第61話 『今日は3人を守る事が出来た』

40キロにも及ぶナルサス王国の2000万人が住む首都『ランドリア』広大な街並が凄いスピードで遠ざかってゆく。


タダ・・俺の横では

「助けてくれー~!!死ぬ!死ぬ!死ぬ~~~~!!」

と大声で喚いている男が煩い

若干股間が濡れてるっぽい?かも?


今俺とナルクが前に並んで

そして俺達の後ろを一列遅れて

天使の姿をしたステア、ティナ、ナサリーの一団が飛ぶ

ナルクにティナやステア、ナサリーの後ろは絶対に飛ばせないぞ!!

『後ろからパンツ丸見えだからな!!』


時速およそ1000キロで飛行中

もうゼルド公爵領の森林地帯が見えてきた。


ここはゼルド公爵がデニス国王から賜った騎龍に襲われた森

ゼルド公爵が裏切ってナリア帝国側についたのはまず間違いないだろう!!

まさか、再度襲われる事は無いとは思うが・・・


森の木々の間に何か見覚えの有る物が!!


長さ5メートル近く?

ここからじゃよく見えない。

だが大きな生き物が動いたのは確かだ!!


「皆止まってくれ」

と言いながら、手で合図


4人で空中に停止し

「キメラの姿が森の中に見えた気がしたんだ。森に降りてみようと思う着いて来てくれ」

と言って森に向かって徐々に降下を開始

ティナは

「何も居ないようですが?ライアン本当にキメラが居たの?」

と懐疑的?

ステアは・・

「何かも気配は・・・有るようですが・・」

とちょっと曖昧

ナサリーは

「全然いないじゃないですか~」

と全く居ないとブーイング気味


ナルクは

「儂には全然気配は感じられないぞ!!本当に見たのかライアン?」

と俺が見間違えたんじゃないのかと不機嫌に俺を見る。


「森が余りにも静かすぎないか?」

と俺は思った事を口にする。


「言われればそうですね」

「言われれば・・」

「静かですね」

「うん静かすぎるちょうだな。鳥の鳴き声一つせんな」


そんな感じで、俺達は森の上空50メートル位まで降りて来た時だった。


「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

・・・

数千の火球が森の中から俺達を狙って這い上がってくる。

そしてその数千の火球は一瞬で俺達を飲み込み


「ドオドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドーーーーーーーー


ーーーーーン」


と地響きを上げて爆発一体の大気を振るわえた。


「うをぉ~~~~~~~~~~~~~~~死ぬ~~~!!」

ナルクが大声を上げる。

「死んでないだろ。少し静かにしてくれ」

「これが静かにできるか~~」

とにかく今はこいつは無しだ!!


しっかし、一気に砲撃された為にシールドが不安定になってしまった。

シールド張り直しだ!!

俺はその上にシールドを追加で張る。

そして

「俺はシールド保持で手一杯なんだ。ティナ、ステア、ナサリーお前達も火球で応戦


してくれ」

と大声で指示

そう一回の攻撃でシールドは半壊したんだ!!

俺は戦闘には参戦しないほうが良い・・そう判断したのだ。

『今のティナ、ステア、ナサリーは攻撃は出来ても守る術がない!!』


再度森の中から

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

「ドーン」

・・・

数千の火球が森の中から俺達を狙って這い上がってくる。

そしてその数千の火球は一瞬で俺達を飲み込み


「ドオドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドーーーーーーーー


ーーーーーン」


と地響きを上げて爆発一体の大気を振るわせてゆく。

「うをぉ~~~~~~~~~~~~~~~死ぬ~~~!!」

相変わらずナルクは煩い奴だ!!

おまけにチビってるし・・・

チビリナルクか・・我ながら良いネーミングだ

『いかんいかん!!シールド最優先!!』

俺は再度シールド構築


何度も何度も俺達を狙って森の中から数千の火球が襲ってくる

その度にその数千の火球は一瞬で俺達を飲み込み


「ドオドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドーーーーーーーー


ーーーーーン」


と地響きを上げて爆発一体の大気を振るわせてゆく。

そしてその度に

「うをぉ~~~~~~~~~~~~~~~死ぬ~~~!!」

っとチビリナルクの股間は濡れて雫が滴り落ちてゆく。


そして俺達の上空ではティナ、ステア、ナサリーによる火球が段々と大きさを増して


巨大な火球へと成長


そしてその巨大火球は一気に森に落ち

「ドオドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドーーーー


ーーーーーーーーーン」


っと巨大な火柱を上げ森を一気に飲み込んでゆく。


そしてその後急激な爆風が一体を


「グオォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーー」


っと飲み込み暴風が吹き荒れる。

「厄災だなこれは・・・」

俺がそういうのも無理はない!!

ティナ、ステア、ナサリーの共同作業により20数回にも及ぶ攻撃を凌ぎきり、打ち


出された巨大火球は50キロにも及ぶ大森林地帯の大半の木々をなぎ倒し直径20キロの


クレーターを作り出していた。


「良い農地ができましたね~」

とナサリーが一人ガッツポーズをしていたのは見なかったことにしよぉ~


「兎に角、誰かに見られる前に此処から一気に離脱しよう」

俺はそう声をかけて、即行一気に上昇時速2000で一気にエレノアの西門前まで空を駆


け抜ける。


エレノアの西門の手前の草原に降り立ちステア達の飛行魔道具を解除

そのまま街道を通ってエレノアの街に入る。

まさか、天使の姿をしたステア達を街の人間に見せる訳にはいかないからな!!


この世界では、空を飛ぶ事はグリフォンやワイバーン、そして飛龍、騎龍などの空を


飛ぶ生き物を調教して空の輸送に対応している。


空を飛べる人間などこの世界には存在しないのだ。

そしてエレノアギルド支部の建物に着くなり、ナルクギルド長はトイレに着替えを持


って駆け込んでいった。


まあ~チビリナルクだもんな。

『もうナルクって名前じゃなくてチビッター君と名前も変えたらどうなんだって言っ


てやりたいぜ』

お股に盛大なシミを作ってるのは見られたく無かったんだろう。


今俺達が居るのはエレノアギルド支部の屋上騎龍発着場の隅

ナルクの許可のもとそこに『ステラナ』へのゲートを設置している。


ゲートを設置した後、ゼルド公爵家の森林地帯でキメラから数千の火球攻撃を受けた


事をデニス国王に報告。

ナリア帝国のエレノア進行でエドワード公爵家の領地を略奪後と同時にオレキス公爵


家の領地にティナの奪われたルクトニア王国軍が進行してナリア帝国軍と合流、ゼル


ド公爵家の森林地帯で残りのキメラ軍団に集結一気にナルサス王国の人口2000万人の


首都ランドリアを攻め落としナルサス王国を乗っ取るつもりだったのではないかとの


予想を伝える。


デニス国王も


「そう・・だったんだろうな」

と意気消沈した様子で受け答えをしていたようだ。


俺達はエレノアヒルド支部の屋上のゲートから『ステラナ』の地に帰還


キメラが居るかもしれないと、今日は念のためにシールドを張っていたから良かった・・

3人は、攻撃は出来てもシールドを張って防御が出来ない。

外界から遮断された時間の経過しないこの地を使ってステア、ティナ、ナサリーがシールドくらい張れるようになってもらわないと!!

何時も俺が3人を守れる訳じゃない・・

大切な人達を無くさない為に、一刻も早く自分で自分を守れるようにしなければ!!


『今日は3人を守る事が出来た』


そう安堵し俺はそう決意するのだった。


つづく・・・

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