妹が死にそうになりました。

@Cordtan12

第1話

妹が死にそうになりました。


─この気持ちは。

この気持ちは一体何なのか。

憎悪、怒り、唖然。

そのどれもを今の俺の感情に当てはめてみる。

それは、どれか一つだけという訳でない。

するとどうだろう。全ての感情が今の俺に当てはまるのではないのか。

そう、無数に降っているこの雪の様な─

─雪が積もれば積もるほど俺の感情が昂っていく。

それでも俺は叫んだ。

「おい、那摘!」

返事はなく、俺はただ静かに那摘を抱きかかえた。




と言うのはどうやら夢だったらしい。

悪夢が二度来たように感じた。

「太陽うぜぇ」

目に差し掛かる太陽の日に向かってそういった。

「にしても変な夢見たな…」

ウソでもなければデジャヴという訳でもない。ただの回想だ。

このいままでの間、俺は布団に座ってボーっとしているだけである。

その事に今気づく。

「早く準備しねえと…」

平日。学校に行く日である。

リビングに行くと我が妹である菜摘が飯を食っていた。

「おいっす菜摘」

「今日は遅いねお兄ちゃん。ご飯作っておいたよ」

「ああ。すまんすまん」

飯を食う。

歯を磨く。

顔を洗う。

その他諸々、朝の準備である。

することを並べてみるとめんどくさそうに見えるが、もはや癖の様になってきているので、なんの苦痛も感じない。

あっという間に過ぎる三十分強。

直ぐに登校する時間になった。

「早く行こうよ、お兄ちゃん!」

トロくてすまんな菜摘よ….



さてと、遂に学校に来てしまった。

今日も一日頑張るぞい。




やっと終わった…

カラスの鳴き声が俺を慰めてくれている。いや待て、あいつら「アホー」と言っているようにしか聞こえないんですがこれいかに。

もういい。早く帰ろう。





幸い、家と学校は近く、徒歩圏内である。そんなこともあり、家に着くのは早かった。

「はあ…」

家に入った途端、そんなため息を漏らす。菜摘はまだ帰ってきてはいないらしい。

のろのろとリビングに行き、自分のバッグを下す。ついでに俺の体も。

両手を地面につき、足を延ばしながら、深呼吸をする。

もうこのまま寝ようかな…そう思ったが、一つ思い出したことがある。

ご飯作らなければ。

基本的に菜摘と俺はご飯を毎日順番に作っている。

てなわけで今日は俺のターン。

ずっと俺のターンとかはやめてよね。マジで。



晩飯が出来たごろに、菜摘は帰ってきた。

「ただいまー」

「おう、お帰り。飯出来てるぞ」


からの夕食タイム。

夕食はスタッフが美味しくいただきました。




夕食を食った後の疲労感。

今日はなぜかドッと疲れたような気がする。

なので早めに風呂に入り寝ることにした。

「はやく週末来ねえかな..」

そんな週末に思いを巡らせながら俺の意識は薄くなっていった。



「…ちゃん、おにいちゃん」

「…ん?」

菜摘の声がしたので目を開けてみると、布団の横に菜摘がいた。

「どうしたんだ?」

「…それが、寝れないの。一緒にねてくれないかな」

知るかぼけ

「ああ。いいけど…」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

妹が死にそうになりました。 @Cordtan12

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る