第22話新川空と美女4人

待機部屋に移った私達は、全員黙り込む


梨香が、落ち込む4人を励ますように話しかける


「私たちはソラ君を信じましょ!

大丈夫よ!だってこんな美女4人も残していなくなることなんてできないわよ・・・」


真帆も元気なく返事をする

「うん・・・・」


志保も静かに返事をする

「そうだよね・・」


紫苑は泣きながら訴える

「ソラ・・・やっと会えたんだよぉ・・・」


風香も空に聞こえるように叫ぶ

「そうよ!私だって、あの時のお礼も言えてないし告白もできてないんだから・・」


皆落ち込んでいるのか風香の発言に気づかない…

梨香だけは、風香の発言に気がつき問いただす


「ん?お礼?告白?ちょっと風香どういうことなの?」


梨香の発言に全員が風香に注目する


風香は、自分を見つめる梨香達に、空と出会う事になった沖縄の事を話しだす


「私もね、紫苑ちゃんが沖縄に行ってた時、近くで合同捜査の張り込みをしてたのよ。

その時紫苑ちゃんの事件が起きて、応援で捜査チームから数人抜けたのよ。」


紫苑はあの時の事を思い出す…

『そう言えば空くん私達を送ってくれた後、どこに行ったんだろ…』


「私は張り込みだけだし、無線で応援呼べるしこっちに来ないだろうって思ってたの。

犯人が来る確率が低い場所だったから、でも念のために張り込みしてたの。


だから危険は少なかったはずなの、ところが、麻薬売人とその元締めらしき男が現れ、千載一遇のチャンスで、無線で応援を呼んで待ったたら、相手が場所を移動し始め尾行してたら、仲間がいて背後から後頭部を殴られたの。


私は気絶して、売人たちの隠れ家に連れていかれて、監禁されたわ。

この時ばかりは、もうダメかなって思ってたわ。


逃げないように、服もスカートも脱がされ、下着も剥ぎ取られ裸で吊るされて、強いお酒も無理やり飲まされ…

もう何されるかわかってた。

私は警察官だし、最後まであきらめなかったわ。


でも売人は、刃渡り20cmのナイフと、スタンガン持ってるし、もう一人は日本刀持ってたから、助けが来てもどうなるかわからなかったわ」


梨香達は、風香の捕らわれた状況を聞き驚いていた。


「よくその状態で助けてもらえたわね・・それと空くんがどう関係するの?」


「ソラ君は、紫苑たちを送ったあと裏通りの近道で、帰ってたら気絶した私を3人で車に乗せて、男たちの屑セリフを聞いて、自転車で後をつけたみたいなの。


途中見失ったらしいけど特長のある車だったから見つけることができたって言ってたわ。


それで私が、下着も剥ぎ取られ裸で吊るされて、お酒を飲まされて、男達に犯される寸前に飛び込んできたのよ!


男たちは、眼鏡をかけマスクをした、小さい女の子に、ニヤニヤしてナイフと日本刀を見せて、おめも脱げって、女の子はニヤリと笑って男達を馬鹿にするように罵り挑発しまくったわ。


男達は、さすがに頭にきたのか、二人して女の子に襲い掛かったわ。

日本刀を持った男は、余裕の表情で見てたわ。


ところが、私も目を疑ったもの二人の男は、なすすべなく女の子に瞬殺されて気絶!


それを見て、日本刀を持った男が、私を人質にして、女の子を捕まえようとしたけど、女の子の話術と挑発にはまり、男は日本刀を振りかざし女の子に襲い掛かった。


しかし、ものすごい速さで動く女の子に上手く誘導され、女の子の巧みな話術と挑発で、冷静さをかき翻弄された男は、最後女の子に、空中回し蹴りされ後頭部直撃、男はそのまま気絶…


人の戦う姿をさんざん見てる私が、女の子の戦う姿にドキドキが止まらなかった!

