第70話 『強く命令したほうが良いのかな?』

食事をしている女性達を見るに・・


『若い女性達ばかり』


子供とか年をとった女性は居ない!!

そう考えるに

『奴隷として売る為にだけ残していたんだろう』


多分闇の販売ルートとか有るんだろうけど・・

盗賊団を全員殺しちまった今となっては調べる方法が無い。

『助かっただけ良しとしよう!!』


食事が全員済んだみたいで俺を見ているよう・・

俺は安心させる為に

「俺はすぐ傍の街道で盗賊団に襲われ、その盗賊団を殲滅した。襲われた商隊がすぐ傍の街道にいるから一緒にきてくれ」

と声を掛けてから俺は砦の外に出る。


50メートル四方高さ2メートルの丸太で囲まれた空間

よくこんあデカい物作ったもんだ!!

それに消音の魔道具で音を消しているっぽいな・・

『言ってなんだが・・今気がついた』

これじゃいくら騒いでも聞こえないはずだ。


頭の悪い盗賊団でもここまでの事は考えるんだな。

捕らえられていた女性達がぞろぞろと砦の外に出てきて当たりを見回している。

50メートル四方の砦だもんな~デカいよな~

それに切り倒した木々でうまく偽装してるし!!


もしかして?目隠しとかされてここまで連れてこられたんじゃ?


この様子じゃそれが一番考えられるな・・


「私達これからどうなるのでしょうか?」


と一人の女性が悲痛な表情で俺に聞いてくる。

なんて答えてあげれば良い物か・・

「俺も仲間とオレキスに行く途中なので、これからオレキスの街まで行ってもらう。そこで話し合おう。家に帰りたい者が居たらその時言ってくれ責任を持ってちゃんと家に送り届けさせよう」


「行く所がが無いものはどうしたら良いのでしょうか?」

と再度その女性が聞いてくる。


『行く所が無い・・か~どうするか?』


「聞いてみないとどうなるか解らないが、俺の兄がエレノアの街を治めているからなんとかしてくれるだろう心配するな」


と言うと安心したみたいだ。

『はぁ~母上と兄上には出来れば会いたく無いんだが・・しょうがないかな』


俺は30人の女性達を後ろに付け街道まで先導して・・

そうはうまくいかなかったみたいだ。

サンダーウルフの大群に周りを囲まれていたようだ・・


周りを囲んだサンダーウルフの数200?位か・・・

サンダーウルフにとっても柔らかい人間の若い女性の肉は魅力的ってか?


「キャーーーー」

「キャーーーー」

「キャーーーー」

「キャーーーー」

「キャーーーー」

「キャーーーー」

「キャーーーー」

「キャーーーー」

「キャーーーー」

「キャーーーー」

「キャーーーー」

「キャーーーー」

・・・

・・・

サンダーウルフの大群に囲まれているのに気がついた女性達一斉に悲鳴を上げた。

その声を合図に一気にサンダーウルフが俺達の一段に雪崩込んでくる。


『こんな所でお前達に彼女らを食べさせる訳にはいかないんだよ!!』

俺は一瞬で自動追尾の光の矢を300本発現させて一気に放つ。

「キャイン」

「キャイン」

「キャイン」

「キャイン」

「キャイン」

「キャイン」

「キャイン」

「キャイン」

「キャイン」

「キャイン」

・・・

・・・

次ぎ次ぎに光の矢に体を穿かれたサンダーウルフは地面にバタバタト倒れてゆく。

『3日前なら考えられなかった力』


今はこの力に感謝しよう!!

残った矢が俺の周りに集まり俺の周りを回り始める。

『念の為に多めに発現させたがもしもの時の保険だ』

そう感謝し俺の周りを回っている光の矢から魔力を吸収


俺の周りを回っていた光の矢は光の粒となって消えてゆく。

みんな俺を見てるよ!!

やっぱ・・変?・・かな?

何か人間じゃ無い物を見るような視線を感じるんだが・・


俺は気がつかなかった振りをして、仕留めたサンダーウルフの死体を異空間収納に回収してゆくと・・


またまた驚いているみたいだ・・・

説明難しいよな~

無視しよう!!


「さ~サンダーウルフは片付いたから街道まで出るぞ!!皆ついて来い!!」

と言うと

「はい」

「はい」

「はい」

「はい」

「はい」

「はい」

「はい」

「はい」

「はい」

「はい」

「はい」

「はい」

・・・

・・・

と元気な声が帰ってくる。

『強く命令したほうが良いのかな?』

なんて鬼畜な事を考えてしまってた俺


街道まで出ると

早速

ステア

ティナ

ナサリー

が俺に抱きついてきて・・・

後ろに居る女性達を見て

「やっぱり、ライアンは一人にしたらダメですね」

「ですね!!みんな恋に落ちてますね」

「ライアンこれ以上嫁を増やしちゃダメです~~~~」

と3人の言われようのない疑いをかけられた俺。


『これって助けた俺が悪いの?』

『やっぱり助けたらダメだった?』


そんな風に一人パニクってると

女性達が一斉に


「天使様~」

「天使様~」

「天使様~」

「天使様~」

「天使様~」

「天使様~」

「天使様~」

「天使様~」

「天使様~」

「天使様~」

「天使様~」

・・・

・・・


『そう来ましたか・・』

この飛行魔道具・・・そう見えるよな・・・



俺のほんの遊び心で作った飛行魔道具だなんてぜってぇ~~~言えねえぇ~~



つづく・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る