第4話 いやな奴;奴隷商サンドラ

まる1日の間、荷馬車の荷台の上に転がされたまま揺られていた。麻袋の中に簀巻きに縛られたままであり、排泄も垂れ流しである。全く物扱いだ。

そして終着点の”そこ”に着いた時は既に日が暮れていて、もう真っ暗な中を到着した。

”そこ”は、安っぽいながらもがっしりとした石造りの3階建ての建物であった。

着くとすぐに素っ裸に剥かれ、がチャリと金属の首輪に繋がれて、3階の部屋に放り込まれる。部屋の中に積まれた藁の上には、すでに先客の2人が恐怖と不安定に青ざめて転がっていた。

普人族とエルフの娘だ。鑑定すると、ウェルシ大公国出身の農夫の娘とフィンメール族のエルフの娘とある。

部屋の隅には大きな壺が2つおかれていて、一つは水甕であるが、もう一つは汚物が貯めてあり、その悪臭が辺りに漂っている。壁には頑丈な鉄のワッカが打ち込んであり、そこに鎖でつながれてしまう。

「そら喰いな!」と渡された椀にはどす黒くドロドロした何かが満たされている。掬ってみると、ホルモン焼きのモツ鍋とよく似たものだ。牛や豚の臓物をくず野菜や残飯と一緒に煮込んだものじゃないだろうか。栄養価はともかく、見た目・匂いは料理というよりもエサである。ただ、空腹には敵わず、木のしゃもじで掬ってズルズル・くちゃくちゃと食べる。

体力がないと逃げることもできないから。

そして眠れぬ夜を過ごす。

次の日、下の部屋に引きずられてゆく。

扉が開くと、部屋の中央に中年の女が尊大に足を組んで座っていて、その前に素っ裸のまま首輪に繋がれて引きずられてゆき、床の上にしゃがみ込む。

「あたしは奴隷商のサンドラっていうんだ。お前は奴隷で、その所有者というわけさ。気に入らないかい?そんな睨みつけるような目つきで私をみて。あっはっはっ、早く諦めるんだね。こちらの言うとおり素直になると、それなりに楽しい人生が送らせてやるからね。いやならこうだ!」

そういうなり、いきなり鞭で肩を一発。

「これからは、理不尽がお前の毎日だ。お前にとって、理不尽がこれからの当然なんだよ。」

今度は足蹴にする。

「わかったね!とりあえず不妊処置をするからね。さあ、次!」

別の部屋に引きずって行かれる。そこでは、金属の棒をまたぐらに突っ込み、そう、かなり奥に突っ込み、激痛にのたうち回るの押さえつけて、何か呪文を唱え魔法をかけている。そして引き抜いた棒を見ると血で真っ赤に染まっていた。

下腹部の痛みにうつ伏せになっていると、脇から抱え込まれ、元居た部屋に戻され、また、藁のうえに転がされる。

やがて、残りの2人も部屋に連れてこられた。同様の処置を受けたようだ、3人で痛みと熱にうんうんと苦しんでいると、治癒師がやってきて、治癒魔法をかける。これで大分楽になった。

治癒師はいう、子宮を焼いたのだそうだ。こうして不妊化するらしい。疲労に負けてそのまま昏睡してしまう。夜半に目が覚めると、昨日と同じく、どす黒い”エサ”が満たされた木碗がおいてある。とにかく体力を温存しなくては!、無理をしてもこれを喰らう。

次の日は、休みの日らしい。少しけだるく、微熱が残っているようだ。鎖につながれたままボーっとして過ごしていた。もともと、子を産むなんて考えたこともない私にはどうでもよい事だが、他の2人の少女にとっては衝撃であったのだろう。呆然として絶望の淵に立っているようだ。

2日がたち、微熱も引いてきた。またサンドラの前に引きずり出される。

「どうだい、楽になったかい。お前のような若い娘の奴隷は、何の用途に使うか、分かっているだろう。アッハッハッハ。性奴隷が妊娠すると面倒だからねぇ。子宮は潰しておくんだよ。妊娠しないようにね。

