第17話新川空の過去①幼少期(改)

ここはどこ?ん?


あれはお母さん!


ボクは必死に走った!


「お母さーん」


ボクはお母さんに飛びついた。


「あら空どうしたの?

あなたはまだここにきてはいけないわよ!

あなたには、大切な人たちがいるじゃない、早く戻りなさい!」


「お母さんボクもう疲れた。お母さんと一緒にいたいの!お母さんがいなくなってから、いいことなんてなかった・・

もういい」


☆・☆・☆・・・・・


いいことなんて・・


小さい時は、お父さんに、ボクとお母さんは虐待をされた。


お母さんは、虐待のせいで入院し、ボクは入院している間ずっと、お父さんの相手させられた。


言うこと聞かないと虐待が酷くなり、お父さんは嫌がるボクに、無理やり女の子の格好をさせて欲情してくる。


お母さんが退院してくるまで、女の子の下着と服とスカートを、ずっと身につけさせられていた。


当然学校は行けず、家に引きこもり、お父さんが帰ると、ストレスのはけ口で暴力を振るわれ、性欲のはけ口でいろんなことをさせられた。


「美江、空はどこだ!連れてこい!」


「あなた、空は今習い事に行ってるから」


「誰が許可したんだ!」

母を容赦なく殴る父


バシン!バシン!


「おら」


バチン!バチン!


「あなた、ごめんなさい許してください!ゥゥ・・・」



「許すわけねえだろ!」


ドカ!


「キャーーー」


ドカン!バリーン!


「うう… 」


母が窓ガラスを突き破って頭から血を流しても母に容赦なく責める


「返事は!」

「・・・・・・」


ドカ!ドカ!


「おい!」

「・・・・・」


ドカ!


父に蹴られ口から血を吐く母


ゴホゴホ…


「ヤバやり過ぎたか・・

おい美江今から病院連れてってやる!いいか余計なこと言うんじゃねえぞ!

空のことが大事ならな!」


「・・・・ヒドイ」



「空こっち来い!お母さんは、体調悪くて暫く入院する。

お母さんを早く退院させたければ、お父さんの言う通りにするんだ!」


「……」


「ちょっとでも逆らったり、誰かに言うとお母さんは戻さないからな!」


ボクは頷くしかなかった


「うん・・」


お義父さんが女の子の服を手に持って投げつけてくる


「じゃこれに着替えろ!」


ボクは確認のために言った。


「お父さんこれって、女の子の下着とソックスとミニスカートだよ!」


お義父さんはそれでいいと言い


「いいんだよ!それに早く着替えろ!」


「・・・・わかった」



ボクは、しぶしぶ着替えるとお父さんは、ボクの身体を舐めまわすように見つめてくる・・


「やはり予想通りの綺麗な身体してるよ。

しばらく楽しむとするか、ギャハハハ

いいぞ!俺好みの少女だ!

そそるぜ!ギャハハハ」


「怖い…」


「優しくしてやるからなクックック・・」


「……」


「連れ子のお前が目当てで、美空と結婚したからなクックック・・」


「嫌ぁー」


「ホントに女の肌の柔らかさだ、声も、フハハハ」


「お父さんこんなことやめてよぉ…」


「さぁ楽しもう俺のドールをフハハハ」


「そんな・・酷い・・グスン・・気持ち悪い・・触らないでよぉ・・ぅう・・・」


ボクは、目をつむり涙を流し、ひたすら我慢した。

ボクが逆らえば、お母さんが退院できなくなる。

お母さんが、また虐待される・・

だからボクは、耐えるしかなかった。


毎日変態な父親に、屈辱され悔しくて、辛くて耐えれなくなって…

お風呂場に行き、自分で手首を切った。


気が付いた時は、病院でお父さんが警察の人に上手く話をしてた。

警察の人は、いろいろ聞いてきたがボクは一言もしゃべらなかった。


家に帰ってから、数日は何もなかったが、ボクが学校で、身体にいたずらされたのを知り、父は再びボクに性的暴行をしてきた。



ボクは、この容姿と声を憎んだ!

学校でもほとんどしゃべらず、顔もほとんど合わさなかった。

そんなだから、身体の小さいボクはいじめのターゲットになり、学校でもいじめもエスカレートしていった。


家では、お父さんの性的暴行、学校ではいじめと地獄のような日々だった。


母は、そんなボクに護身術のつもりで、空手を習わせてくれた。

ボクは、いじめのストレスを発散するために空手にのめり込んだ。

その結果、ボクの空手は全国大会で表彰台に立つレベルまでになっていた。


小学校6年の時に、両親が交通事故に巻き込まれ死んだ・・

母が珍しく、父と二人で出かけたのがすごく気になった。

ボクは家で待っていたが、その日の夜警察から電話があり、事故に巻き込まれ死んだことが告げられた。


大好きなお母さんが死んで、母の遺体にしがみつき、ボクは泣き続けた。

暫くして、落ち着きボクは父の遺体を見て、これでやっと父の呪縛から解放されると思った。


両親が亡くなり、遺品整理をしてると、母の携帯があった。

電源を入れて画面を見てると父からのメール?違うこれお母さんが父の携帯から送ったメールだ!?これってボク宛て・・


【大好きな空ちゃんへ】


お母さん、お父さんが怖くてあなたを守れなくてごめんね・・

空が毎日あの人から、性的暴行受けてるのを黙ってみてるしかなくて…

お母さん、何度もお父さんにやめてと、お願いしたけど・・

私にも、酷い性的暴行をしてきて、警察に通報したら、空にもっとひどいことをする!

と脅され何もできなかった・・


でもお母さん、大好きな空をこれ以上辛い思いさせたくないから、今日決心したの・・


結果はちょっと違ったけど…


これで大好きな空は守れたかな・・


お母さんがいなくなっても、奈良のおばあちゃんに、全てお願いしてあるから大丈夫よ。

お父さんと離婚して、空とずっと一緒に暮らしたかったけど無理みたい・・

ごめんね         大好きな私の空


ボクは携帯を握りしめ泣き続けた。











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