第57話 『もしもお約束を破られますと即座に・・・』
デニス国王が驚いて叫び声を上げた為に、最上階の別の部屋で食事をしていただろう人達がやってきたよう。
部屋のドアを
『ドンッ』
っと勢いよく開け放ち
「国王様~!!」
っと言って長剣を抜き構えながらトレイシー騎士団長が早速俺とデニス国王の間に入り俺に抜き去った長剣を向け
「くせ者~~お前は誰だ!!
と俺を鋭い眼光で睨んでくる。
トレイシー騎士団長のそんな怒鳴り声に驚いた面々が次々にランドリア城最上階奥の部屋になだれ込んできて一応に驚きの顔を隠しきれないよう。
しかし
ティとナサリーが
「ライアン」
「ライアン格好良い~」
と早速俺に走りより
ステアはいつの間にか俺の左腕をマウント
ティナは俺の右腕に早速抱きついて
一歩出遅れたナサリーはキョロッキョロッと左のステア、右のティナを交互に見つめて
『ウン』
っと大きく頷いいたと思ったらタタタタッと小走りに真っ直ぐに俺の前まできて真正面から抱き着いてきた。
俺が男の姿になった途端、ナサリーが危機感を覚えたのか大胆になってくれたのは良いけれど、此れじゃ~確実に綺麗な女だけを周りに侍らせたハーレム野郎にしか見えないぜ!!
実際
『俺を見つめる皆の視線が痛い』
それを意識すると
「はぁ~」
っと深いため息が自然と出てしまう俺。
そんな俺を見ても
「お・・お前は一体誰なんだ?」
とジェームズ皇太子は俺を指差して鋭い眼光で睨んできているが
「貴方、今さっきまで一緒に食事をされてたライアンさんですよ。そんな言い方失礼ですわよ」
と言ってジェームズ皇太子に寄り添うソフィア皇太子妃
流石出来た奥さんだ。
そして良く見ている!!
俺を見てそんなに赤くならないでくださいソフィア皇太子妃・・・
そんなウィンクまでしたらジェームズ皇太子に私殺されかねませんって!!
『もしかして、このランドール家って女性の方が出来る人間が多いのか?』
なんて一瞬思ってしまってた俺だったが
「くすっ」
「くすっ」
っと俺のそんな姿を見ていたラナリア王妃とソフィア皇太子妃に同時に笑われてしまっていた・・・
『おお~怖いぞ!!あの2人に俺の心読まれてる』
そんなラナリア王妃とソフィア皇太子妃2人の女性のお陰で、俺はステアと一緒に来た女の子のライアンだった事を何とか解って貰えた?ようだ。
まあ
デニス国王
ジュームズ皇太子
エンサー宰相
トレイシー騎士団長
其々の頭の上にはまだ?????????と疑問符が飛び回っているようで、最初きた女の子バージョンの俺と、今の俺が同一人物だと認識しきれていない感じがする。
タダ・・
俺がこの部屋に来て、此処のゲートを設置する数分の間しか時間が経って以内にも関わらず女の子から男の姿になった事が信じれないようで、国王から『ラナの遺産』の地では時間が止まっていると説明されるが、それでも全員が信じれていないよう。
『国王は俺とステアが此処で消えたのを目撃しているから無理やり自分自信に納得させようとしているみたいだが・・・』
ステアがそんな皆の様子を見てか
「皆様、信じれないようでしたら『ラナの遺産』の地に皆様をご招待致しましょうか?皆様が期待されているような凄い物は一切ございませんよ?有るのはお城と少しばかりの解除された領地だけですよ?」
と集まった者達に視線を移しながら聞いていた。
俺は
「ステア大丈夫なのか?入れるのは『血の盟約』を交わした者だけじゃ無かったのか?」
と思わず聞いてしまう。
だって俺の中の感覚はそう・・言っていた・・ハズ!!
「今回みたいに出入りを許可した者ならば可能ですよ?タダ全てが私達と同じという訳では無いですが」
「例えばどんな所が違うんだい?」
「あの世界では心を読まれますから、もしも私達に敵対しようとすればあの世界から即時に攻撃されてしまいます」
うをぉ~~ステアさらっと言っちゃったけど、結構それってエグいんじゃ?
『攻撃されない為の『血の盟約』?』
ステアの言葉にデニス国王が
「ラナの遺産を我に見せてくれるというのか?」
と早速食いついてくる。
「王族に延々と語り継がれている戒めの地が気になるのでございましょ?」
とステアが楽しそうな表情で可愛く小首を折ってデニス国王を試すような表情を向ける。
デニス国王は周りを見回して
「この中に世と一緒に『ラナの遺産』に行きたい物は居るか?」
と確認すると
「貴方私も参りますわ」
と早速ラナリア王妃
「父上私も参ります」
「では私も」
とジェームズ皇太子とソフィア皇太子が続けて名乗りを上げる。
だが流石というか
「私はこちらにもしもの事があった場合困りますゆえこちらに残りましょう」
とトレイシー騎士団長が敬礼をしながら即答
エンサー宰相は
「私は国王様がお聞きになっておられる古の言い伝えの場所をみとうございます。ご一緒させてもらってもよろしゅうございましょうか?」
と聞いてくる。
「では儂とラナリア、ジェームズ、ソフィア、エンサーをラナの遺産へ連れて行ってくれないか」
とデニス国王が纏めてお願いしてくる。
ステアはそれに答えて
「では一つだけ約束して頂きたいのですが、絶対に私達4人に対して敵対行動や、私達を殺そうとなさらないようにして下さい。もしもお約束を破られますと即座に『ラナの遺産』に食い殺されますのでご注意を」
と連れてゆく者達へ注意事項を言って深々と頭を下げた。
ステアのその言葉に一応に皆の顔が心なしか引きつっているように見える。
つづく・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます