いよいよあの町へ
いよいよあの町へ
エミリーとメアリーは、クッキーの肩に乗り、前王の山小屋に5分くらいで着き。エミリーは、林の間から見える町を見下ろし、明日はあの町へ行き、レシピ本を取り戻す。そう思いながら懐中時計を見ると、午前11時。
お昼は、メアリーの母親が用意してくれた、昨日の残りのクリームシチューとパン。それをタッパー入れ。朝、メアリーの母親がエミリーに渡していた。そこでエミリーは、デザート作りを始め。
すると、メアリーとクッキーは、作れるところをジッと見ていると。作り始めてから1時間経ち。どうやら、できあがったようで。美味しくできたか、見た目はどうか、いろいろ気になっているエミリー。
そこへ、メアリーがそのデザートが気になり見に来ると。
「えっ!? 何これ? プルプルしてる……。あっ、思い出した。プリンだ!」
「正解!」
クッキーは、メアリーの後ろで不思議そうにプリンをジッと見ている。
「それ、食べていいの?」
その手がプリンに。気づいたエミリー。
「まだダメ! シチューの後に食べるの!? わかった!?」
「……わかった」
調理台の上に置いてあったプリンをエミリーは冷蔵庫に入れ。メアリーの魔法で後片付けが終わり。
お昼の時間になり。レンジでシチューを温め。みんなで美味しく食べ。クッキーは、お約束のように、お代りを催促するが、1人分しかなく、少し不機嫌。しかし、冷蔵庫の前に行き。何かを待っている。
しばらくして、エミリーもメアリーも食べ終え。エミリーは、プリンを取りに冷蔵庫へ行き。プリンをテーブルの上に置き。
すると、あっという間にプリンを食べ終えたクッキー。1人1個しかなく。エミリーは、相変わらず食べるのが速いと言いながら、クッキーに味わって食べてよねと言った。
メアリーは、プリンを見ながらスプーンですくい、一口食べ。
「……舌触りがなめらかでプルプルしているところがいいよね……。美味しい!」
クッキーは、メアリーの食べかけのプリンをジッと見ている。
エミリーは、メアリーの嬉しそうな表情を見て。
「プリンって、まるで私みたいに可愛いでしょう? 高貴な食べ物って感じで」
「言っている意味が分かりませんが」
「えっ!? 私って、可愛くないの?」
「そんなこと私に聞かないでよね」
「えー!? 冷たいな……。これ、作ったんだけど、どうしょうかなー?」
すると、テーブル下に置いていた、サプライズが。
保冷用のボックスをテーブル上に置き。そのボックスの中には、この間作っておいた、チョコアイスバーが入っていた。
それを見たメアリーは。
「ごめんなさい。可愛いです。流石、王女様です。これでいいでしょう?」
「まぁ、わかればよろしい」
「なんか悔しいけど、食べさせてください」
「悔しいって、何? はい、どうぞ」
メアリーは一口食べ。
「天才だね。美味しい!」
メアリーは、プリンを食べ、アイスを食べ。エミリーはそれを見て。
「どっちか食べてからにしてくれる?」
「これって、一つにならないの、プリンチョコアイスバーに?」
「プリンチョコアイスバーねー!?」
そのことで2人は話し合いに。
すると、クッキーがエミリーをジッと見ている視線を感じ。エミリーはクッキーに、チョコアイスバーをあげるのを忘れていた。
エミリーはそのお詫びに、クッキーにチョコアイスバーを2本あげると、美味しそうに速攻で食べ。エミリーはクッキーをジッと見て。
「クッキー、頭がキーンってならなかった?」
「頭!? 大丈夫だけど、何?」
すると、メアリーが何か思い出し。
「そうだ、頭って言ったら、髪。本当に切っていいの?」
「切るって決めたから……。明日の朝、ちゃんと切ってね。お願いね」
「任しときなさい! 妹の髪は私が切ってるし、大丈夫」
エミリーは明日の朝、町へ行き、レシピ本を取り戻すつもりだが。そのことで、エミリーは困惑している。
何故、100番目のレシピがわかれば、前王は見つかるのか。鏡の主は、別の国から来た者が前王のリュックを拾ったと言っていた。いくら複製したレシピ本だからといえ、大事なレシピ本。そのレシピ本が入ったリュックを何処かに置き忘れたのか。それとも、リュックを何処かに落としたのか。まさか、拾ったのではなく盗まれたのか。その時、魔法がかかった鍵は持っていなかったのか。謎だらけ。
100番目のレシピのヒントは、目次に書いてある、「100番目……?」これはどういう意味なのか。前王が何年かかっても見つからない100番目のレシピをどうやって見つけろというのか。
果たして私に、100番目のレシピを見つけることができるのか。いや、見つけないとダメ。絶対に見つけてみせる。そして、お祖父ちゃんを見つけ出す。まずは、複製したレシピ本を返してもらわないと。その後に、100番目のレシピのことは考えればいい。エミリーは、前王の書斎の机に向かい。机の上には、原本となるレシピ本。100番目のレシピが破れたページを見ながらそう思った。
その頃、メアリーもレシピ本を返してもらうことを考えていると、1つ気になることが。それ次第では、厄介なことになると思っていた。
翌朝。
エミリーは目が覚め、ベッドから起きると、他の2人がいない。部屋のドアを開けると。 調理場では、クッキーとメアリーが仲よく朝食の準備をしている。その様子を黙って見ていると、中々のコンビのようで。無駄のない動きをしている。見ているだけで、なんか、楽しくなってきた。
すると、メアリーはエミリーに気づき。
「そこのお嬢さん!? さっきから見ているけど、顔を洗って来ないさい!」
「はーい、お姉様!」
「お姉様は余計なの。返事は、はい、だからね」
「はい!」
しばらくして、朝食の準備ができ。
朝食は、ハムエッグとトーストと、サラダとスープ付。お城では食べたことがないメニュー。
3人は、美味しくいただき。後片づけをすますと。いよいよエミリーの髪を切る時間になり。メアリーは魔法で1つの部屋を仮に用意し、その部屋のドアを開けると。そこには、髪を切る為の専用の椅子や大きな鏡が用意され、頭を洗う設備まである。エミリーは椅子に座り。ヘアカットエプロンをつけていよいよ髪を切る。メアリーの手にはハサミが。
「エミリー、髪を切る心の準備はいい? あっ、それと、魔法で元に戻してはなしだからね?」
「そんなことは言いません。よろしくお願いします」
その様子を見守るかのように、エミリーの後ろで椅子に座って待っているクッキー。
髪を切り始めて30分くらい経ち。髪を切りセットも終わり。メアリーはエミリーに、カットの確認してもらい。
「メアリー、髪切るのが上手だね? 中々可愛いじゃないの……。似合う、似合う」
「それ、自分で言うかなー!?」
「私達って、似た者同士だね」
「似た者同士!? だったら、私も可愛いっていうことね」
「それ、取り消す。似た者同士ではありません」
「クッキー、私とエミリーどっちが可愛い?」
「引き分け」
「引き分け!?」
エミリーはその回答に納得し。
「仕方ないじゃないの!? クッキーが引き分けって言うだから」
「何それ? わかった。引き分けね」
これで、町へ行く準備が整い。ここで忘れてはいけないのが、クッキーの存在。クッキーはメアリーの魔法で人間の女の子に化けることに。
すると、若干メアリーに似ていた。3人の服装は、あの町に合う服装にメアリーの魔法で着替え。いよいよ、3人は町に行く。しばらくして、3人は山小屋を出た。
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