第39話 『ナルクギルド長からの依頼』
俺達が見た?やらかした?ダークウィーズの森の北の草原での出来事は即時に通信の魔道具によって王都ランドリアのデニス国王の元に伝えられた。
昨日に続き、今日ナリア帝国の飛龍10機が昨日の事を偵察に来ていた事に国王は酷く驚くと共に動揺していたらしい。
ここ100年の間、『ナルサス王国』は戦争もなく平和な状態が続いていて、戦争とは無縁の状態だったのだ。
それがナルサス王国のダークウィーズの森周辺にはナリア帝国により先遣隊としてすでにサンダーウルフが9000頭以上放たれており、昨日キメラ8000体を引き連れた3000人のナリア帝国の兵士が奇襲をかけて来ようとしていたという事実が発覚し、それを驚くことに女性3人の冒険者が殲滅してしまったという信じれない報告が上がってきたのだ。
そして今、ナリア帝国の飛龍10機が、昨日のキメラ8000体を引き連れた3000人のナリア帝国の兵士が殲滅された事の確認に来ていた事が解り、ナルサス王国の首都ランドリアの王城では上へ下への大騒ぎとなっているらしい。
俺達はと言えば・・・
流石に机の上に鎮座させていた飛龍の2メートルにも及ぶ血を流して今にも襲いそうな形相の頭はすでに俺の異空間収納に収納済である。
俺はと言えば、2メートルにも及ぶ飛龍の髑髏と想定外のご対面をした為、ほおっておく事が出来ずに俺がお姫様抱っこした状態
『何故に?』
それはティナとステア、ナサリーはゼルダさんが持ってきてくれた紅茶とクッキーを絶賛お楽しみ中であるからだ!!
『女の子は甘い物に目がないのである』
何故にこの状態かと言えば、混乱中の王城から
『少し待ってて欲しい』
とそんなお願いをされたからなのだ。
待てと言われても、もう俺達に出来る事はこれ以上は無いと思うのだか・・・
とは思っても、国王様がそう仰っている以上は逆らえない。
そんな中で、ギルド長のナルクはソファーにデンッっと座り込んだまま上を向いたまま疲れた表情で放けている。
「ナルク相当に疲れているみたいだな」
と俺が声をかけると
「そりゃ~そうだろ!!昨日の事といい、今日の事といい寝耳に水だぞ!!俺がここのギルド長に収まって15年、今日まで悠々自適、平和にやれてきてたんだぞ」
「そりゃ~運がよかったじゃないか」
「そりゃ~な。お前達がナリア帝国のキメラ軍団と兵士を殲滅してくれたからこうやってノホホンとしていられる訳だからな。本来ならキメラ一体だけでも回復能力が半端ないからそれだけで厄災だぞ!!それが全部で9000体もこの周辺まできてたんだぞこんな風にもなるだろ」
俺はそんなナルクギルド長に異空間収納から結構良い酒を1瓶取り出してグラスについで渡してやる。
「ほ~これは最高級の酒だな」
と嬉しそうに口をつけながら舌鼓をうつナルク
「ダンジョンで助けた奴にお礼だって貰った物だ、俺は酒はあまり好きじゃないからそのままお藏入りしてしまってたんだよ」
「お前が酒が好きなら、それこそ酒と女三昧って言われるぞ!!」
「あのな~今の俺の何処を見たら女三昧って言葉が出てくるんだナルクよ~?」
っと凄みをみせながら言うと
「そうだな、そんな可愛い顔で凄みを見せられても、今のお前達の姿は百合だな」
とナルクギルド長
「そうなんだよな~ナルクが噂流してくれているから、少しはましになったけど男の冒険者パーティーに絡まれて困るんだよ」
「それだけ可愛ければ納得だな。それも有名税と思って我慢するんだな」
そんな話をしていると
『ピコッ』
『ピコッ』
『ピコッ』
っと通信の魔道具が光だした。
ナルクギルド長は急いでその通信の魔道具を手に取ると、通信の魔道具に向かって話しだした。
「ナルクだ」
「おお~ナルク待たせたな。今までの状況確認と、これからの事を話し合いたいから、例の冒険者パーティーも一緒に連れてきてくれ。今日これからそちらに騎龍を向かわせる。明日朝一でそれに乗って王城まで来て欲しい、以上だ」
「解ったデニスまた会おう」
と通信を終えたナルクギルド長はどっと椅子に腰から一気に座り込み俺達に向かって
「そういう事だから明日朝一番で王都ランドリアの王城まで俺と一緒に行ってくれ」
と言ってくる。
『今のタメ口・・国王相手だったのか~~?』
「うっそ~私達が王都に?それも騎龍?」
「お供いたします。ライアン」
「王都いく~~」
と今までクッキーを無心に食べていた3人が急に元気に喋り出す。
「ライアンって?」
と3人の思わぬ歓声に気がついたゼルダさんが
「キョロッ」
「キョロッ」
っと辺りを見回しながら探している。
そして俺にお姫様抱っこされている事に気がついて
「貴方は?何方でしょうか?」
と不思議そうな表情で俺を見るゼルダさん
空かさずナサリーが
「ゼルダがライアンって言ったじゃない!!だからゼルダをお姫様抱っこしてるのがライアンよ?」
と俺に指を指しながら説明してくれる。
その瞬間
「え・・えええええ・・・えええええええええええええええええええええええええええ~~」
といったまま・・
『気絶した』
「セルダって気絶キャラ決定だな」
「ですね」
「確定ですね」
「これ以上嫁候補は増やさないででくださいね」
・・・
『これ以上増やさないぞ!!これ以上針の筵は御免だ~~!!』
まだ3人と暮らし始めて2日
昨日の朝安宿を出る時は、まだ一人だけのソロの冒険者だったのに・・
急に賑やかになったもんだ!!
俺の腕にそっと手を絡めてくるティナとステア
そして行き場の無いナサリーは・・・
席を立って俺の後ろに回り・・
『後ろから俺の首に両手を絡めて抱き着いてきた』
その光景に
「おおっ」
ぅっと驚くナルクギルド長
今まで、散々男共の結婚申し込み蹴ってきたナサリーだもんな・・
ビックリするよな!!
つづく・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます