第3話:主夫は冒険者になる、但し…

リオニーさんと友達になったが、僕はまだ冒険者登録を終えていない。

僕はカウンターへ戻り、冒険者登録の続きをしたい事を伝えた。

受付嬢はまだ小馬鹿にした様な表情で僕を見てくる


「主夫で冒険者は無謀ですよ?主夫は戦闘力皆無、製作系もダメ、どうやって依頼をこなしてくつもりですか?」


「簡単な依頼とか誰でも出来る依頼をやろうと…薬草集めだったり…」


受付嬢はため息をつきながら


「はぁ…?そんな事してどうするんです?モンスター狩れないなら、意味が無いんですけど…薬草集めなんて金になりませんよ?」


悔しいけど、そうだ、モンスターを倒す事が出来る人なら、お金も稼げる…

簡単なクエストなんて千ゼニー位にしかならない。

我慢の限界だった、この人は人を見下す、つい大声で言ってしまった。


「僕には…母さんの治療費を貯める目的がある!だからどんなに安い仕事でも沢山やって、母さんを助けたいんだ!貴方みたいに人を踏みにじる人に何を言われても!」


すると後ろからドスの効いた声が響く


「この村のギルドは、薬草集めを下に見るんだな…これは本部へ報告しよう」


リオニーさんだった


「り、リオニー様、滅相も御座いません!私は彼に死んでほしくなく…」


(あれだけ馬鹿にしたのに…よく言えるよね…)

なんて思って話を聞いていると、段々リオニーさんが怒りだした。


「悪いが、君の態度は気に入らない、ギルドマスターを呼んでもらおうか」

「そ、それだけは!!」


机を強く叩き、乾いた音と、彼女の大声が響く


「彼は信念を持ってここに来ている!それが主夫だからと言う理由で断る等、ギルドとして恥すべき行為だ!!」


「どうされましたか?リオニー様」


カウンターの奥から、初老のおじいさんが出てきた。


「ギルドマスターのヨハンか、貴方はどんな教育をしているんだ?」


ヨハンさん、彼はこの町のギルドマスターだ、若い頃はそれなりに名の通った冒険者と言われている。


「この受付嬢の態度は問題が有り、後ほど処罰しますが…彼を冒険者にはしたくありません、それはギルドとしての本意です」

「彼は主夫で、戦闘力、生産力も何も無いのです、彼は死ぬ可能性が高い、生産は分かりませんが、効率は悪いのは確実。つまり彼一人で依頼はこなせない可能性は高いんです」


ヨハンは当たり前の如く言うが…


「では、私が責任者として彼と行動を共にするでどうだ?」


周りは驚愕した、Sランクが主夫の面倒を見ると言っているのだ。

彼女とて、忙しい身でありながら、彼を手助けすると言う。


「前例が無いので、承認は出来ませんねぇ…」


と嫌らしく渋ってくる


「ほぉ?では、この件を本部に取り合ってみよう、そう言えば…ここで放任されている冒険者について…も言わないとなぁ」


ヨハンに眉間の皺が出てくる


「…貴方が面倒をみて、我々のギルドに責任が無いのであれば…」


ヨハンはしぶしぶ合意した。


「よし、では早く手続きを」


そう言うと、受付嬢がカードを発行し、リヒティに渡す。

彼女の目には怒りを感じる、凄く…黒い何かだ。


「ありがとうございます」


そう言い、僕は冒険者カードを手に入れた。

手に取り、僕は冒険者となった、

これから沢山クエストをこなして、母さんの治療費を稼がないと!

そう思いながら、カードを見ていた。


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■あとがき


フォロー、応援、評価やレビューありがとうございます!

メンタルが弱い作者ですが、新参者にも優しくして貰えて感激しました。

引き続き面白いと思える様な話を考えていきますので、もし良ければ、付き合い頂きたいです。宜しくお願いします。


あと、基本的に1日に2回投稿をする予定です。


1本目は朝の7時

2本目は夜の7時


にします、一応ストックは6本あるので、このペースで行けば、問題なく進められるはず…です。


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