覚悟 八橋健
八橋 覚醒前
「円卓狩りで最中がやられたって」
凛は神妙に円卓のメンバーに伝える。
「俺が円卓狩りを倒してくるよ」
八橋は宰領狩りのアジトへ駆け出す。
「まってよ~。八橋~」
凛は八橋を止めようとするがテレパスは途切れた。
円卓狩り。名の通り円卓のメンバーが襲われ、円卓が半壊した事件である。何故こんなことが起きたかというと八橋達、現3年生が1年生だった時の円卓の力が弱かったからである。円卓のメンバーのほとんどが歴代と比べて圧倒的にルクスが低く、圧倒的に能力も弱い。そのためポセアリウスは荒れに荒れた。そんなポセアリウスに住む人々はこの時期の円卓を最弱の円卓と揶揄した。円卓狩りの構成員、アジトも割れていた。それでも、円卓狩りはポセアリウスに与える被害は少なく、円卓は他の事件の解決を優先していた。そんな中、敵を討つために八橋は円卓狩りのアジトへ向かった。
「お前らか‼八橋をやったのは」
特攻服を着た二人組の男たちに八橋は怒鳴る。
「何だお前?」
「俺は最中の仇を討つ‼」
「お前もしかして円卓か。じゃあやってやるよ。
一人は厚い水の壁を作った。まるで、水族館の水槽のようだ。
「
もう1人の男は水の壁の中に無数の剣を作り出す。
「GO」
その掛け声で剣が八橋を突き刺す。
「雑魚ッ。仇を討ってくれるんじゃないのー」
水壁を作り出した男が言う。
「そういえば能力はぁ?宰領のくせに雑魚すぎでしょ」
剣を作り出した男は八橋を煽る。
「はあああああ」
八橋は全身に炎の膜を張る。
「なに、それだけ」
能力を使った八橋に容赦なく剣を刺していく。八橋からは大量の血が噴き出していた。やがてその場に八橋は倒れる。
「今まで戦った円卓の奴らの中でお前が一番弱いぜ」
倒れた八橋を特攻服の二人は蹴る。
「俺は、、、最中の、、、仇を、、、」
八橋は一人の蹴り足を掴んで言った。
「ああ。聞こえねなあ」
「八橋、お前みたいに無謀な奴嫌いじゃねえ。だが、自分の能力を見誤るな」
虹色の髪の当時円卓三年第一位が現れる。
「虹谷先輩?」
「炎よ」
虹谷がそういうと、二人は金色の炎によって吹き飛ばされる。
「まだ、やるか」
虹谷は特攻服の2人を睨む。
「ああ。俺らは円卓狩りだ。やろうぜ」
二人は水の壁を作り出し、無数の剣をその中に作り出す。
「剣。GO」
水の壁から大量の剣が八つ橋に向けて発射される。
「
金の炎が円卓狩り水の壁を蒸発させ、剣を溶かす。
「八橋。お前は突っ走りすぎっしょ。もうちょっと冷静になるるべきっしょ。今度からは気を付けるっしょ」
虹谷は八橋を病院に運びながら言った。
「すみません。でも最中にいつも助けられてて、許せなくて」
「人を頼ること覚えたほうがいいっしょ」
「そうですね」
八橋は反省する。
ある日突然虹谷は言った。
「これ、アポロンハット」
「これは先輩の神器じゃないんですか」
「これは円卓の物っしょ。あと、お前は強い。まだ自分でもわかってないだろうが自分を信じろよ」
虹谷は急にまじめなトーンで言った。
後日虹谷死んだ事が報告された。
円卓のメンバーは悲壮感に染まっていた。円卓の中心にはいつも彼がいたからだ。円卓の三学年二位が立ち上がった。乾 高尾。彼の能力は
「虹谷紫郎の能力みんなしってるか。コピーだ。そして、あいつのコピーは決してオリジナルを超えない性質がある。あいつは、ルクスを大量に消費して命を削ることでその能力の弱点を補っていた。虹谷はいつだって自分を犠牲にして俺らを、この街を守ってきた。そして、最後は勝てるはずのない敵と戦った。俺らは最弱の円卓だ。二年、一年。まだ遅くない。もっと強くなれ。命を削れ。どんなに無謀でも逃げ出すな。そして大事な物を守り抜け。俺らにはそれができなかった。大事な友も守れなかった。だから、約束だ」
泣きながら乾は言った。3年生はその言葉に共感し、2年生と1年生は強い使命感を覚えた。乾の言葉に感銘を受け、大量の涙を流す。
「虹谷さんも円卓を頼ってくださいよ」
八橋は誰よりも涙を流し、誰よりも強い覚悟を決めた。それ以来、八橋は円卓最強のパイロキネシスと呼ばれるようになる。
時は変わって現在
「虹谷さんは天国から見ていて下さい。俺が終わらせて見せます」
八橋は虹谷から受け取ったアポロンハットに願いを込める。
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