でもね、それだけではダメなんだよ。お前のその生意気な目つき、それをどうにかしないとねぇ。」

「お前に自尊心なんて邪魔なだけなんだよ、さっさと諦めな。おまえは人間じゃないんだ、殿方の欲望をぶちまける人形でしかないのさ。子宮の次に、その自尊心を踏みつぶしてやるよ。」

そういうと、つま先をこちらに突き出し、

「さあ、舐めな。この足を舐めな。」

余りにもの事に、怒りがこみ上げ、睨みつけてやる。

「ふ~~ん、そうかい。別にいいよ。」

そういって散々に鞭打ち、それでも睨みつけていると

「おい、お香だ!」

いきなり布で鼻と口を押さえつけられ、布から鼻腔に入り込む刺激臭にむせ込み、それでもしばらく押さえつけられていて、しばらくすると頭の奥がボーとかすんでくる。

そうしたら、心の中の怒りがどこかに消えてしまい、なにもかも、どうでもよくなって・・・。もう心の中が頑張ることもできない。言われるままにサンドラの汚い足を舐め、ぼんやりと見上げる。

「いい娘だ、ホラ、次!」

そのまま、引きずって行かれる。意識は確かにあり周囲の状況はわかるのだけど、意志がない。ぼんやりとして、ただなされるままになっている。

次に連れていかれた部屋には男の奴隷であろう腰蓑を付けただけの汗のにおいにまみれた奴らが4人いる。

その中へ

「ソラッ楽しみな!」

と、放り投げられた。

後は、輪姦である。頭の中はぼんやりとしたままで、反抗する気も起きてこない。なされるままに嬲られ、どれぐらいの時間がたったであろう、4人とも飽きたようでむこうに離れてゆき、例のエサをすすり始めている。汗と体液の匂いにまみれ、ボゥーとしていると夜半になって元の部屋に連れ戻されて知らぬうちに寝てしまっていた。

次の日は朝から午前中一杯は頭痛にうなされる。例のお香の副作用に違いない。そして午後になるとようやく薬が切れて頭痛も収まり、ようやく頭の中がはっきりとして自意識が戻ってくる。

そうすると今度は、昨日の蹂躙に怒り・憎悪・自己嫌悪の感情の嵐に身もだえすることになる。

昨日の匂いを拭い去ろうと壺の水で体をふき続け、この激情に必死に耐える。同室者の2人を見ると、ひとりはただ泣くばかりであり、今一人のエルフの娘は糸の切れた操り人形の様に転がったまま、ジィっと天井を見つめ続けている。


次の日、またサンドラの前に引き出される。今度は3人まとめてだ。

どうだい、一昨日は。楽しんだかい?

今日はちょっとしたイベントがあるよ。お前達に名前をやろうじゃないか。

サンドラの横には、ちょっと大仰な服装の人物がいる。神官らしい。

さあ、順番に手を出して!そう言って一人づつ、無理矢理に手を引きずり出し、

「よし、お前の名前は今日から、”甘い蜜”だ!」

そう言うと、神官は引きずり出した手に自分の両手を重ね合わせ、何か呪文を唱える。一瞬、手が暖かくなり、終わると重ねた両手をはなす。これで、身分証明が書き込まれたらしい。

種族 ハイエルフ 名前 甘い蜜 

身分 奴隷 サンドラ商会所有

なっ何だって、甘い蜜!なんて名前を勝手につけるんだ!売春婦なら源氏名を名乗ることもあろう、これはこの地での実名となるんだ。

「どうだい、いい名前だろ。次!」

他の2人にも、花の雫、乳の滴り、なんて人名としてはどうにもおかしい名前を付けて、上書きしている。これは名前を付けているのではなく、名前を奪っているのだ。

「アッハッハッハ、どうだい、心機一転して新しい人生を送る気になったかい?

今日も同じ様に楽しませてやるよ。さあ、足を舐めな!」

冗談じゃない、言う通りにできるか。

そう睨みつけると、また、例のお香を染み込ました布で顔を押さえつけられ、刺激臭に咽せあがる。

そして、頭の中がぼんやりとしてきて・・・・・、後は同じ事・・・・・。


事件は次の日の午後に起きた。

同室者の一人は鎖でつながれたまま、やはりすすり泣き続けている。もう一人のエルフもやはり鎖でつながれたまま、無表情で天井をジッと眺め続けている。共にその前と同じで変わらない。


熱くけだるい夏の日の午後、窓の外は輝かんばかりの陽光があふれ、下の通りでは暑さの中を歩く通行人もまばらだ。

それまでジッと天井を眺めていたエルフの娘がいきなり立ち上がり、窓の方に走っていく。

そして勢いをつけて窓の外に飛び出す。

一瞬、まばゆい光の中に両手を挙げて宙に舞い、

・・・そして重力に引かれて、落ちる。

ガチャーン、

彼女を繋いでいる鎖が音を立てて伸び切る。

何が起きたのか、すぐには理解できなかった。窓に駆け寄り外を見ると、すぐ下にその娘はぶら下がっていた。

首輪に繋がった鎖で、首つりとなって・・・。

首は伸び切り、舌は飛び出し、目は充血している、そんなグロテスクな表情で死の直前を苦しみもがいている。両手はかすかに宙を掻いており、まだ死に切っていない。

しかし、それも数秒の事で、やがて腕はブランと下に垂れ下がり、ようやく苦痛が終わったことを知らせる。

「キャー、」

先程まですすり泣いていた娘が恐怖に叫び声をあげ、下の通りにその叫び声が響き渡る。街の人々も何が起きたのか、ようやく気が付いたようだ。大勢の人が集まってきて見上げている。

屋敷の奥からドドドと足音を鳴らして、サンドラと配下が部屋の中に飛び込んでくる。

そして、ぶら下がっている娘の死体を見て、

「畜生!畜生!大損じゃないか、大損だ!畜生!」

サンドラはわめき続け、だれかれとなく無差別に鞭を振りかざす。

しかし、このまま放っておくわけにもいくまい、死体を部屋に引き上げて部屋の中に寝かせ上から蓆をかけて隠しておくと、夕方には役人が死体の検分にやって来て、自殺の証言を記録する。その証人は私である。夜にはもう荼毘にふされ、その死体もきれいになくなった。

奴隷の存在が一人消えたとしても誰も気にも留めない、あっさりしたものである。


次の日、またサンドラの前に引き出される。

「フン、死にたければ死んじまえばいいさ。他の奴で稼ぐからね。あいつは来た時から壊れていたからね、どうせ高くは売れなかったろうさ。その分お前で埋め合わせるからね、せいぜいいい奴隷になりな。さあ、前とおんなじだ。」

そういって足を突き出す。当然屈服するはずもない。また例の布で薬をかがされ、同じ様になる。

こうして、同じ日々の繰り返しが続く。もう最初の時のような憤怒の爆発はない。一人が死んだという事実が心の中にショックとなったためだろうか。意外と冷静な自分自身に少し驚いてしまう。


そしてある日、自身を鑑別してみてまた驚く。料理・大工・スリ・農夫・鉱夫・商い・裁縫・鍛冶・家事・聞き耳・忍び足・頑固、様々な職業・種族スキルが身についている。

”子宮を焼いた”と言われたが、強欲の子宮は健全だったようだ。そして、男の奴隷たちに輪姦されているうちにこれつらからスキルを手に入れたにちがいない。


そしてもう一つ、自分自身も変わってきたことを認めざる得ない。

この過酷な環境の中、前世の自分の意識が洗い晒らされてきている。かつての自我がどうであったかも忘れてきている。

最初、性別が希望していたものと違うことに不満だった。しかし今となってはどうでもいい。

男であろうが女であろうがどうでもよくなってしまった。

以前の自分が、心の心棒であると思っていたもの、それがあっけなく潰れてしまう。

しかし、何もかも壊れて屈服したわけではない。以前は気にも留めていなかったもの、それが強固に固まって、新たに心棒を作っている。前世で一生懸命に追いかけていたものが、今やばかばかしく、どうでもよくなって、別に新たに覚悟のようなものを見つけている。

それが何だと言葉にはできないが。


もう一人の同室者も様子が変わってきた。初めはすすり泣いているばかりの娘であったのに、妙に色気づいてきたのだ。そして、

「いつまでもくよくよしてても仕方がないよね」

とか

「それなりに幸せがあると思うの」

とか言い始めてきたのだ。

こうなると、奴隷の調教が前に進むらしい。

高く売れるように様々なレッスンを受けていると、そのことをいちいち知らせてくる。どうせ、ろくでもない事に違いないのだろうけど・・・。

そして、裕福な商人に妾として買われていった。


「性奴隷はね、売春宿に売るよりも、ああいったお金持ちに売る方が高く売れるのさ。売春なんざ奴隷でなくてもいくらでもするヤツがいるからね。

あんたも強情だね、もういいよ、その強情なまま売り飛ばしてやるよ。いつまでも店に置いてても金にならないからね。」


次の日からは、外回りだ。

まあ、出張売春といっていい、あるいは味見というべきか。これで気に入ったら買ってくれというわけである。鉄の首輪と鑑札を付けたまま売春に遣られるのである。

この街の腐敗した有力者・怪しげな商人そして、裏家業の大物。

ハイエルフという種族が珍しいのか、あちらこちらからお呼びがかかる。

呼ばれて行ってすることは当然アレであるが、大物ともなるとソレだけでは済まない。いい酒を前にして、いろんな話も聞かされる。


「おまえさん、頭は切れるんだからもうチッと愛想よくしたらどうだい。何なら俺の愛人に囲ってやってもいいんだぜ。」

何が”愛人”だ、奴隷として買うのだろうが!

あまりにも見え透いた言葉にまともに答えてやる気にもならない。

しかし、話の内容には興味が引かれる。

この世界がどういうところか、その情報は今の私にとって最も欲しいものなのだ。


ここはゴムラという名前の街である。

ウェルシ公国という小さな国と、テルミス王国と言う大国の国境地帯の街なのだ。

どうやらこの世界は、地球の歴史で言うと中世ぐらいの時代のようだ。国境と言ってもはっきりとした境界があるわけでなく、この街は両国からの2重支配をうけるが、同時にその支配は不完全で、このあたりは一帯は一種の無法地帯となっているらしい。

このために密輸・密造・人身売買なんかのヤバい裏家業の拠点となっている。

裏家業の親分たちが多くいるのはこのためだ。


大物と言っても親分衆だけではない。とんでもなくヤバい奴もいる。殺し屋である。

そこに遣られるときは、奴隷商のサンドラも

「気を付けなよ。こんな奴の相手をするときは、決して逆らうんじゃないよ。いわれるままに”ハイその通りです”って言ってりゃいいんだ。刺されたら、目も当てられないね。売値が暴落だ。」

