第21話新川空③病院(改)

社会人になってからも、いろいろあったなぁ・・

正社員の仕事を辞めたあと、癒しを兼ねて沖縄に長期のアルバイトに行った時も、沖縄で6回も、トラブルに巻き込まれるしさんざんだった。


ボクって身体が小さいし、肌も、ホルモンバランスもほとんど女の子、変態の父が言ってた。

女の子身体に、おち〇〇んがついてるみたいだって・・


社会人になっても男の服装してるのに、女が着てるとか、トイレもボクが入ると、いつも人が寄ってくるから毎回個室に入る。


男にも何度も告白されるし、ほんとか考えられない!

女性は、告白してくる人は、ほとんどお金目当て、何回騙された?

ほんと悲しくなる・・


最近は、普通に男性も女性も着れるような服選んでるし、職場も人とあまり接しない場所選んでる。


でももう疲れた・・ 

もういいや


だからお母さんそっちに行くよ


『空ちゃん、まだ無理よ!

あなたには、まだこれだけの人に泣かれるくらい、愛されてるじゃないウフフ』


ボクの周りで泣いてる真帆…


あれこの人さっき助けた人だ!この人確か沖縄でも助けた人だ。確か名前は・・四宮さん!


それにこの子見たことある女の子だ。


安西さん・・あ!思い出したこの人も確か沖縄で…ボッ!あの時は・裸で縛られてたお姉さん…


みんな涙ためてる?なんで?


ボク何にもしてないよ…


『空ちゃん、もしあなたがここでお母さんのところに来たら、こうなるわよ!

それでもいいの?』


え!お母さん・・ボクが死んだあと?何もないよ…


『お母さんは、空ちゃんに幸せになってほしいの。こっちにはいつでもこれるから、あの子達の行動を見てから決めなさい!

じゃあね私の大好きな空』


お母さん…ぅう…グスン…


☆・☆・☆・☆・・・・・・


さぁみんな着いたわよ!


「新川空の家族の者です。家の空はとこですか?」


医師が対応して説明してくれる


「お待ちしてました。こちらの奥のICUで監視してます。

手術は無事終わりましたが、危険な状態であるのは変わりません!」


全員がICUの中で眠る空を見つめる、真帆がボソッと語る


「空って、女の子を毎回守ってくれるけど、何故か相手の男に対して容赦ないし全然怯まず向かって行くのよね…

それに私の時もだけど、今回も身体が不自由なのに、何で立ち向かうの?

男が嫌い?何かあるのかなぁ…」


志保が空を見つめ話す


「そう言えば私、ソラくんに3回助けてもらったけど、どの時も相手の男は、ほとんど気絶させられてた気がするなぁ…

男に対して許せない何かある?」


真帆も空について話す


「前九州に行った時ね、空が寝てるとき寝言でどうしてぼくは男なの?って言ってたけど、それと関係あるのかなぁ…」



紫苑が空を見て思い出したように梨香に話しかける


「お母さん、携帯にあるこの前の空くんの画像だして!」


はいどうぞ!


紫苑は携帯をいじって画像を加工している。加工が終わり自分の携帯の画像を並べて置く


「これどう?」


梨香たちは並べられた携帯の画像を見比べる


梨香も真帆も同じ言葉を言う


「同じ人じゃない」


「うん同じ人」


でも風香は加工した画像を見て固まる


「嘘・・・・・・」


みんながうなずいているも・・

風香だけは紫苑の画像を見たまま動かない


真帆は風香の事を気にしながら紫苑に話しかける


「紫苑この子ってあなたが助けてもらった女の子?これって空君だよね」


紫苑は頷く


「そう!私の王子様で、私が初めて胸がときめいた人!それが私がひとめぼれした人と同じなんて…」


真帆も志保も驚いていた。


「だからお姉ちゃん!私も空君とずっと一緒にいたい!

この気持ち押さえられない…空君が大好き!」


真帆も志保も、わかったようにうなずいていた。


梨香は、風香が警視庁に何かを調べに行ってから、ちょっと様子がおかしいことに気づいてた。


「風香、昨日から何かあったの?

今日も合流するのギリギリだったし、それに写メ見てから変よ!何かあったの?」


風香は写メを見てショックを受け独り言のようにつぶやく・・


「私の捜してた大切な女の子・・」


「ちょっと風香!何ボソボソ言ってるの?」


「あ!ごめん・・私も同じなのよ!」


「何が同じなの?」


ICUの外で梨香たちがやり取りをしてた時突然異常を示すアラームが鳴り響く


ICU室の外にいる真帆たちは心配そうに空を見つめる


真帆も志保も手を握り合い祈るように見つめる。

紫苑と梨香も手をつなぎ、心配そうに見つめ、風香は、目に涙をため祈るように見つめてる



暫くアラームが鳴り響いた後、みんなの気持ちをどん底に突き落とす電子音が鳴り響く


<ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!>


モニターに♡が点滅しカウント数が表示してたのが0を指していた。


真帆も志保も泣き叫ぶ!



「空!嫌ぁーーー!大好きなあなたが、いないなら私生きてても…グスン」


「ソラだめーー!あなたは、私の希望なの…

大好きなソラ・・愛してるの…グスン

いやだよぉ・・フェーン」


梨香と紫苑は抱き合って泣き崩れる。


「嫌だよぉ!捜していた人にやっと会えたのに…うわーん」


「ソラちゃんあなたは娘たちの大切な思い人なのよ・・グスン

戻ってきなさい!」


風香は涙を流しながら空を睨みつける


「私のずっと捜して命の恩人がソラ・・・・そんなやっと会えたのに・・

・・・・いやだ!いきてよぉ…」


医者はバタバタと入って来て蘇生を試みる


ブーーーン!

ドスン!

ドスドスドス!


『そらくーん』


ブーーーン!

ドスン!

ドスドスドス!


するとアラームが止まりモニターの♡マークのところに数字が表れる


医師が私たちの所に来る


「何とか蘇生できましたが、次心停止すれば難しいかと・・

覚悟はしておいてください」


私たちは頭を下げ、お礼をいい医師は部屋から出て行った。


私たちはずっと見てたかったが、ICUの外にある待機部屋で、待っててほしいと言われた。

何かあれば、すぐ連絡してくれるとのこと。

私たちは、ICUすぐ外にある待機部屋で待つことにした。

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