第29話 『うちのお嬢様達には魔力操作は難しい』
朝食を終えた俺たちはテラスの上から、昨日俺がキメラを吸収させて解放させた空間を皆で見ながら、のんびりと風景を楽しんでいた俺達。
ティナも、俺が倒れた事で解除されたお城の周りの景色は見る暇も無かったのだろう
「結構広く解放されましたね~お城の周りのお庭の辺りも花々が咲き乱れて凄く綺麗ですよ~」
とテラスから身を乗り出して、テラスの下に広がる花の庭園を覗き込んでいるティナ。
『ティナの横顔・・可愛いな・くちびるはピンクで小さいし・・う・・思い出しちゃったよあの森で・・』
ほ・・他の事考えなきゃ・・
「お城を中心にして、約1キロ四方の所が開放されてお城を中心に一辺2キロの正方形のエリアが今私達が使えるエリアみたいね」
と俺が言うとナサリーも遠くを見ながら
「うわ~白い薄いベールみたいなのが空間を仕切ってるって何か変な感じがしますね」
と感想。
そうだよな・・
この空間で異彩を放つのが、あの白いベールのような膜
あの白い膜より向こうのエリアは解放されていない。
俺達が今行けるのは、あの白いベールで囲まれた2キロ四方の正方形のエリアだけ。
昨日の解除前は、お城の範囲だけだったのだから格段の進歩?いや進化?なのかな。
「今の所、一気に広げるのは此処までかな。これ以上解除しても今の人数では管理出来ないからね~」
と俺が考えながら言うとステアが
「でも解除に慣れる為と解除すればする程ライアンの能力と吸収効率が進化しているみたいだから、1日1頭キメラを吸収させてみて進化の度合いを確認してみるって言うのはどうでしょうか?」
と提案してくる。
『ステアっていろんな事に凄く気がつくよな』
そうか・・
確かに!!
最初キメラ100頭の吸収で100メートルの広さを解除出来た
段々と吸収させる毎に解除出来る広さがそういえば変わったな・・
最後気絶する前は、キメラ100頭で400メートルの解除が出来た訳だし
最初の4倍の進化
「ステア、ステアの言う通りかもしれないわね。じゃ~1日に1回キメラ1頭づつ吸収してこの世界がどんな風に変わってゆくか皆で確認してみようか?皆も変わった所とか気がついたら私に教えてね」
とステアの提案に俺も乗る事にした。
1頭づつだからそう目にみえて変化する事はないだろうな。
今までに使ったキメラはたった500頭だけ!!
全部で9000頭のキメラが有った訳だから気の遠くなるような数だが地道にやって行くさ!!
『継続は力なり』
だよな!!
焦ってみた所でいい事は無いって言うしな~一歩一歩着実にだな!!
「じゃ~殆ど変わらないとは思うけど、最初の1日1頭の吸収やってみるね~」
俺はそう言って、キメラ1頭を吸収
『何の抵抗もなく終了?』
何も変わらない!!
この世界も・・・
変わっていないな!!
「キメラ1頭吸収したけど全然何も起こらないみたいね。まあ1頭だけだもんね」
と内心何も起こらなかった事に不満
皆も
「変わらないですね」
「全然変化なしですね」
「何も感じませんでした」
3人も同じ意見
1頭のキメラで劇的変化をした方が怖いかもな!!
俺は気持ちを切り替えて
「じゃ~エレノアの街まで買い物に行くまで私が言ったように魔力操作の練習をしましょうね」
と提案して、エレノアの街に買い物に行くまで、魔力操作の練習をする事にした。
俺達4人は食事をしていたテーブルの椅子にそのまま座りながら
「この世界には『マナ』といって魔法を使う為の燃料のような物がこの大気中に存在しています。
それを体の中に息をするのと同じように意識して取り込んで、その体に貯めた『マナ』を色々な形にする方法を魔法と呼びます」
こんな感じで解るのかな?
見本とか見せたら良いかな?
