第89話 『現状説明』
俺が譲り受けた?『ラナの遺産』については解らない事だらけ
どういう仕組みでラナの遺産を管理していたのかさえ未だに解らない。
あの狼の姿をした『白の管理者』と『黒の管理者』が本来の管理者なのだろうか?
それともステアが『ラナの遺産』と『ラナの遺産を譲り受けた者』ぼ間をを取り持っていたのか?
今のステアは『ラナの遺産』についての記憶を消失している。
でも何故だか、ふとした瞬間に『ラナの遺産』の力と記憶を引き出してくる。
ステアが『壊れた』と言った言葉も気になる。
そしてティナが倒れて俺がその倒れたティナの体を抱き締めていた64年4ヶ月と2日の間で解った事がある。
それはエリーゼの秘密とも結びつく。
エリーゼはステアに最初呼び出された時名前すら無かった指示を実行するタダの人形だった。
タダ・・
俺達がそのメイドさんが何かしてくれた時に
「ありがとう」
とか
「また頼むな」
なんて何気ない言葉を掛けていたら、次第に話をしてくれるようになって
「これからは私の事はエリーゼとお呼び下さいませ」
と言ってくれた辺りから、段々と打ち解けていった感じだ。
そして
今さっき言った
「私はライアン様の妻では無いのですか?」
とか言った冗談まで言えるようになった?
冗談?
冗談なんだろうか?
まさか・・本気なのか?
「冗談でございますよ?ライアン様?」
と行った時のエリーゼの表情は少し寂しそう・・だった気が・・
自己紹介が終わり、俺は元国王でティナの父親でもあるゲインに現状を伝える事にした。
①この『ラナの世界』の中では時間の概念が無い事
国王達が処刑されたのは64年と4ヶ月と2日前
だが此処を出た瞬間国王達が処刑され、ティナと集まった何千人という住民と共に俺達が殺される所だった。
此処を出ればその瞬間に戻る事
②一昨日ティナの国がどうなっているか見に行ってみようという事になり、ダークウィーズの森を抜ける辺りで盗賊に襲われている商隊を助けた時に一緒にルクトニア王国から逃げてきた女性を助けた時、翌日国王達の処刑がされる事を知った。
③処刑がされる朝、国王達を助けようと広場に集まった市民に紛れ込んでいたが、それはザクトル将軍の罠で先にシャルロッティーナが隠れているのを見つけられた瞬間、シャルロッティーナの心を折る為に前触れもなく国王家族を先に処刑した直後シャルロッティーナも集まった市民ごと葬ろうと矢を一斉に放った
④その為、時間を止め王城の20万の兵士とザクトル将軍ごと王城を『ラナの遺産』の力で破壊し『ラナの地』をその跡地に顕現させた。
⑤ザクトル将軍の反乱により掌握されたルクトニア王国から多数の難民が他国に向け流出したと思われる。
この為、ザクトル将軍達により略奪等が行われた可能性がある為残った市民の救済が必要と思われる。
このザクトル将軍の反乱が短期間で成功しているのと、20万もの兵士がザクトル将軍の指示に従うのは不可解もしかしたらザクトル将軍が洗脳の魔道具を使用して王宮の人間を全員洗脳したのではないかと思われる。
⑥早急な現状把握
それに対する対策
新しいルクトニア王国の立ち上げ
市民の救済
ルクトニア王国はラナの国を顕現させた為、ラナの国の王ライアンの指示には従ってもらうが今後の国の運営は元国王のゲイン国王に任せたい。
という事を伝えた。
ティナの父親のゲイン元国王も
「そういえば6日前の朝突然にザクトル将軍が部下を連れ私の所に来たな、そして腕輪を光らせて何か呟いていたが・・
『何効かなかったか』
と言った後連れていた衛兵に私達親子を捉えさせたのだ。
そういえばあの腕輪が洗脳の魔道具だったのかもしれんな
シャルロッティーナだけその場に居なかった為メイドが機転をきかせて馬車で逃げることが出来たのが唯一の救いだ。
シャルロッティーナがこうやって助けを呼んでくれなかったら、私達は生きてはいなかった改めてお礼をいわせてもらおうライアン殿」
つづく・・・
『古代遺産を受け継ぎし者』 シャーロット @airi_01
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