第14話空の行方 (改)

 空の捜索をする九条家


 では今日は、新川空くんの捜索をします。

昨日は、宿泊施設を捜しましたが、今日は漫画喫茶ネットカフェに広げて捜しましょう


 梨香が話していると、朝食の準備をしていた、メイドがリビングに慌てて飛び込んで来た。


「奥様、大変です!ニュースを見てください!」


 梨香、をはじめリビングで話してた者たちはメイドの言葉に、驚きすぐにテレビのニュース番組を見た。


【昨夜新宿発秋田行きの高速バスの中で、モデル四宮志保さんが痴漢に合い、それを助けた勇敢な少女が、東北自動車道のサービスエリアで、警察の到着を待っていたバスからいなくなり、現在警察で捜索しています。


少女は、犯人と格闘してるときに、内臓にかなりの損傷を受けたと見られ、危険な状態です。

ここで昨日事件に遭遇した方と、電話がつながってますので、状況をお聞きしましょう】


 アナウンサーが、バスの乗客に電話を繋ぎ状況を話してもらう


【男はちょうど私の前の席で、ほとんどの人が寝静まったのを見て、通路を挟んだ反対側の四宮さんに触り始めました。


男は体格もよく、顔も強面で、ナイフもちらつかせていて、私も恐ろしくて何も言えませんでした。

あまりひどくなるようなら、警察に電話するつもりでいました。


男の行為が、抵抗する四宮さんを無視しエスカレートしていった時、四宮さんの隣の席で寝ていたたぶん高校生くらいの可愛い女の子が立ち上がり、男に犯行を動画に撮って警察に送った。

と男に向かって言って、男は逆上し少女を席から引きずり出して殴り飛ばしました。


男は、床に倒れてる少女を、何度も強く蹴り上げてました。


蹴られるたび、少女の身体が少し床から浮き上がってたので、私はそれを見て警察にすぐ電話をしました。


多分私以外の方も電話をしてたと思います。早く来てください、女の子が死んじゃうって、聞こえてましたから】


アナウンサーが男性に質問する


【その話からすると、少女と言われてる女性は、そんなに大きくなかったのでしょうか?

その蹴られてた少女は、どうやってその男を撃退したのでしょうか?】


乗客の男性はその時の状況を詳しく説明を始める


【女の子はかなり小さいですよ、身長は150㎝ないかもしれませんね、撃退がすごかったです。ほんと一瞬でした!


男が、何度目か蹴り上げようと足をふりかぶった時、女の子がブレーキ!って叫んですぐ運転手が急ブレーキをかけたんです。


そしたら男が前に倒れそうになって、その時女の子が、男の床を捕らえてた軸足の足首あたりを、少女が後方に蹴り、男はそのまま少女に覆いかぶさるように、倒れていきました。私からはその後死角になりどうなったか見えませんでしたが、少女に向かって倒れた後、男はうめき声をあげて気絶しました。

ホント一瞬の出来事でした。】


アナウンサーは一人納得しその後の状況を説明し再び少女の事を尋ねる


【なるほど、その後でバスは警察の到着を待つためにサービスエリアに入ったわけですね。

でもどうして少女は行方不明になったのですか?】


男性乗客も覚えてる範囲で答える


【サービスエリアに入った後、少女は何度も口から血を吐いて苦しそうでした。


そんな中少女が、口の中を洗いたいからと、バスを降りて女子トイレに駆け込みました。

そこから女の子は戻ってこず、警察にも話して、すぐサービスエリア内を捜したのです!

でも見つからなかったのです。


あの子かなりやばそうでしたよ、ひょっとしたらあばら骨が折れて、どこかに刺さってるとか・・】


アナウンサーはインタビユーを終え事件をまとめる


【ありがとうございました。なんとヒーローのような少女は、深夜のサービスエリアから姿を消し、一体どこに行ったのでしょうか?

なぜ逃げる必要があったのでしょうか?気になるところです】


 そのニュースを見た真帆は、すぐ四宮志保に電話をした。


彼女は、前の事務所を辞めるときも一緒に行動してくれ、また私と同じ事務所に入ってくれた。


一番仲のいい親友だった。


その志保が痴漢に合って、それを助けた小柄な少女が凄く気になる。

真帆はすぐに志保に電話をかける


「志保、真帆だけど、ニュース見た!大丈夫だったの?」


志保も真帆の電話に答える


「うん、怖かったけど、女の子に助けてもらったから…

でもあの子がいなくなって…

あんなひどい怪我なのに、私心配で…

警察には見つかったら、すぐ電話くれるように言ったけど、まだ連絡ないの…」


真帆は志保の女の子が心配だと言う言葉に頷き気になることを質問する


「心配よね…あのね。ちょっと聞きたいんだけど、その女の子の特徴教えてほしいの…」


志保も真帆の女の子の特徴を教えてほしいと言われ思い出し答える


「真帆どうしたの?まさか!あの子真帆の言ってた王子様?

そう言えば、特徴がよく似てるかも…

そっかあの子男の子だったんだ。女装がばれるの嫌で逃げたとか…」


真帆も志保の意見に賛同する


「空ならあるかも、それに面倒なことに巻き込まれるの凄く嫌いだから、そんな大怪我してるのに…バカなんだから…」


志保が真帆に素直な気持ちを伝える


「真帆、私もそっち行くから一緒にあの子を捜して!

あのままなら、あの子死んじゃうよう…うぅ…グスン…」

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