第38話 『再度のギルド報告は悲鳴とともに』
今の時間は午後の4時
『ナリア帝国』の飛竜軍団だっただろう飛龍はチリも残らない程に灼熱の猛火に焼かれて消失・・
今俺とティナ、ステア、ナサリーの4人で飛龍10機が飛んでいただろう場所の下に来て遺留品を探しているが・・
「無いですね~」
「残ってないですね」
「お金くらい落として行きなさいよね」
なんて口々に話しながら、『ナリア帝国』と断定できる遺留品を探している俺達。
あの時、少し手加減しなさいとでもいっておけばよかったのかな?
などと泣き言をいってももう遅い。
『無いものは無い!!』
「あ・・これ剣じゃないですか~?」
とナサリーが剣らしき物を見つけたよう。
ナサリーからその剣を受け取り調べてみると
『ナリア帝国勲1等報奨』
と小さく刀に彫ってあるのが見える。
「持って帰ってギルドに報告しよう」
と俺は言って収納。
気配感知でこの辺一体を探すと、飛竜の頭蓋骨が数個見つかったのと武具の破片が少し有ったので収納。
「皆、此処を早く離れよう。ナリア帝国の奴らに見られると厄介だ」
と俺が言うと
「飛行魔法~」
「飛行魔法~」
「飛行魔法~」
と3人が同時にハモる。
俺も昨日やっと飛行魔法ができるようになった所なのだ!!
感動して、どうしても飛んでみたくなるんだよな。
でも俺は転移は出来ない。
転移魔法あったら便利だよな~
今は転移が出来ないから、結局こうやって、エレノアまで帰らなきゃいけない。
でも4にんでこんな風に大空を飛んで帰るのも気持いもの!!
空を飛ぶのは、ワイバーンとか飛龍や、グリフォンに乗って移動するしかない。
この世界じゃ人間が自ら空を飛んでるの見られるとめちゃめちゃまずいもんな~
一応誰も居ない事を確認してから、3人に飛行魔法をかける。
一気に浮き上がる3人
そしてまた一気に空中鬼ごっこを始めてしまう3人
『本当に懲りない奴らだ!!』
でも・・
そんな3人を見ているだけで・・俺は楽しい!!
5分後、俺達はダークウィーズの森に出かける時に街道から外れて最初に飛び立った
草原の場所に着地。
数頭のサンダーウルフが俺達が下りてくるのを見て俺達を取り巻いてくる。
途上に降りる前に7本の光の矢を体の前に出現させ、自動追尾で一気に殲滅。
あの3人に複数のサンダーウルフを狩らすのはまだ止めたほうがいい!!
絶対にあのナリア帝国の飛龍のように跡形もなく燃え尽きてしまう。
俺達は無事にエレノアの街から少し離れた草原に降り立つ。
最初に降りたティナが
「ありがとうございます。この辺までサンダーウルフが入ってきてたんですね」
と驚いて話してくる。
俺は7頭の仕留めたサンダーウルフを『ステラナ』の肥やしにと吸収。
サンダーウルフの肉はまだまだ潤沢にある為だ。
俺達魔獣がこない内に街道に戻って、4人でまたエレノアまで街道を東門に向かって
あるいてゆく。
街道には今の時間ダンジョン帰りだろう男達が、大きな魔獣を担いで東門に歩いてい
る姿があちらこちらに見受けられる。
異空間収納出来る魔法のポーチは余程の事がない限り手に入らない。
奴ら、ダンジョンで肉を売らなかったのは、少しでも買取価格を上げたくてギルドに持ち込むつもりなのだろう。
何人もの男達が声を掛けたそうに俺達を見ているが・・・
ベテラン冒険者に目で
『やめろやめろ』
と合図を送られているみたいだ。
多分、昨日の内に俺達の噂が広まったのだろう。
『ナルクギルド長』達が俺達の事をある事無い事を噂話として流したのだろうな。
東門で検問を通り抜け、ギルド支部の厳重そうな鉄の扉をくぐり抜けて3番の受付に向かう。
普通はナサリーが受付をしているのだが・・・
ナサリーは今は俺達パーティーのメンバーだからな。
今日はナサリーと同期に入ってきたゼルダが受付嬢をこなしているよう。
「ゼルダさんナルクギルド長を呼んで欲しいんだけど良いかな」
とゼルダにお願いする。
「え?ナサリー貴方居ないと思ったら冒険者グループに入って依頼を受けてたの?」
と素っ音響な声をあげるゼルダ。
ナサリーは構わず
「ナルクギルド長へ、ナサリー達が来たって伝えてくれれば解るわ!!」
と連絡事項のように淡々と答えている。
ゼルダは不満そうな表情になりながらも、ギルド長室へと駆け足で走り込んで内容を伝えているよう。
「ダダダダダダダーーー」
一気の奥のギルド長室から、こっちに走ってくる足音が聞こえる。
「ライアン来たのか?直ぐにこっちに来てくれ。王都から連絡があったんだ」
と早口で俺に向かって鋭い表情で話してくるナルクギルド長。
『か・・顔が近いぞナルク』
男にこんな間近で迫られるとは思っていなかったからビビった!!
