第6話
そして、陽が沈み、パーティーが始まりました。
大広間から仕切りを取って、大部屋とつなげてさらに広くとった広間には、数多くの人が集まっていました。単純にここに爆弾を置くだけでパーティーを中止にせざるおえないような、偉い人たちばかり集まっています。…そうすればよかったです。
話をもどします。上座の壇上には主役のお嬢様と、ムーンストーンが飾られています。お嬢様は今までにないほどに、綺麗になっています。本当に誰にも渡したくない。ムーンストーンにはスポットライトが当てられ、やや遠くの人からでも見やすくなっています。特殊な技術で入れられたという、家紋もしっかり確認できます。僕が偽物を作りにあたって一番苦労したところですね。
あと、特筆すべきは料理でしょうか。人々が踊るため、中央にはありませんが、隅っこでも強い存在感を持っています。北で取れるという珍魚、鮭や鱒。鮗や鱊、𩸽など意味不明なぐらい多くの魚が、色々な調理法で料理へと変身し並んでいます。他には、変わったものが好きという一部物好きのために用意された、うさぎや蝸牛などの珍味も、ちんまりと並べられています。
着々と時は流れて、後数十分で午前零時、つまりお嬢様が十六歳になり家宝が引き継がれる時間になりました。ムーンストーンの近くには、僕を始めとした一部使用人や、陰に御館様の私兵もいますし、サルビア嬢も近くで控えています。完璧な布陣です。まあ、本当にモンステラは来ないから意味はないですが。
「ねえ、シュウ。これ似合うかしら」
気づくとお嬢様がネックレスを首に当てていました。
「いや、似合う?じゃないでしょお嬢様。何してるんですか。まだ駄目ですよ。全く、何してるんですか」
慌てて元に戻させます。見ればサルビア嬢もあきれて頭を押さえています。その後はお嬢様がおとなしくするよう、検算は止めにしてお嬢様の監視をすることにしました。そして、
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