第8話空と九条家 (改)


「あらあら紫苑そんなに興奮しないの!

あなたも同じなのねぇ・・可愛いもの好きはウフフ・・楽しみにしてなさい」


紫苑は嬉しそうに返事をする


「はい!お母さま♪この子が来るなら美味しい料理いっぱい作って待ってます」


梨香は携帯を持ち家を出て車に乗り込む


「じゃ行って来るわ」


紫苑は写メの女の子が家に来るのが嬉しくて声をあげてしまう


「わぁ楽しみぃ~♪」



☆・☆・☆・


空の事を姉に頼んだ風香はその後すぐに行動に移る


「西山君ちょっと空港まで送ってくれる、今からなら夕方には東京に着くわ」


西山は風香の行動力に驚く


「え!今から東京に行くのか?そんなに新川が気に入ったのかよ」


西山は空に謝罪する


『新川空くん悪い俺では止めれそうにない…ごめん、検討を祈る』


風香は言い訳するように自分の正当性を主張する


「そうよ!お姉さんにお願いしたから大丈夫とは言え、頼んだから私も責任あるし、ちょうど休暇取ってたし、いいじゃない」


はぁ~こいつは相変わらずか・・仕方ない


「へいへい!じゃ昼休憩のついでに送りますよ」


風香は嬉しそうに感謝する


「ありがとう♪西山くん♡」


空くんのあれが本当の姿かぁ会うの楽しみだわ♪


☆・☆・☆・

一方東京駅に向かった梨香は車の中では終始ワクワクしていた。


運転手が東京駅に着いたことを告げる


「奥様東京駅に着きました。」


梨香は運転手に待つように指示し一人車を降り駅に入って行った。


「ご苦労様、迎えに行って来るからちょっと待っててくれる」


「わかりました。お気をつけて、行ってらっしゃいませ」


さぁ楽しみだわぁ♪


そうだわ真帆に連絡しないと、えっとLI○Eアプリで真帆あった


梨香【真帆ちゃん、大切な方は見つかったかしら?

今日お母さんの警察官の知り合いがお家来るから、お願いして見たらどうかしら、だから一度家に帰りなさい!

紫苑も夕食作って待ってるわ】


送信と、そう言えば迎えに行く女子高生の名前聞いてなかったわね。まあいっか安西の名前だせば、わかるみたいだから


☆・☆・☆・

ピッコン♪


あれ何かメッセージ?

お母様


梨香【真帆ちゃん、大切な方は見つかったかしら?

今日お母さんの警察官の知り合いがお家来るから、お願いして見たらどうかしら、だから一度家に帰りなさい!

紫苑も夕食作って待ってるわ】


ちょうどいいわ、空の携帯が東京駅付近で届けられてないか、聞いて見よ

交番の前まだ人が沢山いるなぁ…明日来て見よ。今日はお母様の所に帰りましよう。


LI○Eで返信しとかないと


真帆【わかりました。今からそちらに帰ります。】


送信…これでいいか、空…絶対見つけるからね。絶対離れないんだからね。

明日かぁ…


寂しい…


はぁ~お母様の所に帰ろ…


☆・☆・☆・

真帆に連絡をした後梨香は交番に向かって歩いていた。


ここの交番ね…

私は挨拶をし身分証を見せ自己紹介をする


「すみません、安西梨香です。妹から言われ迎えに来ました。」


正木巡査長は身分証を確認し身元引受の感謝を伝える


「すみません、ありがとうございます。確かに確認しました。

この子なんです。どうしても家族のことを話してくれなくて、困ってたので助かります。」


梨香も責任を持って預かることを伝える


「いえ、いいのよ。妹も休暇でこっち来るって連絡あったから、今日はこの子預かるわね。ちゃんと話を聞いて親御さんのところに帰すから」


空は迎えに来た女性に頭を下げる


「ありがとうございます。よろしくお願いします」


はぁ… ボクは、何で家出女子高生になったの?