「ライアンこっち」
と突然ティナにひっぱられた俺は、勢い余ってティナの胸の中に顔を埋めてしまう。
うをぉ~甘い香りが・・
俺の平常心を尽くかき乱してゆく。
『落ち着け俺~~!!』
気力で乗り越え
「あ・・ありがとうティナ」
とちょっとシドロモドロで返してしまう俺。
「くすっ」
っとその瞬間笑われてしまってた。
俺はティナとちょっと不機嫌になったナサリーに両腕を抱えられてギルド長の部屋に連行されてゆく。
左手の椅子にナルクギルド長が陣取り、ティナ、俺、ナサリーの順番でナルクギルド
長の目線の誘導で右側に周り
「まあ掛けてくれたまえ」
と声をかけられる。
俺達は椅子に座ると、ダークウィーズの森でのナリア帝国の飛龍軍団と遭遇し殲滅した事を告げると
「あれはお前達のせいか~」
と開口一番に怒鳴られた。
「だってしょうがないだろ!!森から北の草原に出た途端に10機の尻尾を入れたら体長30メートル以上ある飛龍が俺達を襲ってきたんだぞ!!俺達に死ねと言うのか!!」
と怒鳴り返すと同時に、異空間収納から飛竜の血だらけの2メートルはある頭を机の上に悍ましく大きく開いた口をナルクギルド長のほうに向けて、お前もこんな飛竜に食われる恐怖を味わえと言わんばかりに鎮座させる。
そして奴らの残した証拠の刀もそのよこに置いておく。
それを見たナルクギルド長も
「す・・すまん。なにせエレノアでもあの爆発の影響で空は一面真っ赤に染まって爆風で屋根が吹き飛んだ所も結構あって今さっきまで大騒ぎだったんだ!!」
と惨状を激白してくる
その瞬間、気まずい表情で横をむくティナとステアとナサリー
『まあ反省はしているみたいだな』
これ以上は俺からは言わないでも大丈夫だろう・・・
まあそれくらいは俺のせいって事で片付けるさ!!
『俺って甘いよな~』
そんな時
「コン」
「コン」
っと2回ドアがノックされ
「お茶のご用意が出来ましたのでお持ち致しました」
と言って俺達を受付してくれたゼルダさんがドアを開けて入出・・・
「キャーーーーーーーーーーーーーぁ~~ぁっ」
と大音響の悲鳴を上げた瞬間に立ったまま気絶
俺は慌ててお茶のセットを奪い取り、ティナとステアとナsリーがゼルダさんの体が倒れる前に抱きとめた。
「お~驚くべき連携プレイだな」
とナルクギルド長が思わず関心してしまう。
「あ~しょうがありませんね~こんなものが机の上に鎮座してるなんて夢にも思わなかったんでしょうね~」
と俺が言った言葉に
「あはは~全くだ」
「ですね~これはないですよね」
「無いですね~」
「あとでゼルダさんにプレゼントしましょうか、あと何個かありますし~」
若干1名不穏な言動を言ってる奴が・・・ナサリー一度お前の頭の中を覗いてみたいぞ・・
つづく・・・
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