第63話 『シールド操作は難しい』

森で山菜やキノコを採った後森を抜けて噴水の所まで帰ってきた俺達は、早速シールド展開の練習をする為に、噴水から右側に抜けた木々が点々と生えた庭園へとやってきていた。


『シールド』


魔力で作った不可視の盾のような物

そしてシールドを張るにもいろいろな形が有る


前方へ盾のように張るシールド

後方だけ

そして全身を覆うように張る全身シールド

その中で今回皆に覚えてもらいたいのは

『全身シールド』


俺も何となく使っているだけで、正確にはどんな物なのかも考えたこともなかった。

ステア、ティナ、ナサリーに聞かれて初めて教える段階になって『シールド』ってどんなものだっけ?

と俺自身が悩んでしまったのだ。


実際言葉にしようとするとうまく言葉にできない感じ。

火球の時は簡単に出来たのに!!


あ・・


あの時も俺が最初ステアやティナやナサリーの魔力を俺の魔力で制御して覚えてもらったっけ?

そう思い一人一人個別に教える事にした。


最初にステア


まず・・

向かい合って・・

ステアの視線と俺の視線が合った瞬間

俺達2人は2人同時に顔を真っ赤に染めてしまった。

ティナから

「2人共何意識してるんですか~エッチな事考えてたんでしょ?ダメです~」

と速攻キツーイチェックが入る

「何2人で思い出してえっちな気分になってるんですか!!もっと真剣にしてください」

ナサリーからも同じように厳しいチェックと指摘


えっちな事を考えていた訳じゃ無いんだが・・・

ただゲートを作る時・・色々と有ったから

それを思い出しただけ・・


ううう~ダメだ!ダメだ!ステアのくちびる思い出してしまう~~


集中!!


集中だ!!


「ステア、これからステアの体の中の魔力を操作してシールドを展開させるからそれを感じて」

そう言って

俺は一気にステアの両手を取って、ステアの体の中の魔力を制御

ステアの体の中の魔力を使ってシールドを展開させる。


そして出来上がったシールドにステアの手を持って行って確認させる。


「コンコン」


ステアはゲンコで不可視のシールドを叩いて

「全然見えないですけど、手で触ると硬い何かが有るのが解ります」

と不思議そうに俺を見ながら言ってくる。

タダ・・

一人でやると出牛ても出来ない!!

なので!!

「炎の壁がそこに出来ると考えてみたら?」

と提案してみたら・・・



「きゃ~~~」

一瞬でステアの周りが炎に包まれ、ステアはパニック

俺は慌ててステアの魔力を飛散させる

もう少しでステアの丸焼きが出来上がる所だった・・


『焦ったぜ俺~~!!』


ティナもナサリーも同じように教えたけれど・・

やはり不可視のシールド展開は難しいようで出来なかったが、炎をイメージするとやはりシールド化は2人共出来たのだ!!

だが・・

2人共丸焼き寸前になって慌てて俺が魔力消去で炎のシールドを消して事なきを得た。


『3人共どんだけ戦闘に特化してんだよ!!』


と思わず愚痴を言いたくなってしまった俺。

でもステアもティナもナサリーもスキンシップ出来た為かシールド操作の練習は凄く満足しているみたいだった。


1日でどうにか出来る物じゃ無いって解ってはいる!!

『なんとかシールドを自由に操作できるようにさせなきゃ!!』

『今のままじゃ守れない!!』

そんな風にどうしても心が焦ってしまうのはどうしようもない事なのだろう。


つづく・・・

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