第71話 『取引』
俺は・・
ステア、ティナ、ナサリーに抱き着かれて絶賛困った状態になっている。
見た目天使だもんな~
ヤバイよな~
俺を待っている間にステアやティナやナサリー、ドーズワーズ商会の人達に変な事吹き込んで無いよな?
何か視線ヤバイんだけど!!
取り敢えず彼女達の事をドーズワーズ商会のステインダートさんに説明しとかなきゃいけないだろう!!
そう思い俺が何か言うのを待っているような表情のステインダートさんの所まで歩いて行って
「ステインダートさんお待たせしました。彼女達はあの盗賊達に捕まっていた人達です。ここから1~2キロ奥の森の中に丸太で作った50メートル四方の砦が有りました。盗賊の残党が守っていたので殲滅して中に入ったら檻に囚われていた彼女達を見つけたので、食事を取らせてから帰ってきました。男性や子供や老人は残念ですが惨殺されていたのでその場所に葬ってきました」
と話すとびっくりしたように
「そうだったのですか、大変でしたな。所でライアン様はラナの地をお引き継ぎなされたそうですな。ラナの地の国王様になられたとか。
ステア様、ティナ様、ナサリー様が天使様になられたのもそのお陰とか、色々な魔道具もご自分でお作りするとお聞き致しました。是非我がドーズワーズ商会ともお取引お願い出来ないでしょうか?」
と真剣にお願いしてくるステインダートさん。
『ラナの地の国王様?』
そこ話しちゃったの?
『3人が天使になれたのはそのお陰?』
うん俺が飛行魔道具を作ったからね・・
俺の私的願望が入った結果天使の姿になっちゃった訳だから・・間違いじゃない。
『色々な魔道具も俺が作っちゃう?』
うん確かに色んな物最近作っちゃってるよね・・・
あちゃ~
どう答えたら良いんだ~??
3人は期待に満ちた表情してるし・・・
「そ・・・そうですね。今後色々とお取引させて頂けると嬉しいです」
と作り笑顔をして取り敢えず返しておく。
そんな俺の言葉に気をよくしたのかステインダートさんは
「実は一つお願いしたい事がありまして宜しいでしょうか?」
と少し戸惑ったふうに俺に聞いてくる。
「何でしょうか?俺の出来る範囲であればご協力致しますが?」
と返すと気をよくしたのか
「実は私達を救って頂いた時、お使いになられた薬を2本私に分けて頂きたいのです。私が薬代をお払いしますと言った時、ライアン様は『私が作った物なので薬代はタダ同然ですので貰わなくて大丈夫ですよ』とおっしゃいました。相応のお代金はお支払い致しますので何卒お願い出来ないでしょうか?」
と聞いてきたのだ!!
『私が作った物なので薬代はタダ同然ですので貰わなくて大丈夫ですよ』
確かに俺そう言ったよな・・
あ~あれは『ステラナ』で勝手に出来た果物をジュースにして飲みやすくしただけだもんな・・・
マズったぜ!!
しっかりと覚えられていたんだ。
しかしな・・
あれはこの世界には無い物だからな!!
あんな物が簡単に作れるなんて知れ渡ったら大変な事になる・・
問題は何に使うかだよな!!
「ステインダートさんあれをどうするつもりなのですか?」
と聞いてみると
「連れの者に聞きましたら、刀で胸を一刀両断に斬られ殆ど死んでいた私の体が切られた傷がくっついて、あっという間に生き返ったとお聞きしました。そのままの薬でこの世界に出すと逆にこの世界では驚異となるでしょう。
ですので、その薬を1000倍に薄めて販売したらと考えたのです。
私の予想では1000倍に薄めたとしても、この世界のどの薬よりも効くと思うのです。
それにライアン様?盗賊に囚われていた女性達もどうにかしたいのでしょ?
あの薬2本で金貨5000枚お出し致します。
それだけあれば、あの女性達も暫くは凌げるのでは?」
と提案してくるステインダートさん。
流石、転んでもタダでは起きない商人魂か。
あのままの状態で出されると、悪用されると驚異だな。サンダーウルフの肉を売ればお金は稼げなくもないが・・
ステア、ティナ、ナサリーもこれからの事を考えて俺が『ラナの地』の事を伝えたんだろう。
天使の姿の事は?
もしかして・・・この世界で合法的にあの姿せ居る為の布石?
『あの3人俺をどうしたいんだ?』
今回は2本位だったら影響は少ないだろう。
ドーズワーズ商会のステインダートさんがもしあの薬を悪用するようならば、次は無いって事でいいだろう!!
そう思い
「そうですね。彼女達の事もありますし、ステインダートさんの提案に乗らせていただきます」
と言ってアンプル瓶2本をステインダートさんに渡す。
するとステインダートさんは馬車まで走って行って早速金貨の袋5袋を連れの者に抱えさせて持ってきてくれ俺の前に置いてくれる。
金貨が入っているであろう袋1袋が金貨1,000枚なのだろうが・・
こうみると凄い量だな。
俺はその金貨の袋を即行で異空間収納に収納する。
俺はステインダートさんと話し込んでいたようでしっかりと3人の事を忘れていた。
3人は?と思いステア、ティナ、ナサリーの方を見ると・・・
30人の女の子に囲まれて
「天使様~」
「天使様~」
・・・
と崇め奉られていた・・・
『あ~~これどうすんだ?お前達天使のままでいるつもりなのか?』
一刻も早くティナの故郷を確認しに行きたい所なんだが・・
彼女達をこのままにもしておけない
兎に角、オレキスの街に一旦行ってもらおう!!
俺達がティナの故郷ルクトニアに行っている間、ギルドで預かってもらう事は出来るだろう・・ギルドで頼んでみるか・・
つづく・・・
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