第25話
走る、走る、走る。
足が、肺が、体中が熱くて痛い。
それでも止まるわけにはいかなかった。
荷物の殆どは放棄された。
身一つでも良いから、少しでも早く逃げ出さなくては。
ある人は荷物を抱えたまま。
ある人は荷物を放り出して。
ある人は荷物に目もくれず。
走り出す人と座り込んでしまった人の割合は半々だ。
走れる人は座り込む人を引き摺るように走り、座り込んでいた人は危うい足取りでついて行く。
私達は引き離されないように鞄を放り出して、最早余裕も何もない大人達の背中を追い掛ける。
早く走れないと思っていた人達だったが、私達に幾らか気を遣ってくれていたらしい。
火の手が上がる前はそんな不安はなかったのに、今は置いていかれるのではという勢いで進んでいく。
待って、なんて言える雰囲気ではない。
私の手を引くツヴァイも酷く辛そうな呼吸をしている。
足が遅い私に合わせていなければ、もう少しは早く。いくらかは楽が出来るのだろうに。
申し訳ないのだが、私はもう走ることだけで精いっぱいだ。
周りを気にしていては足を縺れさせて転ぶ、間違いなく。
コミュニティが燃え始めてから、辺りは騒然とした。
何事かと建物から出て来る人達の流れに逆らって、私達は走る。
後続も来なければ、先発の集団にも合流出来ていない。
人混みにぶつかる度、私とツヴァイは大人達との距離が開く。
それを何度か繰り返すと、もう自分達が何処に居るのかさえ分からなくなっていた。
二人分の荒い息遣いが妙に響く闇の中。
繋いだ手は熱く、汗で湿っている。
「ミル、平気?」
「ぅ、うん」
「・・・・・・ちょっと、休憩しようか」
「でも」
ここで立ち止まったら、追い付けなくなるのでは。
心配になったが、スピードを少し緩めただけで足ががくがくと震えた。
建物の陰になる場所で、私は殆ど崩れ落ちるように座り込み、ツヴァイも似たような状態で壁に背中を預ける。
これから、どうしようか。
火の手が上がっているコミュニティには、どう考えたって戻れない。
何が起こったかは知らないが、火の不始末などではないのは確かだ。
コミュニティが住居として使用していた建物は木造ではなかった。
遠目で見ても火柱が上がっているのが分かるほど燃えるのは、不自然だった。
今から住居を移るという時に火を使うようなことはない。
嗜好品である煙草を吸うような人も居なかった。
意図的に、害意を持った誰かに火を投げ込まれたとしか考えられない。
オレオルシュテルンがグランツヘクセの人間に差別的であることは理解していたが、こうも明確に悪意を向けるなんてことはあるのか。
中に人が居ると分かっていてやったのであれば、殺意といってもいい。
夜中に人目を忍んで住居を移るのも納得出来る。
だが、どうしてこのタイミングでこんなことが起こったのか。
偶然にしては、酷すぎる。
もしくは、こうして狙われていると知って住居を移ることを決意したのだろうか。
どちらにしても、今回の移動は少なくない被害が出ているはずだ。
皆、無事だろうか。
無傷、とまではいかなくても、命を失うような事態になっていないことを祈る。
それくらいしか、出来ることがない。
行先の地図くらいは見ていたが、当初の予定と違う道を走って来た。
頭の中の朧げな地図は役に立たないだろうし、誰かが私達が居ないことに気付いて探しに来てくれた場合、下手に動くのもまずい。
待っている方が良いのか、動き出した方が良いのか。
悩ましいところで
「あ」
不意に声をあげたツヴァイが弾かれたように立ち上がる。
ぱぱぱっと身体を探っていたかと思えば、急に頭を抱える動作をするので嫌な予感がする。
「おにいちゃん?」
「ない」
「なにが?」
「兄さんと連絡取る、あれ」
「あれ?」
あれって・・・・・・あれか!
硝子玉のような、ツヴァイの掌に収まってしまう物。
そういえば、移動中に無くさないようにと鞄に仕舞っていたのだったか。
最悪、アインスに連絡さえ取れれば大丈夫という甘い、甘い考えが崩れていく。
これは流石に、大分まずい。
ツヴァイもそれを理解している。
行先が分からないのであれば、荷物を取りに戻ろう。
そう提案されたが、すぐには頷けない。
放棄した鞄がそのまま残っているかは定かではない。
私達以外の大人達の荷物にはいくらかの貴重品も入っていたようなので、火事場泥棒というのか。
荷物に目を付けて物色している人間が居たりしたら、危ない。
だからといって、ここでじっとしているのが安全だとも言えない。
迷いに迷った末に、こっくりと頷く。
ツヴァイの手を借りて立ち上がり、そのまま手を繋いで歩く。
もう走るだけの体力がなかったし、歩みも遅い。
のろのろと来た道を戻る中、遠くに見えるコミュニティは未だ燃えていた。
その内、建物が崩壊してしまいそうなのだが、火の手が上がってどの程度経ったのか。
時折行き当たる人混みを掻き分け、記憶を頼りに荷物を放棄した場所に戻るのは大変だった。
手汗のせいで、繋いだ手がつるりと滑って、私が人混みに呑まれる度にツヴァイには苦労をかけた。
どうにかこうにか荷物のある場所に辿り着くと、殆どの荷物は口が開いていた。
既に粗方持っていかれているのだろう。
私達の鞄も口が開いていたが、子供服ばかりが入っていたせいだろうか。
件の緊急連絡用の道具は一件して硝子玉にしか見えないのもあってか、無事だった。
ついでに、私はアインスに渡す予定の手製の栞。それとクルクから貰った小さな裁縫セットを服のポケットに仕舞い、ツヴァイも前に渡した栞を硝子玉のような道具と一緒に懐に仕舞う。
ここまで戻ってきたのだから、この鞄は回収していくべきだろうか。
ツヴァイに相談し掛けた時だった。
「おい! 子供が居るぞ!」
「グランツヘクセの」
「誰か、早く来てくれ!!」
急に強い光が当てられて、目が眩む。
ツヴァイが慌てたように私の手を引き、走り出した。
一人ぼっちで途方に暮れる。
手汗で滑りやすくなっていたのも問題だったが、追いかけてきた大人達はツヴァイの方に集中したことの方が問題だ。
意図せず二手に分かれることになってしまい、ツヴァイは自分に追手が集中していると知ると何も言わずに私とは正反対の方に駆けて行ってしまった。
助けに行かなくては、と追おうとはしたのだ。
だが、既に限界が来ていた私は派手に転んだ。
じんじんと膝が痛み、顔を上げた時には辺りから人気がなくなっていた。
「どうしよう」
心底困った声が出て、痛む膝を無視して立ち上がろうとする。
ぼて、と再度転んで、今度は突いた掌に怪我をしたらしい。
じくじくとした痛みは擦り傷だろうか。
暗くて見えないが、見えると余計に痛む。
却って良かったのだろうが、今はそんな場合ではなく。
「どうしよう」
大事なことなので二度言った。
二度言ったところで何も変わらないのだけれど。
この世界に生まれ落ちてから、こうして純粋に一人きりになったのは親らしき人物に捨てられ、祖父に拾われるまでの短い時間だけ。
それ以降はいつも誰かに守られ、助けられてきたので、咄嗟の判断が出来なくなってきていた。
大人であったかつては何でも自分で出来たものだが、この幼い身体には出来ないことが多すぎる。
既に走る力は失われていて、へたり込んでしまっている状態だ。
こんな状態で何が出来るだろう。
回らない頭で、真夜中に幼児が往来で一人へたり込んでいるのは不自然だろうと判断し、這うようにして建物の陰に向かう。
その間中身体が痛んだ。
ほんの少しの距離なのに、永遠につかないように思えたのだが。
タイヤが滑るような音。
先程の比ではない光。
驚いて身体を縮めていた私は、結局目的地には辿りつけなかった。
「どうしたんだね?」
柔らかく甘い声が降ってくる。
恐る恐る顔を上げたら、見知らぬ男性が私を見下ろしていた。