と。

こう言われて、呼ばれた宿に赴いた。

宿の一室の扉を開けると、そこには大きな傷痕で顔がひきつってしまった、いかにもヤバそうな奴がいた。

「よう、来たかい。こっち来な。」

部屋の中で一人、酒をちびりちびりとやりながら、手招きしている。

傍に座って腰やら胸を押し付けながら、酌をしてやる。

「俺はね、お前さんと同類だ。だから気軽にすればいい。」

何が同類なのか?。顔をよく観ると、傷の間の所々に入れ墨が残っている。

戦闘奴隷だ。

私を散々に輪姦していた連中だ。彼らは出荷時に顔に入れ墨を入れられる。

「ホラッ、」と右手の手背を差し出す。身分鑑定をしてみろと言う訳である。

「行きずりの関係なんだから、いちいち鑑定なんかしないよ。ここでは戯言が真実なのさ。」

「そうかい、そいつあ気楽だなぁ。

じゃあ、始めるか。」


そう言って、私を抱えて寝台に寝かせ、・・・。

・・・・・・。

・・・・・・。


「チッ、今度の依頼主は、しけてやがった。」

ナニを終えたあと、横で寝物語をボヤいている。


「俺かい、俺は戦闘奴隷だったのさ。

イヤ、戦闘奴隷といっても、べつに戦って強いわけじゃあネェ。

俺は強いがな。

戦闘奴隷はナァ、殺しの専門さ。心に何ら呵責を持たないで殺すことができる。そんな調教を受けた、人でなしが戦闘奴隷なのさ。

あのお香を嗅いだ後は、命令された通りに何でもしてしまう。

やっちまったその記憶は残るのにナッ。

お前さんも調教を受けた奴隷だ、よく知っているだろう。

最初は人殺しなんて恐ろしくてできなかった、でもあのお香を嗅がされて、殺しを重ねるうちに、もうどうでもよくなったサ。

ウェルシに買われて、あそこの山の中にいた時は、毎日のように殺していた。

人の命といっても虫けらの命と何ら変わらん。罪があろうがなかろうが、言われるままに殺したさ。

弱って役立たずになったジジイを殺した、泣きわめく子供だって殺した、その母親も殺した、仲間だって殺した。

その人殺しの血の付いたままの手で飯を食っていた。

哀れみ・罪悪感・後悔、そんな気持ちを持った事などない。」

「ただ恐ろしかった、次に殺されるのは俺自身かもしれないだろう、それに・・・。

だから、逃げた。

そんな奴は他にも大勢いるさ。でも、ほとんどは見つかって殺された。

まあ、俺は利口で腕がいいからな。だから逃げ切った。

そしてここで、殺し屋をしている。マエがマエだからな、殺し屋しかできねえわ・・・。」

そして、一夜を同衾して、朝になって別れる。

「和(なご)めたよ、また呼ぶからな。待っていてくれ。」

でも、それっきりの関係になってしまった。なぜなら一か月後に、このちょっと有名な殺し屋は死体となって河原に捨てられていたから。


そんな連中が、私を面白がって呼んだ。

流石に裏の世界で綱渡りしながら生きてきただけあって、そのスキルは際立っている。その結果、得られたスキルは恫喝・脅迫・欺瞞・篭絡・だまし討ち・拷問・・・、しかもLv3~5とかなりレベルが高い。こんなスキル持ちとなって、私はどういう人生を送ることになるのか・・・。


このように、あちらこちらに遣られる目的は、買い手を見つけることにある。しかし商談には結びつかない。

それは私自身のせいだ。

なぜ、奴隷商サンドラの儲けのために媚びたりして気を使ってやらなくてはならないのだ。それに、そもそも性奴隷を買おうという連中は碌でもない奴ばかりだ。

当然、それがこちらの態度に出る。

”きれいだが面白みのないヤツ”、つまり”冷凍のマグロ”らしい。

それが、私を”レンタル”した連中の評価だったのだ。


「あんたね、ちょっとは協力したらどうだい。自分のためでもあるんだよ。このままだと、最底辺の売春宿に売り飛ばすよ!」


”勝手にしやがれ、お前に協力なんぞしてやるものか。いつかきっとお前を殺してやる。”

口には出さないが、心の中ではそう呟きながら睨み続ける。


しかしようやくサンドラの心配は消え失せることとなる。私の買い手が見つかったのだ。それは、好色な貴族でも金持ちの商人でもない、そして裏世界の親分でもなかった。


テルミス王国の王室が買い取ることとなったのだ、宮廷の特殊なメイド(?)として・・・。



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鬼畜な話で恐縮でありますが、正直申しまして、この後の筋の都合上外すわけにもいかなくなってしまって・・・、載せてあります。

まあ、奴隷が登場するお話は多々ありますが、リアルに表現してみたという事で、ご容赦お願いしたいと言う次第です。ちなみにこの後にはこのような話はありません、たぶん・・・。

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