第15話空の思いと九条家(改)

はぁはぁ…


何とかここまで来たけど、この道って国道かなぁ…


はぁはぁ…


どこかで身体休めないと、蹴られた胸もかなり痛いし何か上手く呼吸もできない… ちょっとヤバいかも…

それにボクは、杖がないと上手く歩けない


はぁはぁ…

ズズ・・・


はぁはぁ…

ズズ・・・


ボクは足を引きずりながら、ゆっくりと道を歩く、でもいくら歩いてもバス停もなければ家もない…


「おっかしいなぁ…ここどこよ?あれ?意識が… 」


ヤバ・・

だいぶ血吐き出したから貧血?


ちょっと、ふらふらしてきた。これ貧血だ・・


何かまずい…


はぁはぁ…


ボクはサービスエリアから裏の道に出て暗い道をひたすら歩き続けた。


ん?あそこ作業小屋かな?


あそこに入って朝まで寝たらちょっとは回復するかな?そしたら歩くのも今より苦しくないしフラフラもしなくる。


それなら路線バスでも乗って、大きい町に出れば何とかなるかなぁ…


ゴホゴホ

ブホァ・・

はぁはぁ


ヤバまた血を吐いちゃった…


ここに来るまで何回か吐いちゃてるけど…


大丈夫かなぁ…


ガタン!


ちょっとお邪魔します。


はぁはぁ…

このまま朝まで・・


ボクは小屋で暫く眠り、野鳥の鳴き声で目が覚めた。


朝霧が立ち込めてるうちに、小屋を離れ再び歩き始めた。


小屋の中に杖がわりの棒を見つけ、いくぶん歩きやすくなり、バス停を目指し歩いていた。


どれくらい歩いただろう、疲れからか急に腕が動かなくなり、ボクはそのまま道に倒れこんだ。

その時の衝撃で、急に呼吸が苦しくなりまた大量の吐血


ゴホゴホ

ブフォ!


はぁはぁ…


ここは幹線道路から離れたところだから邪魔にならないよね。

でもなんか農道ぽいから、人も来そうにないなぁ…


ちょうどいいや。


ちょっと身体休めよ…


ドサッ


もう歩けそうにないや


はぁはぁ…


逃げたの失敗だった見たい…



ピロン♪ピロン♪ピロン♪ピロン♪


ん?

LI○Eにメッセージ誰だろ?


真帆【空!今どこにいるの?

すぐに連絡ください!怪我どうなの?

動かないでそこの場所教えてよぉ】


真帆【空、私のせいで辛い思いしてるのに、もっと私を頼ってよぉ】


真帆【私には空しかいないの、愛してる】


真帆【空会いたいの】


真帆……ボクのことなんか気にしなくていいのに…


ボクはだんだん意識がもうろうとしてきてまた大量に吐血した。


最後のつもりで書いたメッセージ…意識がなくなる前に真帆に送ってあげないと…


LI○Eメッセージを送信っと…


追加でも書いて…


『ごめんね真帆…』


そのまま意識を無くした…


☆・☆・☆・


ピンポン♪四宮です。


「真帆お嬢様、四宮様がお見えです。」


迎えに出た真帆に志保は泣きながら抱き合う


真帆が今から出かけるところだと志保に言う


「志保、今から私達出かけるところだったの。

空が私のメッセージに返信してくれて、警察で電波の発信源調べてくれるようにお願いしたら、今パトカーが発信源に向かってもらってる。

何か連絡あると思うから出かけようとしてたの」


「真帆ソラちゃんはどこにいたの?」


志保の質問に真帆は答える


「福島だったかな、今から新幹線で向こうに行くから、志保どうする?」


真帆にどうするか尋ねられ志保は即答する


「もちろん一緒に行くわ!」


九条家は、主の道夫と笹井が家に残り、女性陣が全員福島に向かうことになった。


梨香が、移動中も警視庁とやり取りしてくれ状況を教えてくれる


「お姉さん、空ちゃんはどうやら、サービスエリアから一般道に出た後、方向間違えて、どんどん農道から山の方に入ったみたい。

それでなかなか見つからなかったみたいね」


九条家は、今福島行の新幹線の中にいた。

九条家の面々を見た周りの人たちは、日本を代表する、スーパーモデル真帆と志保、それに中高生に圧倒的人気を誇るティーン誌モデルの紫苑に、とても二人の母と思えないような容姿の梨香!


それに警察のマドンナと呼ばれてるモデル級美人の風香と、付き添いの二人の美人メイド!


これだけ美女がそろうと、周りの視線は多くなり、自然と人だかりもできていた。


普段なら、これほどの視線が集まると嫌がる真帆と志保も、今は空のことが気になり全く無関心だった。


移動も新幹線の中も、二人のメイドが周りに最大限の配慮を示し、大きなトラブルも起きなかった。


風香の持つ無線に空を捜索する無線が入る


「こちら福島○○○、サービスエリアから行方不明の少女発見しました。

少女は○○町に抜ける県道の山道の途中で倒れていました。


付近に大量の出血が見られ、少女は意識がありません!非常に危険な状態です。

至急ドクターヘリの要請をします。」


風香が無線から入って来た事をためらいながら伝える


「姉さん!ソラ君見つかったわ!でも・・・意識不明だって・・・」


全員がその言葉に静かになる・・










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