「怪我をしているのかね? 可哀想に、さぞ痛むだろう」
手を差し伸べられるが、この男性は一体誰なのか。
コミュニティの人間ではないのは分かる。
銀色とも灰色ともつく髪と空色の瞳。
グランツヘクセの人間ではなさそうだし、乗り物で移動しているのだからオレオルシュテルンの人間だろう。
既視感を覚える外見だが、もしかしたら追手かもしれない。
少なくとも、オレオルシュテルンの人間に知り合いは居ないのだ。
私に手を差し伸べる男性の周りに、幾人かの大人が集まってくる。
囲まれる形になってしまい、もう逃げ場はなかった。
「ふむ、怯えているのだろうか? いけないね、誰か若い女性の方が良いかな?」
周りを見回した男性が呟くと、成人を迎えているか、いないかというような年頃の女性が男性の隣にやって来た。
「私では怯えさせてしまうようだ。保護してあげなさい、その子には『治療』が必要だ」
「はい、かしこまりました」
治療をしてくれるのなら、悪い人間ではないのだろうか。
男性と入れ替わりで女性が私の前に屈む。
「ここでどうしたの? お母さんとお父さんはどこかな?」
「・・・・・・・・・・・・」
実の両親は知らないし、親と呼べるのは母くらい。
祖父は父代わりであったし、その二人はどこにももういない。
答えずにいたら、女性は火の手が上がるコミュニティの方を指して
「もしかして、あっちから来たのかな?」
「・・・・・・・・・・・・」
素直に答えて良いのだろうか。
コミュニティの人達は隠れ住んでいたようだし、居候の私が下手な言動で迷惑をかけるわけにはいかない。
これにも答えずにいると、女性は緊張を解すような優しい笑みを浮かべた。
「お姉さんがお母さんとお父さんを探してあげる。だから、一緒に行こう?」
「いっしょ?」
「そう、一緒に行こう。お手手と足の痛い痛いも取ってあげる。お菓子とジュースもあるよ」
「おかし?」
「お菓子だけじゃなくておもちゃも、新しい服もあるから。ね? 行こう?」
お菓子にジュースに玩具に服。
まるで人攫いみたいだな。
蹲ったまま、差し出された手をじっと見つめる。
母も父も居ないから、探してもらう必要はない。
お菓子やジュースは要らないし、怪我も擦り傷程度。
この人達について行って大丈夫か、と考えたら手を取れないのだが
「よいしょ」
「!」
痺れを切らしたのか。
女性に抱き上げられて、思考と身体が固まる。
「よしよし、良い子だね」
暴れ出さなかったのは、身体が動かなかったからだ。
抵抗一つも出来ずに呆然とする私を抱いたまま、女性は離れた場所に居た男性の元へ歩み寄った。
「大人しい子です」
「そのようだね。もしかして、女の子かな?」
「確かめてみないことには」
「そうか。こんなに小さな子は久しぶりだな」
「そうですね。それにこの色」
「黒、か。思わぬ拾いモノをしたね」
「これも会長の日頃の行い故、ですね」
「おやおや、煽てても何も出ないよ?」
ははは、と楽しげに話す内容が不穏だ。
何だ、この人達危ないのではないだろうか。
もぞもぞと身動ぎすると、女性の細い腕が食い込む。
逃がさないという強い意志を感じて、ぞっとした。
「しかしまあ、紫の子供でなかったのは少し残念かな」
「紫、ですか?」
「ああ。息子が最近、あそこと連絡を取っていた記録を見つけてね。もしやと思ったんだが、違ったようだ」
紫の子供、あそこと連絡。
引っ掛かる単語に耳を傾ける。
「息子と同じスクールに通っていた子が居たらしいから、それだったのかな。期待をし過ぎるのは良くないね」
「ああ、アインス様の」
アインス。
ぴくっと反応すると、急に話が止んだ。
かと思うと、男性が私の顔を覗き込んで来て、ぎょっとする。
「アインスを知っているのかな?」
「・・・・・・・・・・・・」
「おじさんはね、アインスと連絡を取れるんだよ。アインスと会いたくないかい?」
「・・・・・・・・・・・・」
目を逸らすことも出来ない。
じっと見つめた空色にアインスの瞳の色を垣間見て、何かを思い出しそうになる。
