第9話ソラの逃亡 (改)

真帆は東京駅から帰宅する


「ただいまぁー♪」


「「お帰りなさいませお嬢様」」


二人のメイドが、お辞儀をし真帆を迎える。

真帆はメイドにバッグを渡して、リビングに歩いて行く


ソファーに座ると、メイドがお茶を入れてくれ、状況を説明してくれる


「奥様は、東京駅にお知り合いの方を、迎えにいかれ少し買い物をして、帰られるそうです。

旦那様はあと少しで、ご帰宅されます。

紫苑お嬢様は今台所で、皆様のご夕飯をメイドの百合と一緒に作っています。」


私は報告を聞いて暫くリビングでお茶を飲みくつろいでから、自分の部屋に戻った。

メイドには、お母様が戻ったら知らせてくれるように言っておいた。


「なんだか疲れちゃった…ウトウト………」


・・・・・・・・・・・・・・・・

九条家の主が帰宅する


旦那様お帰りなさいませ…


バタン!


主がメイドに尋ねる


「梨香は?」


メイドの理沙が答える


「奥様は、今お知り合いの方を東京駅までお迎えに行っています」


「そうか、私は書斎にいる。

食事は済ませて来たから、後誰も書斎には来ないように」


「わかりました。奥様が戻られたら連絡しましょうか?」


「部屋の電話で知らせてくれればいい」


「わかりました」



☆・☆・☆

その頃九条家に向かう車の中では、梨香が空の手を握り楽しそうに話す


「ごめんなさいね、買い物付き合わせちゃって、すっかり遅くなっちゃったわ、もうすぐお家に着くからね」


梨香のオーラにずっと緊張している空は何と解放してもらうようにお願いをする


「いえ、大丈夫です。私服とか下着とかあるからいいです。

それにもうこの辺で降ろしてください。一人で帰れますから」


空の帰れるの事に反応して梨香は空に尋ねる


「ダメよ!それにソラちゃん。帰るってどこに帰るの?

もう帰るところないんでしょ?

警察の人にも、あなたを預かってお話を聞くって言ったのよ!」


怖い・・マジ怒ってるよぉ


買ってくれた服も下着も全て女性用・・


実は男だからいりません。なんて言ったら、変態として警察に連れて行かれるかも・・


どうしよう絶対言えないよぉ・・


うぅ…このまま行くしかないのかやばいよぉどうしよう・・・


なんか・・もうどうでもよくなってる、気持ち的にも・・


思い出すとよけい落ち込むよなぁ・・


ボク会社辞めたんだよなぁ……


☆・☆・☆・・・・会社を辞め自宅に戻った頃まで時間は遡る・・



そうボクは会社を辞めた・・


それは今の現状に耐えれなくなり、条件をつけた結果だ。


会社にボクの要望は受け入れられず退職、まぁわかってたけど…


浜辺さんとボクにセクハラした男子社員と、虐めた女子社員の処罰と異動。

ボクを浜辺さんのいる保全課戻すこと、結局これが認めてもらえず退職…


その後、保全課長がいろいろ掛け合ってくれて、次の就職先も人事から紹介してもらい相手側にも了承をして貰った。


課長は後日連絡するようにと言ってくれた。ほんと課長には感謝している。


会社出るときも、浜辺さんが走って来て、泣きながら何であいつらが悪いのに何でボクが辞めるんだーって、大声で泣きながら言うから、泣き止ませるの大変なだった。


結局彼女にボクの携帯教えて、納得して別れたけど、なんか考えてる感じだったけど大丈夫かな…


翌日人事から紹介して貰った会社トクラ産業の担当者に電話すると、担当不在で私ではわからないと言われた。


なんだよ!あの対応!ボクは頭にきたから人事部長の名前をだすとトクラ産業の人事の責任者が出て来た。


『いたんかい!』


「東部長から、お話は聞いてましたが、身体に障害あるとは聞いてません!弊社は大型機械整備になりますので、かなりの力を必要とします。


それに新川さんは、男子社員ともトラブルを起こされてるとも聞いてます。

身体に障害ある、新川さんの採用は難しいかと、それに紹介内容も少し異なりまますので、今回はなかったものとさせていただきます。」


「あの〈ガチャ〉話しが…」


ボクはすぐに会社に電話をした。


「新川と言います。東部長お願いします」


「部長は出張で戻りは3日後になります、ご用件をお伺いしますが」


「いえまだ電話します」


はあ…予想通りか、会社としては、ややこしいボクはさっさと解雇したかったと言う事かな、それで適当な子会社を紹介した。そこには断ってもらっても構わないとでも言ってたのかな。


くそ!


はぁ・・


もういいや…


都会は、もういい・・ボクの事知らない田舎にでも行こうかな


はあ…無職かあ、真帆に身体に障害残って、今の仕事できなくなって解雇されたなんて言えないし…


せっかく素敵な女性に巡り会えたのに、無職のチビじゃあね、真帆は凄い美人だからもっと素敵な男性が現れるよね。


何かもう疲れちゃった…


給料も退職金も、ボクに騒がれるのが嫌で、すぐ手続きした見たいで、昨日までの給料は明日、退職金は来月振り込まれる見たいだ。


ボクは、小さいとき連れて行ってもらった、お母さんの生まれた所秋田県にある田沢湖に行くことにした。


とりあえず戻る気はないから、ボロアパートも引き払って駅に向かった。



……………………★★★



その時、真帆から連絡あってこんなのばれるの嫌だし、それで変装したらこんな騒ぎになってはぁ・・・

ボクって、何かトラブルに巻き込まれる何か持ってるのかなぁ・・


マジ仕事どうしよ、それに帰る場所も・・真帆には、別会社に移動なんて言ったけど・・

実は条件をつけて認められなくて、辞めました。

なんて言えないよなぁ・・

ましてや、この障害が残った身体が原因なんてばれたら、あの子に辛い思いさせるから絶対言えない・・


どうしよう…


それに、この人の家に行ったら何かまた起こる気がする…


何とかしなきゃ・・


「どうしたのかしら、ソラちゃん」


「あの・・・トイレにいきたいの・・」


「ちょっと待ってね、笹井この先にコンビニあったでしょ止めてあげて」


「わかりました、奥様」


ボクはリュックを持とうとしたら


「あら、ソラちゃんそれは必要ないでしょ」


「はい、ごめんなさい、行ってきます。」


ボクはトイレに行き、中でメモにメッセージを書いてレジに物を買うふりをして、店員さんに変な人に追いかけられてるから、裏口あればそこ使わせてほしいとお願いした。


もし私のこと、聞いてくる女の人が来たら、このメモを渡してほしいことも伝えて、了解をもらって、トイレ横にある従業員用の扉から中に入り、別の出口に行き外にでた。

そこは車の止まってる車道からは、完全に裏側にある細い路地だった。


「ごめんなさい」


ボクは言葉にして、その場から急いで離れた。


はぁはぁ・・・


ボクは、不自由な足を引きずりながら、必死に離れた。

どれくらい歩いたのか、近くには地下鉄の入口があるところまで来ていた。


このままJKの制服でうろついてたら、また補導されてしまう。

今日はネットカフェでも行って、明日どこかで目立たない服を買って、バスターミナルに行かなきゃ


あった!ネットカフェ、ボクは受付を済ませ指定されたボックスに入りカギをかけて、眠ることにした。

疲れたぁ・・・Zzz

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