幼馴染だから
赤坂もちの家にホームズはいた。
「ういろうはどうしてると思う」
「大丈夫にゃ」
「そうかな」
3人が中学二年生のバレンタインデー
ういろうとホームズは昼休み生徒会室に居た。ホームズは生徒会に所属していないが、生徒会会長のういろうの権限で生徒会室でいつも2人で食事をとっていた。
「ホームズ。昨日も事件解決したんでしょ」
「そうだけど」
「詳しく教えてよー」
「絶対にやだ」
「けち」
「こういうのは口外しちゃいけないの。警官の娘だろ。それくらい覚えておきな」
「ホームズ、今日はバレンタインだね」
「そうか」
「ばつが悪そうね」
「僕チョコもらっても体重維持のために食べれない。毎年損してる気分だ」
「バレンタインっていうのは女の子は普通チョコ貰えないの」
「でも、僕は貰える」
「毎日のように難事件を解決したり、硬式テニスで全日本ベスト4になったりした、有名人のホームズは特別よ。この学校の8割型が今日ホームズに本命チョコをあげるために学校に来てる」
「気持ちは嬉しいが、僕は人から貰った物食べられないし。美味しそうな物あったら今年もういろうにあげるよ」
「ホームズ私を太らせようとしてない?」
「嫌ならいいけど」
「貰えるなら貰うわよ」
「って言うかホームズ。先輩にはどうせチョコ作ってんでしょ」
「それはそうだけど」
「ホームズはなんだかんだで私よりバレンタイン満喫してるわよね」
「ういろうも、弟以外にチョコ作れば」
「私ホームズ以外に友達いないし。チョコをあげたい人もいないもん。それよりホームズ放課後は」
「君と違って僕は忙しいんだ。じゃあまたね」
「じゃあね」
2人は各々教室で授業を受け、放課後になった。
「ねぇ、あの噂知ってる?」
「うん。太陽先輩がホームズちゃん以外と付き合ってるって言う噂」
耳にしたういろうは2人からその噂の詳細な話を聞いて、太陽のことを尾行した。
「出てきた」
ういろうは高校から出る太陽を尾行した。
(ここの文化祭ホームズと一緒に来たな。ホームズああ見えて乙女だから全然この高校に入れなくて大変だったんだよね)
太陽は猫耳を付けた女の子と共にケーキ屋さんに入る瞬間の写真を撮る。
「最悪な男ね。しかも、私たちと同じ中学校の制服じゃん。ケーキ屋から出てきたらどうしてやろうかしら」
二人がケーキ屋から出てくるとういろうは啖呵を切った。
「あんたあかりんの気持ち分かっててその女の子と一緒にいるの」
「その女って妹のこと?」
「太陽の妹のもちですにゃ」
「へ?」
「君はあかりの友達だね。お世話になってます。浮気と勘違いさせちゃったかな。悪いね。あと、妹のもちは君たちの同級生なんだ。良ければ仲良くしてね」
「佐藤ういろうです。ご迷惑をおかけしました。もちちゃん、これからもよろしくね」
ういろうは逃げるようにその場を去った。
翌日の朝
「ねえ、ホームズ謝らせて」
「ふん。もう口きかないから」
「ホームズごめんって」
「謝って許されると思う?」
「妹ちゃん生徒会室に呼ぶから」
「妹ちゃんとは会うけどね」
昼休み
「こんにちは。君が妹ちゃん?」
「太陽の妹のもちにゃ。よろしくにゃ」
「よろしく。僕は
「私にはホームズって呼ばせるくせに」
「ういろうは黙ってろ」
「じゃあホームズって呼ぶにゃ」
「もち君がそれでいいなら。ところでなんで猫耳してるんだい」
「去年の学園祭、猫耳メイド姿で屋上で太陽先輩と屋上でキスしてたホームズがそれを言うの?」
「ういろうは黙ってろ」
「諸事情にゃ」
「言いたくないことだったかな。変なこと聞いちゃったね」
ピロリン
ホームズの携帯に太陽からの電話が鳴る。
「大君。チョコ美味しかった?やった。いいよ。楽しみだな」
「ホームズどうしたの?」
「デートの予定。じゃあねもち君。あと、弟離れできないそこのういろうとか言うあばずれ女とは距離とったほうがいいよ」
「そこまで言わんでも」
「じゃあにゃ」
「もちちゃん。放課後暇?」
「ちょうどういろうちゃんに言いたいことがあるにゃ。放課後会おうにゃ」
放課後
「オーラが見える?」
「そうにゃ」
「それで」
「ホームズが危険にゃ」
「じゃあどうすればいい?」
「とりあえず、ホームズの元へ向かうにゃ」
「とはいえ、いちゃいちゃモードのホームズは連絡が取れないよ」
「じゃあちょっとがんばってみるにゃ」
もちは猫耳を外す。
「いそぐにゃ」
「どれくらい急ぐ?」
「なるべく早くにゃ」
「分かった」
「お金はちゃんと払うから車を出して」
「どこへ行けば」
「とりあえず車を出して」
「もちちゃん。オーラの場所分かった?」
「あの、ショッピングモールにゃ」
もちは大きなビルを指さした。
「ありがとう。もちちゃん。あなたはこの車で休んでなさい」
もちが外していた猫耳をういろうはもちに付ける。するともちは気絶するように眠った。
「ねえ、運転手さん。私のお父さんは警視庁の公安部長なの。だから、遠慮はいらないわ。もっと飛ばしなさい」
「了解しました」
猛スピードで車は移動する。
「大君。美味しいね」
「もち、後ろ」
もちの後ろにはナイフを持った男がいた。ちょうど突進してきたところをホームズはひらりとかわし、足を引っかける。
「僕が取り締まった詐欺師集団か」
十人前後の男たちがホームズと太陽を囲む。
「相変わらずの技術馬鹿ね。太陽先輩、外のタクシーにもちちゃんがいる。もちちゃんのとこ行ってあげて」
「分かった」
太陽のことをさっきとは違う男が襲う。ういろうはその男を吹き飛ばす。
「相変わらずの馬鹿力だ」
「ねえ、あかりん」
「ホームズって言え」
「いいでしょ、こんな時くらい」
「なんだい?」
「あかりんがどう思ってるか知らないけど、私にとってはあかりんだけなの」
「何が」
「私を避けないでいてくれたの」
「僕は君を利用したいと思っていただけだ」
「それでも、私にとっての幼馴染はあかりんだけなの。あかりんにとっても私は幼馴染なんだから、私が頑張ってる時くらい素直に私のこと応援しなさいよ」
「頑張れういうい、負けるなういうい。これで満足かい?」
「やっぱりあかりんに素直なのは似合わないね」
「奇遇だね。僕もそう思ってたところだ」
2人は電光石火でその場を制圧する。
「ミッションコンプリートだ。ういろう」
「そうだね」
「せっかくのデート日和が台無しだ」
「私がここに来たのはもちちゃんのおかげだからもちちゃんにも
感謝しておきなさいよ」
「そうか。分かった。でも、取り敢えずういろう。ありがとう」
「どういたしまして、ホームズ」
ホームズは回想を終えて発声する。
「がんばれ。ういうい」
「私も応援するにゃ」
友の声が想いを伝播させる。
「蘭先輩。私を能力で運んでください。一瞬でいいので」
「……分かった」
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