「で体の中に取り込んだマナを火の形にイメージして出すとこんあ風になるの」
と言って人差し指を俺の目の前で立てて指の先に火を出現させる。
「これが私の力でマナを火の形に体現するとこんな感じになるの。解るかな?」
俺が指に出した炎は理解できたみたいだけど・・
多分『マナ』自体が理解出来ていないんだろうな。
『そう言えば・・俺だって、自分でマナを感じるまでに1週間はかかったもんな~』
「じゃ~今日は『マナ』を感じる所だけやってきようか!!」
「まずマナを息をするように自然に体に取り込む方法を覚えようね」
「これは普通じゃないけど、大気の中に有るマナは金色の見えない気体って考えてみようね」
「でその金色の気体を、呼吸と一緒に吸い込んで胸の中心にその金色の大気を溜め込んでゆく感じかな。その時吸い込んだ金色の気体は息と違って少し暖かい気体って考えてみて!!それが胸の中心に溜まってくると体中が暖かくなる感じを掴むって感じね」
本当は、マナなんて色も何もなくって、暖かくも無いんだけど・・
最初は意識して息とは違うマナを感じて貰うのが一番!!
そして皆で呼吸の練習
「すー」
「はー」
「すー」
「はー」
「すー」
「はー」
「すー」
「はー」
ティナ、ステア、ナサリー3人は目を瞑って呼吸に意識を集中しながら息を吸ったり吐いたりを繰り返してゆく。
3人の体のマナを見ると・・・
すこしづつ体の中にマナらしき物が溜まってきているよう・・
でも、それは凄く微量・・
『魔法を放てる量なでは程遠い・・・本人はマナを感じてさえいないだろうな・・・』
30分・・
1時間・・・
1時間半・・・
2時間・・・・
「もうダメ~~これ以上集中できな~~~い」
ナサリーがとうとう音を上げた。
それを皮切りに
「うわ~~私もダメ~~~これ以上無理~~」
とティナ
以外にステアは頑張っていたが・・1分後・・
「うわ~~~もうこれ以上集中できな~~~い。めちゃめちゃ疲れた~」
とステアも音を上げた。
「3人とも凄く頑張ったね~~よしよし~~」
と3人の頭を次々に撫でてやる。
3人とも
『ふみゃ~』
っと 何とも言えない脱力した満足そうな笑顔をしているから、俺が頭を撫でたのは不満では無かったんだろう・・
取り敢えず
「みんなの体の中に、少しづつはマナが溜まっているみたいよ?でも魔法を使える量には全然足りていないから、練習あるのみですね」
と伝えておく。
全然効果なしなんて伝えたら、やる気無くなるものね!!
でも
「え~~~~~あれだけやってちょびっとだけ~~うそ~~」
「私、マナ全然感じれなかった~~」
「うぇ~~~~ん。直ぐに魔法使えると思ったのに~~~」
と3人とも楽観的過ぎ!!
「私だって、マナを感じるだけで1週間以上もかかったんだからね~そんなに早く魔法を使える訳無いでしょ!!」
と一括!!
「はぁ~」
「はぁ~」
「はぁ~」
っと3人同時にふか~~~~いため息をついているよぉ~
どうしよぉ~
俺も流暢に、3人が魔法を使えるようになるまで、待ってる訳にはいかない!!
『ナリア帝国』が何時動き出すか解らないのだ!!
早急に3人が魔法を使えるように考えなければ!!
「私の方でも、3人がなんとか少しでも早く魔法が使えるように、何か方法がないか考えてみるね」
と言ったら
3人同時に俺に抱き着いてきて
「是非お願いします」
「早く魔法が使いたいです~」
「早くしたいです~」
とティナが左から
ナサリーが右から
そしてステアが後ろから
俺を抱き締めている為に・・
『胸が・・当たってます皆さん・・柔らかすぎです・・』
今日の朝の皆の全裸の姿を思い出して・アソコがヤバイ・・デス・・
つづく・・
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