第5話空補導される (改)

 ボクは東京駅に着た。


すると携帯がプルルと震える。


何かの着信音、何だろうと思い見てみると、


〈携帯の位置情報をお知らせしました。〉


のメッセージが何?位置情報は?


GPS前に切ってたはずだけど・・・あ!


真帆に携帯渡したとき何か、長くいじってるなと思ってたらGPS触ってたんだ・・・・え?

ということは・・ボクの位置がばれた?


ヤバイどうしよう・・ボクは焦ってウロウロしていた。そこに20代の男達が近づいてくる。


「彼女どうしたの?道わからなくなった?」


 ボクは声の方を見ると茶髪の男二人が立っていた。

何こいつら?彼女って言った?


こんな奴ら無視だ、それより早く移動しないと、えっとあ!上野だ、そこから乗り換えて・・


「ねぇ俺たちが案内してあげようか?

君どこの高校なの?この辺じゃみない制服だけど・・」


「え!ボクですか?」


「うぉー!ボクっ娘来たぁーーー!」


「いいねぇー萌えるわ」


 何こいつらいい年こいて、社会人だろ?


バカでね、こんなやつらほっといて、上野に行かないと…


空は男達を無視して、その場を離れようとした。


「よぉ!無視すんなよ!」


「俺たちと遊ぼうぜ!」


 何なのこいつら!

もうひつこい!と思いながらも空は自分がJKの服装をしてる事に気づく


そっか今女子高生だ、ヤバい男ってもしばれたらめちゃ恥ずかしい…

気をつけてしゃべらないと


「ボク急いでるので、失礼します!」


 男たちから離れようとすると、


「待てよ!遊んでやるって来いよ!」


ガシ!


「な!何するのですか!」


「んーモガモガ…」


「おい!囲め!」


 男に腕を掴まれ、連れていかれそうになり、声を上げようとしたら、もう一人が口をふさぎ、さらに別の所からもう一人が来て完全に囲まれる。


以前のボクなら、簡単に脱出できるのだが、今は怪我の影響で足も腕も力が入らず、抵抗することもできない


「ん~… 」


 するとボクのことを見てた人が、警察に通報してくれて、男たちに連れていかれそうになった時に、警官二人が走ってきた。


「お前達何してるんだ!」


ダダダダダダ…


「やべぇ逃げるぞ!」


ダダダダダダ…


ボクを囲んでた男たちは、慌てて逃げていった。


「助かったぁ・・・」


 警官の一人が、空に近寄り話しかけてくる


「君大丈夫?けがはない?」


「はい!大丈夫です。ありがとうございます」


 お礼を言ってその場を離れようとすると


「お嬢さん、ちょっと警察に来て話聞かせてくれるかな?」


 え!何で?この状態で警察、絶対まずいよ、ただの変態だよ、ここはごまかして逃げなきゃ


「わ・私、急いでるの!お母さんと待ち合わせしてるから」


ボクは警察官に腕を捕まれる


「ダメだよ!あんなことにあったんだから、ちゃんと聴取しないといけないからね。

それに制服にその荷物、お家の方と喧嘩して出てきたとか?ちゃんと話聞かせて」


 えー!これって家出と間違えられて補導ですか・・

ガクッ!ボクは諦め警察官に連れていかれた。


 そのころ真帆は、空と入れ違いで東京駅に着いた。


「空どこ?・・・いない・・」


 真帆は、携帯の検索アプリで、空の位置を確認すると、近くにいるはずなのにわからない?

でも間違いなくここにいるはず、もう少し捜してみよ


・・・・・・・・・・・


 真帆が東京駅に着いた頃、空は、東京駅にある、交番に連れてこられ事情聴取されていた。


「お嬢ちゃん、まず住所と名前教えてくれるかな?」


「言いたくないです・・・」


警察官に、完全に家出少女に思われ諭される空、だが空も反論する


「そんな格好してるから、変な奴らに目をつけられたんだぞ!

お嬢ちゃん可愛いからなぁ」


「どうして家出なんかしたんだ?」


何でそうなるんだよ


「家出じゃないです。旅行です」


「あのなぁ、今どきの女子高生が制服で旅行なんてしないよ!」


あっそか・・ならこっちで


「転校になって駅に向かってたの・・・」


「ほぉー転校ねぇ… どこに転校になったのかな?」


二人の警察官がいろいろ見てくる、ボクは奈良のお婆ちゃんの住所を思いだした。


「奈良の斑鳩です!今から新幹線に乗るから出ていいですか?」


「奈良ねぇ…お父さんかお母さんの名前と連絡先教えてくれるかな、一応確認するから」


えーー!どうしょう…もう死んでいないし考えろ、連絡取れない言い訳… そうだ!


「お父さんは、死んでいません…

お母さんは、今海外にお仕事で行ってて連絡つきません」


ますます疑う警察官、ちゃんと言わないと帰さないオーラを漂わせ話してくる

だめだぁ‥完全に家出人扱いだぁ


「はぁ…お嬢さん、このでかいリュックの中ほとんど着替えだろ!

もう正直に話してくれるかな…

出ないと、女性警察官に来てもらってカバンの中身とか、いろいろ調べさせてもらう事になるよ!」


ボクは下を向き項垂れ正直に話す


「転勤です!」


「はぁ?さっきお父さん死んだって言ったろ!

嘘か!もういいから、本当のこと教えてくれないかな?」


「新川空です。27歳です」


「なんだそれ?お父さんか?凄く若いな・・」


何でよ!信じろよ!ボクは怒り気味に答える


「名前は新川空!」


警官は完全に家出女子高生と決めつけ何度も正直に話すように言ってくる


「だからお父さんの名前は、いいから君の名前と年齢と学校教えてくれる?」


ボクもむきになり声を荒げて答える


「名前は、何度もいってる新川空です!学校は行ってません!あとは言いたくないです!フン」


警察官二人は、空が全く話さないので女性警察官を来るように連絡し、空をどうするか話し合っている


「あのなぁー!参ったなこの子、どう見ても家出だろ!全く!全然自分のこと話さない!少年課の斉藤有栖でも来てリュック調べてもらうか…」


「こりゃ完全に家出少女で決まりだな。俺の方は家出の捜索願い情報調べて見るよ」


「頼む、私は少年課に連絡する」


えー--!なんでよぉ


「斉藤有栖巡査はいるか?こちら東京駅交番の正木だ…………ああ急いで頼む!」


 ヤバいヤバい・・女性警察官が来るよ。とんでもないことになりそう…

このままじゃ帰れないよ、どうしよう・・


ボクは必死に考えた。何かない・・・


『あ!そうだあの人に連絡すればいいんじゃなの』


ボクは警察官に尋ねた


「あの、身元引受人ってか私のこと保障してくれる人がいればいい?」


疑いの眼差しで答える警察官


「考えなくはない!」


よし!ボクは九州でお世話になった人の名前を告げる


「熊本県警の西山警部に連絡をお願いします」


ボクの言葉に驚く二人の警官


「何!熊本県警西山警部?なんだそれ」


「熊本?はぁー」


 ダメかぁ・・あ!じゃ


「県警の指令センター女性の安西さん」


すると一人が知ってたみたいで答えてくれた


「安西だと・・ミス県警の安西さんか、なるほど西山ねぇ」


 警察官は、ちょっと待ってろと言って出て行った。外で誰かに連絡してる?


これで何とかなるかな?

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