第29話観光列車で行く美女と温泉〈金沢和倉温泉編〉

私達は、今回同行するカメラスタッフと、待ち合わせの東京駅の新幹線ホームにいた。


一人の小柄な女の子が、こっちに歩いてくる


「あの…九条真帆さんでしょうか?

私、温泉と鉄子の雑誌の編集者の榊原と言います。

こっちはカメラマンの轟です。

皆さんよろしくお願いします。」


挨拶し軽く自己紹介などしてると、9:20発金沢行新幹線かがやき507号が入って来た。


では、皆さんこちらです。


私たちは、12号車のグランクラスと言う席らしく、車内は通常のグリーン車よりもゆったりしてる。

グリーン車は、座席は1列に4席だが、このグランクラスは1列に3席で、シートもゆったりしてて、飛行機のビジネスクラスのシートに似てる。

ただこの席は、向かい合わせて座ることができない


では、皆さん今から撮影させていただきますので、普段通り適当にくつろいでください。


志保は、車輌を見て真帆に話しかける


「なかなか素敵な車両ね、私たちは前2列だから、まずどこに座る?」


真帆も、車輌を見てどう座るか考える


「通路を挟んで1対2なのね、前後で4人だけど、私達は5人だから1人あふれるわね」


すると理沙が


「お嬢様、私は通路反対側に行きますから」


その言葉にすぐ反応する空


「嫌なの!理沙お姉ちゃんはこっち!みんなで仲良くなの!空が向こうに行く!」


真帆は空の優しい行動に反応し


「じゃ真帆がそっちに行くから、空ちゃんこっち来て!」


「嫌なの!空はここ!理沙お姉ちゃんは真帆お姉ちゃんや志保お姉ちゃん…シオンお姉ちゃん…と仲良くするの!」


「ちょっとソラ!何でシオンだけ呼び方止まるのよ!」


「アハハ♪やっぱしシオンお姉ちゃんすぐ反応するね♪だぁーい好き!」


「い・いきなり…な・何言い出すのよ!嬉しいからいいけど」


ソラはシオンの反応にニコニコしながら抱きつき、シオンの頬にキスをする


「チュッ☆」


真帆も志保も、空の行動にビックリしてる


「そ・空ちゃん…な・何してるのよ」


キスされたシオンは顔を赤くして呆けている


「空ちゃん…真帆にも…して」



「真帆お姉ちゃんこっち!チューーッ♥️」


「えーーーー!唇……しかも大好きな空から…いいなぁー」


「志保お姉ちゃん!あれは何なの!」


志保は膨れっ面で、空の指さした方を見る


「何よもぉ……」


「チューーーーーー♥️」


「志保お姉ちゃん大好き!」


空は嬉しいのか、そのまま理沙に抱きつき理沙の唇にキスをする


「チユーッ♥️」


「空ちゃん♪ありがとう、嬉しいー理沙は幸せ」


4人の美女を毒牙にかける幼女ね、なかなかスタートから楽しくさせてくれるわね


空ちゃん、あのギクシャクしたのをいっぺんに解決したわ


空を中心に和む美女達その楽しそうな姿をカメラに納められながら、新幹線は 、終着駅金沢駅に到着した


「皆さん、金沢に到着しました。

この後金沢駅周辺で、昼食をとります。

少し休憩されて、金沢駅14時15分発和倉温泉行に乗ります。

その列車が、今回の取材対象なので、皆さん、パンフレットをよくお読みになって、この列車の特徴と感想を、皆さんで楽しみながらお願いします。」



「わかりました。」



私達は、グランクラスでの快適な列車の旅を満喫して終着の金沢駅に着いた。


金沢駅はこの北陸新幹線の開業に併せて、リニューアルされ正面のデザインは、鼓を連想するように作られていた。


なんかおしゃれって、言いながら志保が写真を撮っていた。


シオンは志保を見ながら、なんか凄いんだけど…

志保さんって駅が好きなのかなぁ…


真帆は笑いながら、志保は駅舎オタクなのよ♪


「そう言うシオンはなんだったかなぁ…ウフフ」


「皆さんお昼はここね、」


『お寿司?海鮮?』


その看板を見たとたんに空の動きが止まる


「空、お腹すいてないから…いい」


「えー一緒に食べようよ」


「シオン、無理言ったらダメよ」


「空はお菓子買いに行ってくるから、お姉ちゃん達は食レポ頑張ってね」


「では私理沙が空ちゃんと同行します」


「それでお願いできる」


「理沙さん空のことお願いします」



真帆達は、仕事で来てるとの自覚もあり素直に従って海鮮食堂で食事をする事にした。



理沙と空は、金沢駅14時までに集まると約束をして、真帆達と別れて金沢駅前を散策する事にした。


空は、久しぶりの旅行と言うこともあり、テンション高く、知らない間に歌を口ずさんでいた。


『君って…フンフン♪♪♪……』


うわー何空ちゃんの声心に響いてくる。

ちゃんと聞いて見たい…


「ねぇ空ちゃん♪少しだけでいいから、そこのカラオケボックスに行かない?

理沙に空ちゃんの歌聴かせてほしいのダメかな?」


空は少し考えすぐにいいよの返事


理沙にとって、学生時代以来のことだった。

初めて付き合っての苦い思い出…

本来なら絶対行くことなどないのだが、さっき空が軽く口ずさんだ、空の歌をちゃんと聴いて見たいと思ったのだ


では2名様1時間でよろしいでしょうか、ではこちらの部屋で


空は終始ご機嫌で理沙の要望に答える


「ねぇ空ちゃんさっき歌ってた曲か空ちゃんの一番好きな歌聴かせてほしいの」


「うん♪いいよ、じゃねこの曲かな♪ポチポチ…君○○……」


○野カ○の曲なんだ…好きだなぁこの曲


空が歌い出す


君…君…泣いたりしないんだね…………

私は不器用だけど…………

全てを受け止めたいから……………


ポロポロ…あれ?涙が…空の歌凄い…

心の中に入ってくる…

人に感動を与える…凄く上手なんだ…

よかった歌ってくれて


この後何曲か歌ってもらって、私達はカラオケボックスを出て駅に向かった。




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