第13話四宮志保 (改)

私は、四宮志保23歳、一応日本でも有名なモデルとして活動している。

今日は雑誌の表紙撮影で、スタジオでの仕事をおえて、明日から温泉の魅力を伝えるTV撮影のため、秋田に向かう長距離バスに乗った。


飛行機の苦手な私は、長距離バスでの移動が好きでよく利用している。

今日は、いつもの女性安心プランのバスが乗れず、仕方なく4列シートのバスに乗った。


私の隣は、小さな可愛い女の子が乗っていて、走り出すとカノピーをかぶり寝てしまった。

私も撮影の疲れもありカノピーをかぶり寝ていたら、太ももに違和感を感じ目を覚ますと、通路の反対側の席の男が手を伸ばし触ってきてた。


私は男を睨むと、男は顔を怒らせナイフを見せ睨んでくる。

私は怖くて何もできず、されるがままだった。


何度か逃れよと足を動かしてたら、隣の女の子に当たったらしく、彼女も目を覚ました。

私が、隣の男に痴漢行為されてるのを目撃し、男を睨み立ち上がって、スマホで動画撮影をして、男に撮影動画を警察に送ったと男に告げる。


私は、その勇気ある行動に助けられたが、代わりに女の子が、男に席から引きずり出され、殴る蹴るの暴行を受けつづけていた。


私は怖くて何もできず、女の子が蹴られ続けてるのを泣きながら見てた。


『誰か助けてあげて、じゃないとあの子死んじゃう・・何あの子何かする気なの?』


女の子は蹴られてるのに、目は男を睨み続けてる・・


女の子の口から血が出てくると、男はにやりと笑い、両手を椅子から離して蹴る力を入れ始めた。


「オラ!ガキが調子にのってんじゃねえぞ!俺はガキでも容赦しねえからな!」


ドカッ

ドカッ

ドカッ


男が何度目か足を蹴り上げ再び振りかぶった瞬間、女の子は「急ブレーキ踏んでぇ!」と叫び、運転手が素早く反応し急ブレーキが踏まれた。


当然男は片足立ちの状態だったため前につんのめり、前方に倒れそうになる。

それを待っていたかのように、女の子は軸足のくるぶしを蹴る。


当然男は凄い勢いで女の子に覆いかぶさるように倒れていく。


その時女の子が、右腕の肘をたたむ。そこに倒れてくる男の鳩尾が突き刺さる。

その瞬間男はうめき声をあげ女の子に覆いかぶさるように倒れ込む


ぐぁー


男は覆いかぶさったまま全く動かない


どうやら気絶したみたいだ。


周りの人も、騒ぎで目を覚ましていて、何人かはすでに警察に電話をしてくれていた。

バスは、すぐ近くのサービスエリアに入り警察が来るまで待っていた。


私は、まだ震えが止まらずにいた。


それにしてもあの女の子は諦めずチャンスを待ち知恵を使い相手の男を倒してしまうなんてまるで映画のでも見てるようだった。


ホント凄かった。


女の子は、口から何度か血を吐き出し、サービスエリアに着いてから、運転手さんに口をゆすぎたいからと、トイレに行った。


あの子かなりのダメージなのにそれに肘を立てた方の手首もおかしかったし、もしかして折れてるんじゃ・・


私が女の子の事をいろいろ考えてると、パトカーが数台バスを囲むように止まり、警察官が中に乗り込んできた。


周りの人の証言と、隣の彼女以外の人も、私が男に痴漢行為されてたことを証明してくた。

女の子が男に蹴られ続けてるところも動画撮影され、バスのカメラにもその行為が映っていた。


事情聴取を終えた警察官が私たちに尋ねて来る


「これでだいたいわかりましたが、その蹴られてた女の子はどこに?」


何人かの人が女の子はトイレに口をすすぎに行ったと答えた。


私もバスの乗客も少し前に、トイレに行ったきり戻らない女の子を心配していた。


警察官にお願いされ女性の乗客がトイレまで捜しに行った。


戻って来た女性客はバスに戻って来て叫ぶ

「大変よ!あの女の子がいません!」


それを聞きバスの中は騒然となる。


誰か女の子の状態を警察官に説明する


「あの子身体が浮き上がるくらい蹴られ続けてたから、肋骨とか折れて、内臓もかなり傷ついてるとおもいます!」


「そうだ!早く探さないと死んでしまうぞ!」


「そうよ。あの子腕もおかしかったもん早く見つけて!じゃないと死んじゃう」


それを聞き警察官は応援を呼び、大捜索が始まる


大勢の警察官が手分けして捜すが、女の子はサービスエリアにはいなかった。


私はわけがわからなかった。

でも女の子はかなりひどい怪我のはず、警察も必死に捜すが見つからなかった。


男は逮捕され、警察に連れていかれ私も事情聴取を受け、明け方聴取も終わり解放された。

すぐ事務所に事情を話し仕事はキャンセルしてもらった。


詳しい事情聴取されるために、パトカーで東京まで戻り、安全のためにと女性警察官が自宅まで送ってくれた。


私は、精神的に仕事をする気になれず、そのまま自宅で休んでいた。

バスでの私のことは、ニユースになり報道された。


私のマンションにも、芸能関係のマスコミが来ていたけど、一切対応しなかった。

それよりも私を助けて怪我をした行方不明の少女が気になってた。


この報道で見つかってほしい・・


でもあの子、左手も右足も動きおかしかったような…


あの時の怪我かなぁ…


それにあの子の特徴、どこかで聞いたんだよなぁ…


あの子、私にとって素敵な王子様見たい…


誰もあの強面の男のすることを、止めてくれなかった。


あの子がいなかったら、私はあの男に犯されていたかも…


あの時、私も怖くて震えてたのに、あの子は、あの男を睨み付けて、堂々としていた。


なんだろこの気持ち・・王子様みたいな勇気ある女の子・・


はぁーあの子が男の子ならなぁ… ううん性別何て関係ない!

私はあの子が好き!落ち着いたら警察に行って見よ。心配で仕方ないし…

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