襲撃

第14話『魔獣暴走!!明らかにこの数は異常』

俺達が現れたのは、ダークウィーズの森の俺とティナがあの世界に移転される前の場所。

ただ場違いなのは、貴族の着るような服装をした俺と腕を組んだ真っ白なドレス姿のティナ。

そして俺の腕にはお姫様抱っこされたこれまたドレス姿のステア!!


ダークウィーズの森の中に突然現れた場違いな服装のカップル?

誰かが俺達の姿を見たら呆れかえるかもしれない。


「さ~行こうかティナ」

「はい買い物楽しみです」

そう言って俺に寄り添うティナ


『む・・・胸が・・俺の腕に当たってるんですけど~~柔らかくって理性が崩壊寸前ですティナさん』


そんな感じで森の中を街道に向かって歩いて居ると、気配感知に何かか引っかかる!!

結構な群れ?

数は500?


あれだけ狩ったのにまだ居るのか?

『同じサンダーウルフの群れが自然に存在するハズが無い!!』

これは異常だな。調べてみる必要が有るかもな?


俺は一応ティナに

「またサンダーウルフの500頭位の群れがこっちに向かっているようだ。戦闘になるからティナ悪いけど俺の背中に乗ってくれないか?」


とお願いすると

「はい」

と言って俺の首に後ろから手を回してくるティナ

『ティナさん背中に当たる柔らかい感触気持ちよすぎです』

サンダーウルフの群れの姿が、木々の間から見えてきた。

俺はその体勢のまま一気に空中に浮遊


あの黒い狼を取り込んだせいなのか、それから俺は空中浮遊できるようになっていた。

そしてサンダーウルフの群れにアイススピアを100本一気に出現させて群れに向かって放つ。


しかし当たったのは半分の50頭位、

ティナは

「一瞬であんなに倒せちゃうなんて凄いです」

と褒めてくれるが俺は

「この武器は効率が悪すぎる。ほかの武器を考えるか」

というと

「そうなんですか、私は凄いと思いますが」

と言ってくれる。

「魔力効率が悪すぎるって話なんだけどね」

「そうなんですね。魔法を使ったことが無いから私はあまり詳しくないのですみません」

「ティナに使えそうな武器がありそうだから、今度魔法教えるから使ってみるかい?」

「はいお願いします」

と言って顔をスリスリしてくるティナ。


『ティナか・・顔が近いです。それに甘い香りが・・・俺このまま死んでも良いかも』


俺は魔法効率の悪い『アイススピア』を諦めて効率の良い武器を頭の中で検索・・

『矢があって・・・』

                                 

『でも実物の矢では矢の本数が有るし・・』


『光で矢を作ったら?』


『それで光の矢は気配感知で心臓の鼓動を感知して敵を自動追尾』


『敵を撃破したら次の敵を自動追尾して討つそして敵から魔力強奪』


『魔力強奪した魔力で敵が居なくなるまで追尾して、敵が居なくなれば光の矢から魔力回収』


これ行けるんじゃない?


『俺って天才なんじゃ?』


そう思って思いのままに


『ライトニングアロー』


そう頭の中で念じて、光の矢を発生させてサンダーウルフの群れに射る。

光の矢はサンダーオルフの心臓の鼓動の音を自動追尾し的確にサンダーウルフの心臓を打ち抜き、次の獲物を自動追尾してゆく。


次々に倒れてゆくサンダーウルフ。

確実に数を減らせてとうとう動いているサンダーウルフは一匹も居なくなった。

役目を終えた光の矢は俺の周りに集まり残った魔力はおれの体に吸収され、光の矢は光の粒子になって消えていった。


「なんか凄い物をみたような気がします」

とティナがワクワクしたような声で俺を抱き締めてくる。

俺はティナに魔法のポーチを渡し、戦闘のあった上空を飛び回り狩った魔獣たちを魔法のポーチの中に回収


何度かの戦闘の後、今度は違う魔獣に遭遇する。

『虎の頭』

『ライオンの頭』

『ドラゴンの頭』

3つの頭を持って体はドラゴン

足と手は・・・人間・・の手足

明らかに自然界には存在しない魔獣


『キメラ』

そんな魔獣の大群が1000体ほどの大群になって押し寄せてきている。

俺は即座に100本の光の矢を出現させキメラの大群に向かって矢を射る!!


しかし・・

頭が3つ・・・

シャイニングアローで一度打ち抜いても復活してしまう厄介極まりない魔獣

3体が無理やり魔法で合成されたキメラ

それは言い換えれば、3体が個々に回復魔法が使えるならば、どれか1頭が残っていれば、他を治療可能という事だ!!

だから1つの頭を潰しても他の頭が治療、回復して一瞬で元通り!!


『厄介極まりない魔法で強制的に作られた魔獣』


一度光の矢を解除する。

そして3つの頭を同時に攻撃し潰したあと3つの心臓を3本の矢で同時に打ち抜く!!

そうイメージし

『シャイニングアロー』

99本の光の矢が3本つづ33組に分かれて一気にキメラを襲う。

俺の目論見は成功!!


確実にキメラは数を減してゆく

『3つの頭を同時に潰さないと他の頭が回復役に回るってどんだけ厄介な魔獣を作ってるんだよ!!誰だこんな魔獣を作りやがったのは!!』


そうキメラは自然界には存在しない!!

人工的に無理やり魔法で作られた魔獣

こんなもの作って戦争でも起こす気か?


『これだけの魔獣、何千体という魔獣を、どこかの国が戦争を起こそうとして強制的に魔術で作ったのかもしれない』


10分あまりで1000体も居たキメラ軍団は屍を森に中に晒した。

俺は森の中を飛び回りまたティナの持つ魔法のポーチに狩ったキメラの死体を回収。


「気色悪い魔獣ですね」

ティナが森に転がるキメラの死体を見ながらそう呟く。

俺も

「そうだな。こんなキメラなんて自然界には存在しないからな。普通3つの違う魔獣が合成して3つの頭、3つの心臓を持って、同時に3つの頭を潰さなきゃどれかの頭が回復役で回復させてしまうなんて有り得ないだろ?」


とティナに説明。

ティナも異常さを解ったみたいだ。

俺達はダークウィーズの森を北に抜け北の山岳地帯に続く草原に出てきた。

エレノアの都市と東の人口300万人の都市オレキスを結ぶ街道がダークウィーズの森の真ん中を突き抜けているから、こんな魔獣がこんな数出没すればまずナルサスの街で目撃情報が有るはず!!

それが無かったって事は北の山脈を超えてきた!!

そう俺は考えたのだ!!


やはり!!

予想通りというべきか!!


その草原には5000体ものキメラがダークウィーズの森に向かって進行して来ているのが見えた。

「あ・・・あれ何ですか~~」

ティナがキメラの群れを見て驚いて悲鳴を上げてしまってる。

「キメラの大群・・・だな」

俺は見たままをティナに報告?

「それは見れば解るじゃないですか」

「うんうん言いたい事は解るよ。多分北のザイール山脈を超えてきたんだろうね。多分ナリア帝国が作った魔獣軍団って所かな」


「どうするんですか~こんな大群」

「操ってる奴がこの群れの中に居そうだから先にキメラの大群を操っている奴を潰そう。その後でこのキメラの群れを潰そうか」


つづく・・・

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