紡がれる絆
第2話 『目覚めた世界の中』
気持良いふわふわの体が沈み込む程の柔らかな布団の肌触り!!
『このまま永遠に眠っていたい』
そんな気持ちにさせられてしまうような・・・
至福の時間
今までこんな気持ち良い寝心地の布団で何て眠った事がない。
あ~俺は・・・
あの格上の黒い狼との戦いに偶然とも思える愚策により勝利し生き残って、白い狼を回復ポーションで回復してやって、ぺろぺろと顔を舐められた瞬間、良い相棒になれると確信したのに!!
『結局はあの白い狼も魔獣でしか無かった!!』
俺は不覚にも抱き締めた助けたはずの白い狼に喉を噛み切られて死んでしまった・・・ハズ・・だよな・・
今もあの狼に噛まれた鋭い牙の感覚が俺の噛まれた首筋に蘇ってくる。
俺は狼の牙の感触の残る自分の喉を、指でなぞりながら、あの時の感覚を思い出す。
俺はあの白い狼によって食い殺されてしまった。
此処は・・
『此処は天国・・なのだろうな・・』
白い狼を助けた褒美に天使が俺を天国に招いてくれたっぽい・・
あ~
それにしても
『気持ちいい寝心地だ』
それだけに!!
目を開ける事が怖い
死んでしまった俺は・・・
本当に天国に来れたのだろうか?
目を開けると・・
『地獄だった・・なんて笑えない』
でも・・
目を開けなければ・・始まらない・・
怖いけれど・・
目を・・
少しづつ・・
開いてみる・・・
真上には・・・
天蓋?
そして・・
俺が眠ってるのは、ふかふかの体が半分沈み込んでしまいそうな位の布団の中に眠っている。
『俺が眠ってるのはふかふかの天蓋付きのベッドの中?っぽいな』
誰がこんなベッドに寝かせてくれたんだ?
『意味が解らねえ』
俺の眠っているベッドは一緒に4人位も眠れそうなほど大きい!!
そしてベッドの外には、壁一面もありそうなほどのガラス窓
此れほど大きなガラス窓は見た事もない!!
でも異常なのは、そのガラス窓の外は真っ暗で何も見えない事だ!!
夜という訳ではなさそうだ・・
窓の外は暗黒の別の世界かなにかなんじゃないか?
そんな恐怖を一瞬感じた俺
俺のいる部屋は広さ縦横20メートルもある正方形の広い部屋
部屋の真ん中には、白い大きなテーブルがあり椅子が左右に5つづつ置かれている。
高さ10メートル近くもある天井には大きなシャンデリアが吊るされており、魔道具なのかシャンデリアに取り付けられた宝石のような物が眩しい光を放ち、明るく部屋を照らしている。
ただ、あんなにも綺麗なシャンデリアは、見たこともない。
まるで宝石で出来ているかのような、そんな光を反射して凄く綺麗だ。
そんなシャンデリアの光を見ながら、何時までも、このベッドに眠っていてもしょうがないな・・・起きるか?
そう思い起きて部屋の探索をしてみる事にした。
ベッドの横の壁は何か収納出来る感じの扉がついているよう。
ベッドから起き上がりその気になった扉を開けると・・
『服がその扉の中一面に吊るされている』
クローゼットのようだ。
クローゼットの扉を閉めてつぎにゆく。
横には机と鏡
そして違う壁際にはキッチンっぽい調理が出来る所
その横の扉を開けると・・
部屋が一つありその奥の扉を開けると
『風呂?』
へ~~凄いな!!
風呂のブースを出てその横の扉を開けると
『トイレ?』
頭の中に使い方も全部思い浮かんできた。
『水洗式のトイレでヲシュレット機能付き』
知らないはずの物のハズなのに使い方も自然とわかってきた。
『此処に俺が前から住んでいたように手に取るように解る』
何故なんだ?
どうして解る?
だが・・俺の知る世界ではそんな機能を持った物は存在しない!!
トイレのドアを閉めて部屋に戻ると
部屋の出口だろう扉が視界に入る。
俺は、その扉に向かって歩み寄り、扉のノブを引っ張り扉を開け?
『扉が・・・開かない!!』
その瞬間
頭の中に声が響く
『この扉を開けるには現在権限が有りません。魔核を吸収してください』
「な・・・何なんだ~~?」
そう俺は独り言をいってしまっていた。
すると、頭の中で
「主よ。私を黒の管理者から助けてくれてありがとう。私は貴方に助けてもらった白の管理者。私は貴方の体と同化した」
黒の管理者?
白の管理者?
何なんだ?
黒とか白とか意味解んねえ???
もしかして・・
もしかしたら・・
黒の管理者っていうのは・・あの黒い狼?
白の管理者っていうのは・・あの白い狼の事か?
え・・
ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ~~
つづく・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます