第20話九条紫苑(改)

私の家は、優しいお父さんお母さん、綺麗なお姉ちゃんの、4人家族で私は小さい時からお父さんと一緒にアメリカに住んでいた。

高校に入る前に日本に帰って来た。


日本語はしゃべるのは問題ないけど、書くのがちょっと・・・

高校では、結構人気があってよく男子から交際申し込まれたりしてた。

もちろんお断りしてるけど、中にはひつこい人もいたけど、無視し続けている。


日本の男の子には何も感じなかった。アメリカ人と違い精神的に子供?ってかちゃらいんだよね。


修学旅行で沖縄石垣島に行った時、生まれて初めて、胸がときめくことが起きた。

ほんと運命的だった。


半年ほど前、お姉ちゃんが沖縄の石垣島に撮影で行った時、地元のやばいやつに絡まれたこと聞いてたから、夜とかも出歩かないようにしていた。


自由行動の時、男子3人女子3人のグループで行動してた時、私があんまし変なとこ行かない方がいいよって、注意したのに


男の子たちは自慢げに空手やってることを強調し大丈夫と言ってくる


「俺らは、喧嘩も強いし空手もやってるから、地元の男なんかは、ボッコボコにしてやるよ!紫苑は俺らが守ってやるから大丈夫」


めちゃくちゃ自信あったみたい確かに県大会で入賞したの知ってたし他の女子も何回か助けてもらった事あって心配ないって言ってからついて来たけど・・


本当に大丈夫かなぁ…と思いながら何度も自信満々に言う男の子達、ちょっとうざかったけど、私たちはガイドブックに載ってない、地元の人しか行かないようなところをうろうろしてたら、ハーフぽい大きな男性5人にっ囲まれました。


男達は、私を見てニヤニヤして誘ってくる


ヒュー!

ヒュー!


「こんな奴より、俺たちと楽しいことしようぜ!」


男は近寄って来て私の腕を掴もうとする。


一緒にいた男子の一人が、間に入って相手の手を払いのけて男達を殴りに行った。


「沖縄の田舎もんが何俺の女に手を出そうとしてるんだ!オラー!」



でも男達に腕を捕まれ、殴り返され、倒されて、何回も蹴られていた。


「やかましい!ガキーがいきがるな!」

「テメーらのパンチは軽いんだよ!」


うらー!

ドカ!

ドス!

ドス!ドス!ドス!ドス!ドス!


「や・やめてください……」


男達は面白がって何度も蹴りを入れる


「フハハやめるかよ!」


ドス!ドス!


それを見てた空手をやってるって自慢してた男の子が殴りかかる


「くそが調子にのるなよ!」


オラー!


バチ!


一番ガタイいい男の人が、パンチを手で受け止めニヤニヤしている


私は、この人たちこういうの慣れてるって思った。

レベルが違いすぎるって、他の男子も反撃しようとするけど、全然相手にならない…



「軽いパンチだな…残念パンチだぜ!

都会のガキは、自分達の身の程知らない見たいだから、教えてやるよ!やるぞ!」


おらー!

ドカ!ドカ!

ドス!ドス!

ボコボコ


ぐあー

グエー

グホッ


「す・すいません!ゆ・許して…」

「す・すいません…」

「す・すいませんぼ・ボク達が悪かったです。」


「ふん!わかったら女を置いて帰れや!」


ドタドタ…

ドタドタ

ドタドタ


殴られ、蹴られ、ボコボコにされうずくまっていた、自信満々の男子は謝罪を繰り返して逃げていく


私はそれを見て思った。


『ほんと口だけの最低な男!』


私と女子二人は、ただ震えていた。


「はい!彼氏たちは逃げたから俺たちと遊ぼうか?

お酒飲むと気持ちよくなるから、いろいろ教えてやるよおいで!」


私たちは、無理やり連れていかれた。

その間ずっと泣きながら叫んでいた。


「誰かぁーー!嫌ぁーー」

「ぅう・・助けて・・グスン」

「うぅ…帰してください……」


どれくらい歩いたのか、男たちは急に止まった。


何だろうと思ったら、眼鏡をかけマスクをした、小さな女の子が立っていた。


女の子は風邪をひいてるのか時々咳をしていた。


ゴホッ

ゴホッ


男達は女の子に邪魔だと言い睨みつける


「なんだ!ガキんちょ!そこをどけ!

じゃねえとてめえもこの女と同じようにして裸の動画とるぞ!」


女の子はわざと怒らせるような事を言う


「やっぱ男って屑なんだね!どくわけないでしょ!ばーか!頭悪いの?」


『そんなこと言ったら怒るよ。早く逃げて』


「なんだと!ガキがぁーー!」


ほらもうー

私はもう見てられなかった。

男たちは怒り女の子に襲いかかる。その時私は女の子の悲惨な状態を想像した。

でも私達の目の前で衝撃的な事が起こった。


小さな女の子が、凄い動きで動き、男たちのパンチをかわして男たちを翻弄する姿があった。


「なんだ!こいつ!ちょこまかと!クソが、おらぁ!」


シュン

ドカ!

シュン

シュン

シュン

ドカ!


「ぎゃー!くそうまくかわしやがって」


「ばーか当たらないよーだ!

屑男は死んで!はぁーーー!やぁーー!」


ドカーーン


「ぐえーー」


ドサッ


私達は、お互い手を握り合って女の子の闘う姿に見とれ知らないうちに声に出ていた。


うわーめちゃくちゃ動き速い!


「凄い!凄い!やっちゃえー-!」


「凄いジャンプ力!」


ハイキックってやつかな?


速すぎて蹴るところ見えなかった…


皆も凄ぉい、やっちゃえ!とか小さい声で応援している。


私もあまりの凄さに見とれていた。


まさに圧倒的だった。


戦う姿がカッコいいー!


ヒュン

ヒュン

「やぁーー!」


ドカ!

ドス!


「ぐえぇーー!」


バタッ


「次あんた!相手してあげるよ♪来て」


ヒョイヒョイ


『あの子手で挑発してる…』


「てめぇー!なめやがって!おらー!」


ブーン!

ヒョイ

スカッ!


「そんなヘボパンチ当たらないよーだバーカ!べぇーだ」


「てめえーー!」


「こんどは、私の番ね♪アハ♪やぁ!」


シュン

ドコ!


「やぁ!」


ドス!


「ぎゃぁぁーー」


ドサッ

ガクッ


「次の屑おいで!ホイホイ!!」


『あの子また挑発してる』


男は怒り収納式警棒を出し女の子に振り上げる。


ジャキ!


「てめえ!調子に乗るな!オラー!オラー!オラー!」


ブン!ブン!ブン!


シュン!シュン!シュン

スカッ!スカッ!スカッ!



でも…ほんと凄い!

全然当たらない…

何あの子凄すぎる…


他の女の子達も見つめる目が違う


「紫苑、私ドキドキが止まらないよぉー」

「紫苑、あの子カッコよすぎる!ドキドキが止まらない!」


私もドキドキが止まらない…


「ふん!ふん!そんなの振り回しても当たらないよ!

ばーか!屑男はバーカ!キャハハハ」


男は、さらに怒り狂う


「このやろー!絶対捕まえて裸に剥いてさらしものにしてやる!ガキ!」


タッタッタッタ…


凄いあの子壁を走ってる・・

走って・・


「「「えーーー!」」」


男の攻撃かわして、壁走って蹴った!


タタタタタ…

ヒュン

ドカン!


グエー!


男の上飛び越えて、そのまま頭を蹴ったぁーー!

わぁーーすごぉーーい!


見ててワクワクするしドキドキが止まらない!


「くそが!調子にのりやがって!」


ブンブン


「当たらないって!はぁ!やぁ!」


ドカ!

ドカ!


グエー


「はぁはぁ…くそガキー」


「屑はどっか行けぇーーー!やぁーーー!」


ドッカーン!


「ぐぇ!ごふ!ぎゃーーーー!」


男達はほとんど倒され一番ガタイの大きな強そうな男の人だけになった。

女の子は残った男の人にさらに挑発する


「さぁ屑ボスさん!あなただけになったけど?裸になって土下座したら許してやるけどどうする?キャハハハ」



女の子が相手を挑発続けてるけど、あの男ヤバそうな気がするんだけど・・

私はすごく気になった。

あんなこと言ったら怒って何してくるかわからないのに・・何で?


「ねぇ紫苑、あの子さっきから挑発して、私たちに男達が来ないようにしてくれてるんじゃない?たぶん怒らせて自分にだけ来るように仕向けてるんじゃない?」


私たちは納得しあの子の事を話し合った。


「そういうことか・・格好よすぎだよ!もう私達のヒーローだよね」

「ほんと私たちを助けてくれる王子様だよ」

「私完全にあの子の事好きになっちゃった。ドキドキが止まらない」


私たちが話し合ってると男が開き直った?笑い出した。


「もうお前は許さねぇ!これを見ても偉そうにできるかな?ギャハハ!」


ジャキン!


私は、もうダメだと思った。


他の子達も、涙目で震えながら女の子を見てる。

そう男の手には、刃渡り20cmはあるサバイバルナイフが握られていた。


男のサバイバルナイフを見ても女の子は全く動じていなかった。


「ふーん!ナイフなんか使うんだ、さすが屑ボス!じゃボクも本気だすね!」


ホッホッホッ♪


女の子は、ナイフを見てもひるむことなく、リズミカルにステップを踏んでいる。

何が始まるのだろ、私達はもう女の子から目が放せなかった。


「おら!死ねやー!ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!」


男は、凄い動きでナイフで女の子を斬りつける。

女の子も凄い動きでナイフをかわしてる。


ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン

ヒョイヒョイヒョイヒョイヒョイ


何なのあの子、凄すぎるよって他の子達も呟いている。


「あ!女の子が飛んだ?」


えーー!

ナイフをジャンプしてかわして、空中で回し蹴りしてナイフを持つ手を蹴り上げ、さらに回転して頭を蹴り上げる、凄い……


ヒュンヒュン

ドカドカ!

ドス!


「ぐぇーー!」



「いってぇー!はぁはぁ…くそチビ!許さね!」


ホホッホッホッ♪


「無駄!あなたはここで倒します!いっくよぉー!」


タッタッタッタ…


ヒュン


女の子は凄いスピードで男に向かって走って行った。男はそれを見て女の子目掛けナイフで斬りかかる。私たちは切られるって思った。


「させるかぁ!」


ブンブン!


男が間抜けな声をあげる


「?いねぇ」


ドッカーン


「ぐぇーーー!」


ドサッ!


え!何が起こったの?男は口から血を流して倒れていた。


「紫苑あの子、空手の上級者が使う三角飛び?だっけ?2面の壁を蹴って倒す凄い技だよ!」


とにかく私達はあの子に助けてもらったんだ。


私たちは唖然としてると女の子が近づいて来て優しく声をかけてくれる


「お姉さん達何もされてない?怪我してない?もう大丈夫だよ♪警察にも連絡したからね」


私達は安心したら女の子にみんなで抱きついて泣いていた。


「ありがとう…ぅう…グスン…ごわがったぁ…グスン…」


暫くして警察が来て私達の話を聞いて、男達を逮捕した。

男達は警棒やサバイバルナイフにスタンガンも持っていたため連行されて行った。


私たちは、その場で簡単に聴取され後で、警察官がホテルに詳しい聴取を取りに行くからと言われ、女の子に宿泊先のホテルまで送ってもらった。


送ってもらう途中で、何度か名前聞いたけど、なかなか教えてくれず最後に名前だけならと、女の子はクウですと言って、帰っていった。


私達は、クウちゃんのことで頭がいっぱいになった。

ほんと衝撃的な出来事だった。


・・・・・・・・・


あの時から数年経過して、昨日お母さんの写メで見た、女子高生見てなんかビビってきました。

私にとって忘れることのできない女の子。あの時と同じ感じになるなんて・・なんか不思議な気持ち・・

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