あと少し、ほんのちょっとで。
そんなところですっきり思い出せないまま、私は答えた。
「わからない」
「分からない? アインスを知らないのかい?」
「うん」
「そうかそうか。ははは、やっぱりそう上手くはいかないものだね。色が濃くなったなら、もしかしてと思ったんだけど・・・・・・期待し過ぎるのは悪い癖だな」
さて、と仕切り直す男性に他の大人が集まってくる。
どうやら、私を連れて行くことに変わりはないらしい。
あれをしろこれをしろと指示を飛ばしてから、男性は乗り物に乗り込む前に私の頭を撫でた。
「また、後で会おう」
「・・・・・・・・・・・・」
「ふふふ、じゃあね」
機嫌が良さそうに去って行ってしまった。
女性は男性が去って行くなり、私を車のような乗り物に連れ込もうとする。
これはまずいかんじがする。
具体的に何がまずいという予想がついているわけではないが、勝手に幼子を連れて行こうとする人間はやばいだろう。
連れて行かれたら、何となくもう二度とツヴァイやアインスや皆と会えない気がする。
会えなかったら、大団円にならないのに。
そうでないと、二人共死んでしまうかもしれないのに。
乗り物のフレームに指を引っ掛けてみたが、即座に指を掴まれる。
大人しくしていなさいと、女性を始めとする大人達に凄まれたが、こうなると抵抗する以外の選択肢は有り得ない。
「たすけて」
普段、あまり声を出していなかったせいか。
自分が望む程の声量は出ない。
それでも、ここで諦めるわけにはいかない。
「たすけてっ」
大人達が鬱陶しそうに私を睨み付けている。
無駄と理解しながら、じたばたと手足を出鱈目に動かした。
「たすけてっ!」
声が夜闇に木霊する。
静かにしろと口を塞がれ、暴れるのも構わずに乗り物の中に連れ込まれた。
扉が閉まると、すぐに乗り物が動き出す。
まずいまずいまずい。
ばんばんと扉を叩くが、それで開けば苦労はしない。
「静かにしていなさい。良い子にしていないと、後で痛い目を見るわよ」
先程の優しい笑顔はどこにいったのか。
白けた目をした女性を振り返り、唇を引き結ぶ。
ばんばん、ばんばん。
何度も扉を叩いていると、いい加減にしろと苛立った声が背中に掛かる。
ばんばん、ばんばん、ばんばん。
扉は開かない、扉は開かなかったが少しだけ硝子のような半透明の部分が開いて、外の空気が入ってきた。
「たすけてっ!!!!」
多分、この人生で一番大きな声が出た。
私にとっては良いことだが、女性達にとっては良くないことだっただろう。
硝子のような部分はすぐに閉められ、私自身はシートの上に引き倒される。
「黙っていてやったら調子に乗って・・・・・・! このっ!!」
振り上がった腕に、殴られる! と固く瞼を閉じた。
が、いくら待っても痛みは来ない。
どうしたのかと瞼を薄く開くと、女性は目と口を大きく開いていた。
その視線の先を見れば、外。
流れていた景色は止まっているというか、炎に包まれていた。
「なっ! なに、これ!?」
私もそう思う。
なんだこれは。
幻覚か何かかと思いたかったが、乗り物の中は異常な熱に包まれ始めていた。
「出てこい! 仲間を返してもらおうか!!」
怒気を孕んだ若い声が響き、僅かに炎が引く。
せいぜい、扉を開けられる程度だろう。
女性達は逡巡していたが、また炎の勢いが強くなると扉が勢いよく開かれる。
「ナーデル! 居るなら返事を!!」
炎の向こうからの呼び掛けに、身を乗り出す。
「だれ・・・・・・?」
「ナーデル! ナーデル、無事なのか!? 返事を!!」
炎越しで私の声は殆ど届いていないらしい。
気付いて、気合を入れて声を出す。
「ぶ! じ!!」
目一杯の大声で応えると、炎の中に細い道が出来る。
我先にと大人達がそこへ向かおうとすると道が消えた。
「ナーデルが此方に来るまでは、誰一人通さない! ナーデル、此方に来い!!」
舌打ちが幾つも聞こえた。
再度、炎の中に道が出来ると誰かは分からないが背中を小突かれる。
これ、熱くない? 燃えない?
