第3話九条真帆 (改)

真帆は、九州から帰りモデル事務所に赴き社長と話し合いをした。


「私への明らかな契約違反と、営業マネージャーによる私へのセクハラ、ストーカー行為!この事に対して、会社は注意を促すだけで何もされなかった。

私は、精神的にもこの会社で続けて行くことはできません!

よって退職させて頂きます。

賠償に関しては、後日弁護士を通してお話しさせていただきます。」


社長は、真帆に謝罪をしなんとか残ってもらうように話をしてたが、真帆は考えは変わらない旨を告げ会社をでた。


とりあえず実家から呼ばれてるから帰らないと、空と離れて3日かぁ…


寂しい・・


空に会いたい…


実家に戻り、1週間じっくり母に話を聞いてもらい、母も空が気にいったらしく、空に関する質問が凄かった。


特に母は、私が携帯に保存してる写メを見て、可愛い早く会って見たい、いつ連れてくるのかと、うるさいくらい言ってくる。


あまりうるさいから、空の写メのスライドショーにして見せると、母が固まっている?

何?と思って母の見てる写メには、空の可愛い女装の姿が写っていた。


「まぁちゃん!この可愛い女の子は誰なの?

あなたが手を繋いでたみたいだから、知ってるでしょ」


アハハ…その子ね、まずいなぁ母は昔から小さい可愛い娘が好きなのよね…

どうしよう空が、女装が似合う男の子だと知ったら、印象悪くするよね…


「どうしたの?知ってるんでしょ?

連れてこれる?こんな可愛い子会って見たいわ」


「お母様、その子は…その…ボソボソ…ソラ…ナノ…」


「何?聞こえないわ」


「あの子は空なの!」


母は私の発言に驚き固まる


「………!嘘!」


私はその時の状況を説明する


「何度かストカーに襲われたから、狙われないように、女装してもらった空なの!ほんとよ」


母は完全に乙女モードに入りキャッキャッ騒ぐ


「キャー♪なんて素敵なの!

まぁちゃん!この子と絶対結婚するのよ!早く連れてらっしゃい!お母さん早く会いたいわ」


母があまりにも騒がしくするから、珍しく父が書斎から出て来て、空の可愛い女装写メを見て、驚き固まってる


「真帆、ほんとにこれが空くん?男の子なのか?信じられん恐ろしく可愛い子だなぁ… 」


父は暫く携帯の空を見つめた後、携帯を返して一言言ってまた書斎に戻っていった


「この子を歓迎する」


あれお父さん変わった?


お母さんと何かあったのかな…


「あら珍しいあの人が興味を持つなんてビックリだわ、でも歓迎するって事はここに住んでもらっても構わないって事みたいね♪」


真帆は父と母の様子が心配になり母に尋ねた


「お母様お父さんと何かあったの?何か変だよ」


「真帆心配ないわ、いずれわかるから今は何も聞かないで…それより空くんよ!」


え?いずれってどういう事?


母が凄い勢いで聞いてくる


「まぁちゃん、空くんとどこまでいったの?子供はいつ頃生まれるのかしら?

プロポーズはまーちゃんがしたのかな?

ご両親はどこにいるの?いつご挨拶に行くのかしら?

一度両家で会って…うんそうしたほうが…」


何かまずい方向に、勝手に話が進んでるんですけど…


「ちょっと待って!お母様、私まだ空くんと、正式に交際はしてません!

それに空は、過去に辛いことがあったみたいで、まだ話してもらってないの…

空は、ちゃんと交際するようになったら、話してくれるみたいなんだけど…」


母は、私がまだ交際してないことに驚く


「まぁちゃん!何をやってるの?あなたから告白したのでしょう?

それなのに、まだ交際してないってどうしたの?」


私は母に九州での事、空の事情などを説明した。


「まぁちゃん!あなたから告白して交際できないって驚きね。

ふーん空くんますます気に入ったわ♪

空くんと正式に交際できるまで家に帰ることを禁じます!」


えーー!

そこまで、お母様が彼のことが気に入ったわけ?

お母様が話だけでここまでなるなんて…


「真帆!」


あれ?お母様態度が変わった。お仕事モードだ


「真帆、あなたの所属してたモデル事務所は、うちの系列のCM広告から外すことにしたから」


母が優しく私を見つめ話してくる


「まぁちゃん、仮の恋人だからと言って、命をかけて守るなんてあり得ないわよ。まぁちゃん!」


わかってるけど…


「よく考えて見て、普通なら最初のホテルでの事件で断るわよ。仮に断らなくて空くんのように続けてくれたとして、美人のあなたと二人きりに部屋でいて、何もされなかったってあり得ないわよ!」


そうだよね…


「あなたのその容姿にスタイル、それに恐怖で縋り付くあなたが、裸で抱き着いてるのに、まぁちゃんを気遣って何もしないなんて、なんて優しい男性なの、普通なら欲望にまかせ抱いてるわよ!」


うん…


「母として、お礼が言いたいわ絶対連れて来なさい!そんな強くて優しい男性がこんなに可愛いなんて・・・はぁーギャップ萌えよぉー」


「お母様?」


「はっ!ごほん!そ・それとまぁちゃん、あなたは、私のグループ会社のモデル事務所に入りなさい!そであなたは、彼のために輝きなさい!」


え?どういうこと?


「彼のために?お母様どういうことでしょうか?」


「命をかけて守った女が輝けば彼もきっと喜ぶはずよ!」


「わかりました。お母様のグループ会社のモデル事務所に入ります。」


お母様に彼を連れてくるのを約束して、都内のマンションに帰った。




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