第83話 『ステアの言葉の中に散りばめられた導きの言葉』

この世界は初代が全て作り上げた物

この世界を作り上げた人物は少しづつこの世界を広げていったとステアは言った。

その気持ちが、魔獣を狩ってこの地に吸収させる事で『ラナの遺産』を徐々に解除してゆけるようにという枷に残っているのかもしれない。


最初は何も無い小さな空間だった・・か・・

『まるで俺が一番最初に気がついた部屋のようだな』


でも、既に部屋は有ったよな!!


・・・


『ラナの遺産』


結局は此処を作った初代の力を代々『ラナの遺産』を受け継いだ人間は使うしか出来なかったって事なんだろう。

ステアが見せたあの力・・・

確かにあれが有れば、向こうの世界を力でねじ伏せる事だって出来る!!

ステアは今さっきの力はどうやって使ったんだ?


「ステア今さっきの砂漠での出来事の事なんだけどさ?」

と俺はステアに控えめに聞いてみると・・

「ライアン砂漠で何か有りましたか?」

と不思議そうにステアが逆に俺に聞いて来る!!


俺はその言葉に


「え?」


っと思わず声を上げてしまう。

だって砂漠で今しがた起こった事だぞ!!


あの上空1000メートルの上空に浮かんだ半球の上に浮かんだお城だって・・・


「え?」


無い!!

いつの間にか消えている!!

それに!!

砂漠に広がっていたお城や家々が破壊尽くされた瓦礫の焼け野原も・・無い・・

有るのは依然と同じ砂漠の風景


ステアが言った

『ライアン今から見せる事は全部忘れてくださいね。今のライアンにはまだ早い物です』

という言葉は・・・

そういう意味だったのか・・


ステアは俺にアマアマだな!!

今のステアに今さっき起こした奇跡の記憶は無い・・だろうな。


そんなステアに俺は

「ステア何時もありがとうな」


と言って、俺の左腕を抱き締めて俺を見つめてきているステアの唇に


『ちゅっ』


っとキス

その瞬間

「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃんにゃんでしゅか~~!!」

と挙動不審に驚くステア


「ステア愛してるぞ」

と挙動不審に陥っているステアに追い打ちをかけると

「わ・・わたしゅもだいしゅきでしゅ~」

と満面の笑顔で第着いてくるステア。


このままじゃナサリーが暴れだすので

「ナサリーもいちも傍に居てくれてありがとうな。お前もだいすきだぞ」


と言って


『ちゅっ』


っとキス

ナサリーも突然の出来事に

「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ~~~~」

と顔を真っ赤に染めて俺の腕に顔を埋めてしまい・・

そのままのかっこうのまま

「私もだいしゅき~」

と挙動不審・・・


此処の所、俺がティナの事で塞ぎ込んでいて心配をかけたせめてもの償い・・そしていつも傍で見守ってくれているステアへのお礼

ナサリーも・・

同じようにしてやらないと拗ねるからな・・・


まあ2人共幸せそうだから良いか!!

俺が暗い表情をしてたから心配してくれてたのは解ってた。

少しは楽になってくれれば良いのだが・・・


『ステアありがとう。お前が言ってくれた言葉の中に散りばめられた導きの言葉』


思いの強さ・・・

折れない心・・

諦めない事・・


そして

『この世界はその移住してきた研究者の思いの強さ・・・いえその方の思いだけで出来ているという事実こそが力なのですよライアン解りますか?』


とステアは言ってくれた!!

そして・・

その方法も!!


ステアは確かに言った!!


そう!!

ステアは言ったんだ!!


『移住してきた男が最初作ったのはこの『ステラナ』の地があるごく小さな空間だけ

そしてその小さな空間に小さな粗末な家を作り

その家は少しづつ

この家には大きな窓を

一つしか無かった部屋をもう一つ

そして一階建てだった家は二階建てに

二階建の家はお屋敷に

お屋敷だった家はお城へと作り替えられて行きました。』


と!!


初代が空間の中に作ったという

『小さな粗末な家』


俺にも出来るだろうか?


あの砂漠に!!

小さな家を!!


作る!!


・・・


・・・


・・・

無理か・・・

何も・・

起こらない!!


魔法で光の矢を作る時はちゃんと出来たのに!!

あ・・

でも・・

あの時も・・

最初光の矢のイメージが出来るまでは光の矢の魔法は使えなかった!!


じゃ~

簡単な中が空っぽの四角い形だったら出来るんじゃ?

・・

そうして俺は一辺が5メートル四方の真四角な形をイメージ!!

そして壁の材質はつるつるの石壁に・・


少しづつ・・形をイメージ


・・・


・・・



つづく・・・

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