第30話 『今日俺・・凄く変・・かも・・』

結局3人は魔力の制御は時間さえあれば何とかなりそうだが、『ナリア帝国』がいつ戦争を仕掛けてくるのか解らない為に悠長に待っている訳にはいかない!!何か早急に魔法が使えるような方法を考えなければならない。

だから、魔法の練習を一旦中止して、俺達はエレノアの街に足らない塩やしょうゆ、砂糖、みりん、こしょうなどの調味料や生活に不足している物を買いにきている。

4人で道を歩きながら


「はぁ~」


いつの間にか深いため息をついている俺



そんな俺をみてティナが早速

「どうしたんですか~ステラナを出てきたからずっとため息ばかりですよ~」

と俺の顔を心配そうに覗き込んでる。

その途端に視線に入るティナのくちびる


今日の朝・・全員の全裸を見た・・

特にティナの肌は真っ白で少しピンク色に染まってた

そして俺の腕に押し付けられたティナの胸の柔らかさが今も俺の肌に残ってる。

そして今視線に入った、ティナのくちびる

そうあの森で、助けた時死にかけたティナを救う為に、あの唇に口移しでダンジョン産の超強力回復薬を流し込んだのだ。

不可抗力とはいえ・・・あの事を思い出して正常な気持ちになれっていうのが無理ってもんだ。


ティナだけじゃない!!

ステアだって、ナサリーだって大切な誰一人として無くしたくない仲間?恋人?お嫁さん?

今日の朝あの全裸の皆を見て・・


俺は気づいてしまったんだ!!


『絶対に無くしたく無い3人に』


俺は可笑しいのだろうか?

ティナ、ステア、ナサリー、3人共に傍に居たいんだ・・

3人共に好きなんて、理不尽だって解ってる!!

だけども誰一人として、無くしたくない。離れたくない。


『俺って誰か居るのは煩わしい。一人が気楽でいい』


そう思って、エドワード公爵家を出て気楽な冒険者になって、希望通り1人の生活を満喫していたハズなのに・・・


『今は逆に・・一人は嫌だ!!一人は寂しい・・』


ティナの言葉に

「どうやったらティナ達が魔法を使えるようになれるのかなってずっと考えてたんだけど、いい方法が思い浮かばなくてね」

とぼそっと本音が出てしまう


「ライアンは優しいですね。」

そう言って腰を折って俺の顔をしたから覗き込むティナ

「ひゃう」

そのティナの可愛さに思わず素っ頓狂な声を出してしまってた。

『か・・・顔が近いよティナ・・そんなに近いと意識してしまう』

そう思った瞬間体中が暑くなる。

顔が・・熱い・・

多分おれ真っ赤になってるんだろうな・・

しょうがないじゃないか!!全裸の姿・・朝みたばかりなんだから!!

あの全裸は破壊力あり過ぎだ!!



ううう~また皆の裸思い出したじゃないか・・

今日俺・・凄く変・・かも・・

真っ赤になっているであろう俺の顔を見ながら


「可愛いですねライアン」

ってティナは楽しそうに笑っている。

『ティナはあの状況恥ずかしく無かったんですか?』

って聞いてみたいぜ!!

目覚めてみれば全員全裸で眠ったんだぜ?

皆はあの時の事・・どう思っているんだろうか?

気にしているのは俺だけなんだろうか?

そう思いながらも


「そんな可愛い表情で覗き込まれたからびっくりしただけだよ。それに俺は優しくなんて無いよ。大好きな人を無くしたくないだけ」


と俺がティナに言うと

「嬉しい~」

と言って俺に抱きついてくるティナ

「ティナだけ狡い~~」

ナサリーはティナが嬉しそうに俺に抱きついているのが不満らしい。

「もう私だけのけ者なんてひど~~い」

ステアがそんな俺達を見て相当に機嫌が悪そうだ。


俺達の関係が少しづつ変わり始めているのかな?

誰も失いたくない

俺は我侭なのだろうか?


つづく・・・

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