第13話 『大丈夫じゃないです。ギュッとして下さい』

ティナとステアは抱き合ったまま、まだハグしている。

『声をかけるベキ・・・なのだろうか?』

声かけたら・・


『邪魔しないで下さい』



なんて怒られたりしないだろうな?

『ティナとステアは友達同士・・のはずだよな?な?』


俺は恐る恐る・・・

「そろそろエレノアの街に買い物に行きたいんだけど、支度とか2人しなくて大丈夫なのか?」

と聞いてみると

ティナが驚いたように

「ステアの服、私達お友達なんだからメイド服じゃマズイですよ~私と同じドレスにしましょう」

と言ってステアの手を引いて部屋の中に入っていってしまった。

ティナはどんな服をステアに着せるんだ?

『なんかアレでドレスとか着たら、確実に姉妹っぽくなってしまいそうだな』


暫くしてから用意が出来たみたいでティナがステラの手を引いて部屋から出てきた。


「き・・・綺麗だ・・な」


俺は思わず無意識にそう呟いていたみたいだ。

ステアは顔を真っ赤に染めて、俺に駆け寄った瞬間、

『ポコ』

『ポコ』

『ポコ』

『ポコ』

俺の胸を子供のように叩きながら

「は・・はじゅかしいじゃないでしゅか」

といって俺の胸に顔を埋めてしまう。


突然に抱き着かれら為に、俺の両手は何処にも持って行けずに宙ぶらりん

慌てて俺は両手を上に上げて・・

ティナの方を見ると両頬をぷくっと膨らませ


相当に不機嫌


『ティナの視線が痛い』


うをぉ~~俺はどうすりゃ良いんだ~~~!!

俺は取り敢えずステアに

「ステア本当に大丈夫なのか?」

と聞くと


「大丈夫じゃないです。ギュッとして下さい」


と俺の胸の中で呟いてくる。

『キュッと・・って??・・ああ~ハグの事か~』


そう思いステアの体を


『ギュッ』


と抱きしめると

「これが良いです」

と言った瞬間に俺の腕の中で全身の力が抜け体がずり落ちそうになりビックリしてステアの体を抱き上げる。

「どうしたステア?」


俺はその状態にビックリしてステアに声を掛けたが返答がない!!

『具合が急に悪くなったんじゃ?』

そう思ってステアの心臓の音を聞こうとステアの胸に耳を当てると


「スースー」


と寝息を立てている!!

「此れは寝てるな」

と思わず言葉に出してしまう俺


ティナもステアの寝顔を見て


「幸せそうに寝てますね」


と微笑みながら俺に微笑みかけてくる。

俺はステアをお姫様抱っこして

「何時起きるか解らないからこのまま買い物に出るか?」


とティナに聞くと

「そうですね。色々と買いたい物多いですから行きましょうか」

と満面の笑顔で俺に話してくるティナ。

『一体どんだけ買い物するつもりなんですか?ティナさん?』

ティナの言葉にちょっとだけ不安を感じる俺であった。


一人をお姫様抱っこして、もう一人をよこに侍らせて・・

他から見たらハーレム野郎爆発しろ~~!!

って確実に嫉妬される光景だという事をヘタレのライアンはまだ気がついていない。



つづく・・・

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