心配になるが、私を助けてくれようとしているらしいので、問題はないと信じたい。
炎の中に出来た道に一歩踏み出すと、足元がずるりと滑る。
え? と思う間もない。
オートウォークの凄まじく速いもの、というべきか。
歩いてもいないのに一気に炎からぽーんと飛び出る。
「わっ」
空中に放り出され、ぐるりと視界が一回転したが、地面に落ちることはなかった。
「まったくぅ、弟妹揃って余計な手間掛けさせないでよねぇ」
「く」
「キルシェ。なんかぁ、あちこち傷出来てるけどぉ、なにこれぇ?」
「あ、の」
「なにぃ? 誘拐犯に殴られでもしたのぉ?」
「ち、ちがう。あと、さっきの、キルシェ?」
「さっきのぉ? あぁ、これぇ?」
私を抱き止めたクルクは、燃え上がる炎を前に肩を竦める。
「これが魔法ってやつさぁ。シュテルンの連中はもうちょっと魔法使いを怒らせる意味を知らなきゃなんだけどぉ」
辺りに少しずつ人の気配が近付いて来る。
乗り物一台の周りを取り囲む炎は、遠目でも目立つだろう。
私を抱いたまま、クルクは炎に向かい
「同胞を傷付けられた我らの怒りを知れ!!!」
彼が吠えると炎の勢いが激しくなる。
これでは中の人間は焼け死んでしまう。
「く、き。キルシェ、だめっ」
「はぁ? 駄目ぇ? 何がぁ?」
「しんじゃう!」
「はぁあぁ?? あいつらぁ、お前のこと攫おうとしたの分かってないのぉ?」
「でもっ」
「あぁ、もぉ。ほんとぉ、面倒臭い奴ぅ」
心底面倒臭そうなのに、宥めるように背中を叩く手は優しい。
みるみると勢いが失せていく炎にほっとして、クルクの肩に顔を埋める。
くすぐったそうな身動ぎをされたが、引き剥がされることはなかった。
「あのさぁ、今度からは迷子になったら動かないでいてよぉ?」
「うん」
「分かってるのかなぁ、ほんとにもぉ」
「うん。ありがと」
「なにがぁ?」
「たすけてくれて、むかえにきてくれた」
「仕方ないでしょぉ・・・・・・仲間なんだからさぁ」
「うん」
「・・・・・・・・・・・・帰ろっかぁ」
「うん」
自分で歩けと下ろされることもなく。
クルクに抱き上げられたまま、乗り物の方を見る。
炎は収まったが、大丈夫だったのだろうかと思ったのだが
「ん?」
気付いたクルクが振り返る。
私とクルクの視線の先には、水の塊にぷかぷかと漂う人や乗り物の残骸があり
「あぁ、もぉ・・・・・・やってくれたなぁ」
クルクは疲れたように息を吐いた。
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