『古代遺産を受け継ぎし者』
シャーロット
プロローグ
第1話 『プロローグ』
俺の名前はライアン・エドワード
エドワード公爵家3男
公爵家と言えど、嫡男でもなければ家を継ぐ事も無いために、騎士団に入るとか、王国の政務などを担当するなんて仕事も無くはないが、俺は公爵家の醜い跡目相続の争いを小さい頃から目にして、絶対にそんな世界には居たくないと小さいながらに心に決めていた。
だから小さい頃から、剣の練習や魔法の練習に殆どの時間を費やして、少しでも独り立ち出来るように頑張っていたのだ。
俺はこの世界で15歳になって一人前の大人と認識される歳になると同時に、エドワード公爵家を出て一年前正式な冒険者としてギルドで依頼を受け始めた。
あくまでも正式な・・・だ
冒険者というのは建前は15歳大人になってからっていうのが建前
でもそれじゃ~生活出来ない人の方が多いんだ!!
特例でそんなものどうにでもなるものさ・・
俺もその一人であった訳だけど・・
ということで、今現在一匹狼の冒険者として活躍?している。
この世界では冒険者はパーティーを組んで何人かのパーティーで行動するのが一般的な冒険者だ。
ただ、エドワード公爵家で育った人間不信の俺はどうしても人を信用する事ができなくて、16歳になった今でも結局一人で未だに冒険者として行動している。
まあ一人で身を立てるべく、魔法と剣の修行を小さい頃からやっていたせいも有るけれどエドワード公爵家には内緒で10歳の頃から冒険者登録をして冒険者ギルドで稼いでいた。
そのお陰もあって、現在ではソロでSランクの冒険者となる事ができた。
まあ6年もあれば最初のFランク登録であっても今のランクは妥当かもな!!
何も知らない新人なんかは、16の若造が偉そうだ・・なんて思ってるみたいだが・・
『言いたい奴には言わせておけば言いさ』
俺は公爵家を出て冒険者になる時に、エドワード公爵家から金貨100枚を手渡された。
多分エドワード公爵家からすると手切れ金?として俺に渡してくれたつもりなのかもしれない!!
でもそのお金には全然手をつけていない
『手を付ける気もないけどな!!』
10歳の頃からダンジョンとかに潜って、結構荒稼ぎしていたから相当な金額は溜め込んでる?・・・ハズ
『幾ら有るのか余りり気にした事が無い』
多分金貨1000万枚位はある・・・だろうな
小さい頃から冒険者登録してるから、公爵家の宝物庫にこっそりと入り込んで、武器やら魔道具、そしてマジックバックなんてアイテムをこっそりと貰ってたから必要な物も無い。
銭貨100枚で銅貨1枚
銅貨100枚で銀貨1枚
銀貨100枚で金貨1枚
金貨10枚で白金貨1枚
お金の感覚からゆくと銭貨10枚で白パンが1個買える感じだな
俺がお金を主に使うとしたら安宿の宿泊代位な物だ。
結構綺麗な一人部屋で一泊朝夕食事付きで銀貨2枚
贅沢さえしなければ、金貨1枚で1ヶ月半以上生活出来る。
俺は冒険者として、森に冒険に出た時は料理スキルで取ってきた材料をそのまま料理したり、異空間収納に収納した魔物の肉を料理するから全く金は掛からない。
一人は気ままで良いもんだ!!。
でもな~俺だって年頃の男だ!!
女の子に全然興味が無いわけじゃない!!
