う事だったのでは?

無理にそちらと契約するつもりはございません。

ですから、このままお帰り頂いても結構です。」


予想外の発言にキャサリンもアイシャも驚く


日本一のグループ企業だから問題ないと?

私の知名度とブランド力は、今や全世界で認められてるのよ!

わかってるの?


「よほど自信がおありのようですが、私のブランドと張り合うつもりですか?」


「言えそう言うつもりはございません。

ただモモイロは、ほっといても爆発的に売れますから…

参考までに、モモイロの専属モデル件デザイナー見てみます?

モデルの着てる服は本人がデザインしたものです。」


アイシャは、モデルを見てため息をついている


「はぁ~ 可愛いい~

このモデルの着てる服欲しくなる…

はぁー」


キャサリンは、モデルを見たまま全く動かない…

1分…


「キャサリン?」


アイシャは呼びかけるも全く反応しない


5分…

そして、キャサリンの目から涙が溢れる…


「見つけた…ぅう」


キャサリンが涙を流すのをみて慌てる


「キャサリンどうしたのですか?」


その様子を見て山崎も慌てる


「どうかされましたか?」


キャサリンは突然立ち上がり、山崎に詰め寄る


「このモデルの女の子は、モモイロの専属なんですか?

どこに行けば会えますか?

このモデルの名前は?」


アイシャは慌ててキャサリンを止める


「キャサリン!ちょっと待って!落ち着きなさい!」


山崎は考える

キャサリンは、どっちなんだろうと

モデルソラに魅了された?

それともソラの関係者?


『あの様子からだとおそらく関係者の方が濃厚か…会長に連絡するか…』


「すみません…私どうしてもこの子に会いたい…」


山崎は確信した。


『あ、これ空ちゃんの関係者だ…』


「あのまだ途中なんですが、契約はどうされますか?」


キャサリンは即答する


「この子が専属モデルなら、対等でなくても構わない!

そちらの有利な条件で契約する。

ただしこの子に会わせてくれるならだ!」


山崎は答える


「この子は少し特殊な事情があります。すぐに会わせる事はできません。

会長に会って面談してからでないと無理です。」


「わかったわ面談を希望するわ」


山崎は、自分の感想も加えて笹本会長に連絡する。


すると、短時間だが面談が許され、キャサリンとアイシャは笹本菫と話し合い、明日夕方会わせる事を約束する。


アイシャがキャサリンに教える


「キャサリン明日の夜大丈夫なの?」


「何が?」


「何がって…明日は昼間会うんでしょ?大丈夫なの?」


「問題ないわ!だって住所同じだしね。」


キャサリン達は一旦ホテルに戻った。

契約は後日改めてになった。

要するに空とのどういう関係か確かめるためだとわかった。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る