第58話 『俺は男の裸には興味が無いんだ~~!!』

王城最上階の奥の部屋に居る

デニス国王

ラナリア王妃

ジェームズ皇太子

ソフィア皇太子妃

エンサー宰相

ナルク


の6人が『ステラナ』の地に行く事になった。

だが、ステアが少し脅したせいなのか、全員少し表情が強ばっているのは気のせいなのだろうか?

俺とっては・・

未だにあの場所は解らない空間って感じだから、イマイチ解らない。


トレイシー騎士団長だけは、このお城の警備上自分が此処を離れる訳にはいかないとこの部屋に残る事になり、ついてゆくエンサー宰相へ国王達の警護をお願いしていた。

国王が

「本当に向こうの世界は時間が止まった世界なのか?」

と聞いてきた為にトレイシー騎士団長に俺達が『ステラナ』の地へ転移する直前懐中時計にて時間を確認してもらう


現在時間は

トレイシー騎士団長の懐中時計の表示


『お昼12時55分』


を確認後、ゲートで『ステラナ』に転移


「カラ~~ン」


「カラ~~ン」


「カラ~~ン」


っと鐘の音が響く。

ステアが転移した時に誰かが転移した事が解らないのはマズイだろうと急遽ステアが提案

俺にはそんな情報が無いから、ステアが手を差し出してきて・・

情報交換

そ・・そう

情報交換だ!!

キ・・キスなんかじゃ無いんだぞ!!

あくまでも情報交換だからな!!


で!!

『ゲートを使ってこの場所にきた時に鐘を鳴らす』

って感じで作ったのがこれだ!!