まさか変装しただけなのにこんな事になるなんてこれからどうしよう・・


迎えに来てくれた人いい人そうだし、それに凄く綺麗な女性着てる服も高級そうだし身に着けてる宝石も高そう…

なんかやばそうな気がする・・絶対失礼のないようにしないと…


正木巡査がボクに声をかけてくれる


「じゃあな、気をつけてな」


ボクはボソボソとお礼を言った


「ありがとうございました」


迎えに来た女性がボクに質問してくる


「あなたお名前は?」


この人ドラマなんかに出てくるような貴婦人オーラが半端ないんだけど…怖いよぉ…ブルブル…


「あ・よ・よろしくお願いします…し・新川空…デス」


はぁ…可愛いわぁ…


写メで見た時も可愛いかったけど、実物は可愛い過ぎるわダメよ!


この子反則だわ…


でもシンカワってどこかで聞いたような…うーん思い出せないわ


「じゃ行きましようか!」


ボクは緊張してまともに返事ができない


「ひゃい!…はい!」


うぅ恥ずかしい…


ボクはこの綺麗な女性のオーラに緊張しまくりだった。


安西さんが手を差し出してくる


「はい!はぐれるといけないから、手を繋いで帰りましょ」


うぅ完全に子供扱いされてる…身長も低いしこの姿じゃ仕方ないか・・

ホントの事なんか言えないから、ボクは言われるがまま手を繋いでこの人について行った。


「笹井、この子今日連れて帰るから、ちょっと緊張してるみたいだから、優しくしてあげてね」


「わかりました奥様、旦那様もご自宅に戻られてるようです。先ほどメイドの百合から連絡がありました。」


空は、車の中の会話に驚いていた。


『何この庶民とかけ離れた会話、ボクはおわったな、住む世界が違い過ぎるんだけど・・

何専属運転手?家にメイド?それにこの車ベンツのリムジン・・』


ボクが男ってばれたらどうなるんだろ、想像したくないんだけど・・

社会から抹殺されるとかないよね・・


どうしよう・・泣きたい・・


ボクは車の中から外を見る余裕はなく、ずっと下を向いたままブツブツ念仏のように・・


『ばれたらオシマイ・・ばれたらオシマイ・・』


すると梨香さんから質問をされる


「ソラちゃんは、どこに帰るつもりだったのかな?

お父さんお母さんは心配してない?

大丈夫かな?」


ボクは黙ってると、梨香さんが気を使ってくれ 家族の話しとか自分のお家のこととか話してくれた。


ボクは緊張しすぎて、梨香さんの言葉が何も入ってこなかった。

梨香さんが気を使ってくれてるのがわかったのでボクは簡潔に正直に答えた。


「ボソボソ・・父も母も死んで家族はいません・・

アパートも契約切れて、帰る場所はもうないです・・」


ボクは正直に答えたら梨香さんに抱きしめられた


ガバ!


えっ!


ボクは梨香さんに抱きしめられたことに驚いたが、見ると梨香さんは泣いていた・・


え!なんで?


家族は小さい時事故で死んだし、ボロマンションも今日引き払ったから、帰る場所ないの事実だし・・


新しく紹介された会社に行く予定で付近のホテルに泊まってから住むところ捜すつもりだったから・・


なんで泣くの?

えーー!


ボクは完全に女子高生の姿なの忘れてた。


「ソラちゃん辛かったね・・

それでそんなに大きなリュックだったんだね・・グスン

今日はおばさんの所で泊まって、ゆっくりして、これからのこと一緒にお話しましょ」


どど・どうしよう・・


なんかとんでもない誤解してるんだけど、運転手さんも涙ながしてるし、ヤバイよぉばれたら、本当に警察行くことになるの逮捕されちゃう?


どど・どうしたらいいのぉ・・・


誰かぁーー

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