ほんとに圧巻だったわ!女の子は男達の指を私を拘束した、結束バンドの袋を見つけそれで縛って、私の下着と服を持ってきてくたの。


女の子の、もう大丈夫だからって言う言葉に安心して、小さな女の子の胸に縋り付いて泣いてしまったわ。


それから私も落ち着き、男たちの武器を回収し、応援を呼んで証拠品を集めてっといろいろしてる時に、女の子はいなくなっていたの」


みんなも風香の話を聞いて、ますます空への思いが強くなっていた。


「なるほどね、その状態なら私でも好きになっちゃうわね。

あぁ!それで、紫苑の写メ見てびっくりしてたのね」


「そうなの!九州では全然気が付かなかったわ!

ずっと捜してた女の子だったから、写メ見た時は、驚きと嬉しさでちょっと混乱しちゃったわ。

だから私も、真帆ちゃんたちと同じソラくんとは離れられない!愛する空から絶対離さない!」


真帆、志保、紫苑の3人は風香と手を握りうんうんとうなずいている


「風香あなた、今回の事件のこと調べに行ったんでしょ?

何で?いつものあなたなら、ヤッホーとか言って来るのに・・」


「それについては、ソラくんが回復してから話す・・

ソラくんが、なぜ男性に対して容赦しないのかもわかった。

ただ・・ちょっと覚悟が必要かも・・

それでソラくんへの気持ちが変わることになるかも」


梨香がそれを聞いて話す


「私は、どんなことがあっても、ソラ君は引き受けるつもりでいたし、たとえ真帆たちが離れても、私はこの子の行動と優しさが好きになったから、私がずっと面倒を見るわ」


風香は頷き梨香に話しかける


「梨香姉さん・・わかった。ソラくんが安定したら私と一緒に警視庁に来て、そこでソラくんの過去が知ることができるから・・

でも本当に大丈夫?相当の覚悟がいるよ・・」


梨香は強い口調で風香に話す

「この子のことなら、全て受け入れる覚悟があるわ!今更何言っても無駄よ!」


「だよね、姉さんの性格全然変わってないね、アハハハ」


真帆、志保、紫苑も風香を見つめ何か言おうとしてたが、その前に風香がきつい口調で諭す


「私は、今までいろいろな犯罪や酷い状況を見て来たわ!

その私が見ても、耐えがたいものがあったのよ!

ましてあなた達3人は、ソラくんが大好きなんでしょ?」


3人は考え込む…

風香が更に強い口調でいい放つ!


「空くんの過去は、半端な軽い気持ちでは受け入れるのは無理!

絶対連れて行かない!家で待機してなさい!」


風香のあまりにも強い口調に驚く3人だった。

空の過去を知るには、それほどの覚悟がいる事が風香の口調でわかる

そして3人は、風香を見る目つきが変わった。


紫苑が空への強い意志を語る

「紫苑はソラの全てが知りたい!私はソラが好き!この気持ちは誰にも負けない!

だから覚悟もできてる!目を背けない!

全て受け入れて、気持ちも変わらない!」


今度は志保が空への強い思いを語る

「私なんか、3回も助けてもらって、いつも勝手にいなくなって、今回だってそう・・

ソラは運命の人!今更よ!どんなことがあってもこの気持ち変わらないわ」


真帆は空への強い思いと意志を話す

「私は、空のいない世界は考えられない!

2回も助けられて、2回目なんか酷い傷を負って、手術中心肺停止して・・

私なんかのために・・私は空が大好き離れたくない!

ずっとそばにいたい、だから空の全てが知りたい・・

空は本当の恋人になれたら、強さの秘密も過去も話すって言ってくれた。

私九条真帆は新川空を愛してます。

たとえどんな過去があっても、離れることはしません!」


梨香は空への思いを宣言した3人を微笑ましく見つめる

風香は深くため息を吐く



「はぁーまいったなぁ・・

あ言えばみんな諦めると思ったのに独占は無理か・・

仕方ない・・

あ!でも相当の覚悟必要なのホントよ!」


「空と4人のお嫁さんかぁ・・

日本じゃ無理だけど、一夫多妻の国なら大丈夫よね・・

私も空くんのお母さんウフフ♪」




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