ここのゲートは高さ1メートル50センチ四方の黒曜石の四角柱

そしてそこから2本の長さ3メートルの支柱が伸びて一番上に鐘が取り付けられていて、ゲートで此処に来ると鐘が鳴る仕組み


ここのゲートは基本俺達が色んな所に行ったり帰ったりする物

ただ、俺達の許可した人間ならばゲートの使用を許可しようと思う。

未来の為の仕組み


『ステラナ』の地のゲートをこの湖の傍の庭園にしたのも、最上階のテラスから此処が一望できるから。

来客があった場合まさか、俺達が常時いるテラスにゲートを設置する訳にはいかないからな。


「綺麗~」

「綺麗な所ですね~」


ラナリア王妃とソフィア皇太子妃の女性陣はゲート転移時早速第一印象を口にする。


「普通の場所だな」

「俺達の世界と同じだな」

「普通のお城ですな」

「おお~ライアン、お前本当にお城に住んでたんだな」



男性陣の

デニス国王

ジェームズ皇太子

エンサー宰相

ナルク

はナルク以外『ラナの遺産』として凄い物を期待していた感じだな。

あれ程、ステアがお城と解除された土地が少しだけだって言ったハズなのにな~やっぱり過去の言い伝えが気になっているんだろうな。


ナルクは単純にナサリーが言っていた、お城持ちって言葉に反応したみたいだ。


皆辺りを珍しそうに見回して興味津々って感じだな。

そんな人達に

「この地は普通のお城と小さな領地があるだけの普通の所ですよ」

と言って俺はテラスに全員で転移


「おおこれは凄い」

「これは絶景だな」

「素晴らしい眺めですわ」

「こんな綺麗な景色見た事もありません」

「これは絶景ですな」

「凄いなこの景色」


『だよね~ステアとティナとナサリーが気に入って全裸の天使の姿でこの景色の中を飛び回ってるなんて絶対に言えねえ~~!!』


これは座る所無いな・・

そう思い4人がけのテーブルを10人がけの円卓のテーブルへと変形させ残りの椅子が床から生えて10人が座れる場所が出来上がる。


俺達以外全員が呆気にとられて動けないでいる。

なので俺は

「皆さんお好きなお席にお座りください」

と声をかけて席に着くことを勧める


景色の見える方に

デニス国王

ラナリア王妃

ジェームズ皇太子

ソフィア皇太子妃

エンサー宰相

ナルク


そして反対側に


ステア

ティナ

ナサリー

が座り10人全員が席に着いた。


俺は異空間収納から紅茶を出そうと・・

するとステアに手で止められてしまう。

そして

「ライアン今日はメイドにやらせますから何もしなくて良いですよ」

と声をかけられた瞬間、デニス国王、ラナリア王妃、ジェームズ皇太子、ソフィア皇太子妃、エンサー宰相、ナルクが同時に口を大きく開けたまま


『固まった』


その様子を見て


「へっ?」


っと一瞬素っ頓狂な声を上げた俺だが、俺の後ろに気配を感じて後ろを振り返ると・・


『床からメイドが生えてくる』


そして、円卓のテーブルの各人が座ったテーブルの前の場所からティーカップとスプーン、お皿がごく自然に生えてくる。


床から生えてきたメイドは、各人のティーカップに紅茶を順次満たして紅茶を満たして終わるとテーブルの真ん中からバスケットに一杯入ったクッキーとスコーンが生えてきた。


俺はこんなの全く知らないぞ!!

『テーブルとか露天風呂が思っただけで作れるのは知っていたが・・メイドまで生まれてくるなんて・・・』


あ・・

俺がビックリしえちてどうする!!


『みんな固まっちゃってるじゃないかよ!!何とかしなきゃ!!』


「皆さん、紅茶とお菓子ですがどうぞお召し上がり下さい」


となんとか平静を装って笑顔で勧める俺


「そ・・そうだな」

とハンカチで額を押さえながら冷や汗を拭くデニス国王


『なんでそんなに恐怖に歪んだような表情をしてるんだデニス国王?』

イマイチ解らない・・・


他の人々も俺の声で我に帰ったようで、紅茶を手に取って心を落ち着けるようにゆっくりと飲み始める。

紅茶を飲み始めるとみんな落ち着いたようでゆっくりと風景を楽しみながらクッキーやスコーンを口に運ぶ。


デニス国王も落ち着いたようで

「此処は凄く景色は良いし落ち着けて良いな~」

と景色を眺めながら紅茶にくちをつける。


「この世界はこれが全てですよ」

と俺も答えておく。


すると

「あ・・あれはなんだ?もしかしてあれは風呂か?」

と早速露天風呂を見つけたよう


「そうです。あそこなら360度この地の景色を見ながら風呂に入る事が出来ます」

と言うと

デニス国王が早速

「儂も入って良いか?」

と聞いてきたので、風呂が好きなのかな?とは思いながら

「いつでもお湯は湧いておりますからご自由にお入りください」

と俺も止めなかったのだが・・


「ではラナリアお前も儂と一緒に入れ」

とラナリア王妃の手を取って早速露天風呂の階段を上がってゆき脱衣場で脱ぎ始めた2人。


『うをぉ~~ヤバイぞ!!全裸ここからでも見えるぞ!!俺は男の裸には興味が無いんだ~~!!』


あ・・


バラの花の垣根で見えなくしてしまえ!!


『これで向こうの風呂に入っている状況は見えないだろ!!』


・・・

「風呂に入りながら此処からみる景色は最高だな」

「そうですね~貴方。連れてきて貰って良かったですね」


・・・

『デニス国王とラナリア王妃も満足してくれたようで良かった』


・・・

「あら貴方こんな所で・・」

「良いではないか・・良いではないか・・こんな景色だから楽しまなきゃ損だぞ」


・・・


「あん~あん~あん~あ~~~~~~~~~ん」


「あん~あん~あん~あ~~~~~~~~~ん」


おい何始めたんだ~~!!デニク国王とラナリア王妃~~~!!


『皆の居る所でやめてくれ~~~!!』

と俺は円卓で座っている皆の方を見ると・・・


ジェームズ皇太子とソフィア皇太子妃は顔を見合わせて


『2人顔を真っ赤に染めて見つめ合っている』


それに2人手を繋いでるし・・・


エンサー宰相とナルクは呆れてため息をついてるな!!


ティナとステアとナサリーは・・・・


『おいおい!!キラキラした瞳で声のする方を何で覗き込んでるんだよ』


30分後


『デニス国王とラナリア王妃が艶々した肌で帰ってきた』


すると・・

ジェームズ皇太子とソフィア皇太子妃が早速立ち上がり露天風呂の階段を駆け上がり


「ドボ~~ン」


「ドボ~~ン」


っと早速露天風呂に飛び込んでいる。


「貴方ここは最高ですね~」


・・・


「そうだな~じゃ~此処で俺達も・・・」


・・・


「ああああああああ~~~~ん」


・・・・






『うをぉ~~~こっちも始めやがった~~此処はラブホじゃね~~んだぞ~~!!』



俺は虚しく心の中で叫ぶのであった。


つづく・・・

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