でも人と関わるのが俺苦手なんだよな~
この性格なんとかならない物かな~
『つくずく損な性格しているよな~~俺って』
一緒にいてくれる可愛い女の子何処かに居ないかな・・・
『可愛い女の子とえっちがした~~~~~~い』
平静を装ってはいるが、そんな風にエロエロな事を悶々と頭の中で考えながら、いつもの様に冒険者ギルドにやってきた。
俺は青春真っ只中の、えっちぃ事にめちゃめちゃ興味があるお年頃なのである。
エドワード公爵家が収める人口500万人が住む都市エレノア
そんなギルド支部の建物は大理石で建てられた地上3階、地下2階の建はいつ見ても豪華な佇まい。
それに大理石の壁も透明なガラス窓もピカピカで汚れ一つ無い状態なのだ。
まあ定期的に新人冒険者の救済策として清掃の仕事なんかもギルドが定期的に出して清掃しているってのが大きい。
ある程度、お金が回れば治安が良くなるって事の実践だそうだ。
お陰で、このエレノアの都市は治安は相当に良いと思う。
このエレノアギルド支部の鉄製の門を潜ってギルドの建物の中に入ると朝の7時過ぎなのに今日の依頼を探す冒険者達でごった返していた。
いつもの知った冒険者の顔ぶれに手をあげて挨拶しながら、その人の波を掻き分けて、3番の窓口の可愛い女の子に声をかける。
「ナサリーおはよ~~何時も可愛いな。今日は一段と可愛すぎてドキドキして上手く喋れなくなるぜ!!いっそ俺と結婚するかナサリー?俺ナサリーめちゃめちゃ好みなんだけど!!」
「け?け・・結婚~~えええええええええええええええええええええええええええええええええ~~こんな所で突然結婚なんて申し込まないでくだしゃい!!そ・・それは2人だけ・・・・・ううううう~~何はじゅかしい事言わすんでしゅか~~」
「うんうんその表情~~俺萌死にしそうだぜ~超~可愛いな」
「も・・もうからかわないでくだしゃい」
「あ~悪い。可愛いから思わず言ってしまったぞ。許せ」
「ライアンさんは、もう仕事する気有るんですか~?」
「ある。ある!!あります~ナサリーさんのためなら何でもしますから、何か良い仕事出てないですか?」
「あ~貴方と喋っていると調子くるっちゃいます。ライアンさんむきの仕事が有りますよ~ダークウィーズの森のサンダーウルフの群れの殲滅なんですけど、この仕事を受けたパーティーは全て全滅、5日前もA級冒険者パーティー5人がこの仕事を受けて帰ってこないので確認したら昨日全員死亡が確認されました。今まで50人以上が犠牲になっています。なのでこの仕事はあそこの依頼板には掲載出来ないでいたのですよ。
報奨金金貨100枚の高額に惹かれて、この依頼を受けるのですが全員死ぬことが目にみえてますからね~ライアンさんは当然受けますよね?」
と満面の笑顔でナサリーは俺に聞いてくる。
「さっきのお返しか~?」
俺はあまりの笑顔に思わずそう聞き返してしまう。
「だって~ライアンさんだったらサンダーウルフの群くらいだったら大丈夫でしょ?」
「はぁ~信用されてるんだか・・それともからかったの根にもたれてるんだか・・・」
俺は呆れ顔でそんな言葉を吐くと
「両方です」
と満面の笑顔のナサリー
「わ・・解ったよ。からかったのはゴメンナサイ。依頼は受けさせて頂きます」
と俺は頭を下げながら、ナサリーに依頼の受理を告げるしかなかった。
ダークウィーズの森はこのエレノアの都市から東に10キロほど離れた所に有る地上から10メートを超える木々が50キロにも渡り鬱蒼と茂る森林地帯だ。
このエレノアの都市と東の人口300万人の都オレキスのを結ぶ街道がこのダークウィーズの森の真ん中を突き抜けている感じなのだが、昼なお暗い森林が50キロにも渡り続く超危険地帯となっている。
毎年多数の魔獣の犠牲者がこのダークウィーズの森の中で出ているが、魔獣の被害だけではない。山賊の被害もこのダークウィーズの森では多発している。
まあダークウィーズの森の中で活動する山賊としても超~強力な魔獣が出没するこの森は命懸けの為、山賊の規模もこの森で活動する山賊は人数が100人規模の山賊が多数存在しているらしい。
俺は早速ナサリーに依頼の受付を行ってもらいエレノアの東門を抜けて人通りの少ない草原へ出てから速攻、道なき草原の中を瞬足を使って10キロの道のりを約5分で走り抜けてきた。
ナサリーに仕事の依頼を受付してもらってたとはいえ、まだ朝の7時30分前。
俺の目の前にはもうダークウィーズの森が広がっている。
俺は森の中に意識を向け気配感知を発動!!
森の中の魔物の気配を調べてゆく・・・
・・・・
・・・・
・・・・
この森の入口から5キロ位奥に魔物の群れの気配
俺は木々の間を縫うように『瞬足』を使い森の中を走り抜ける。
視界の中をゆっくりとスローモーションのように通り過ぎる木々
そして迫り来る木々の間を縫って体を木々の間に滑り込ませてゆく
まるで
木々が
俺の体を避けて、左右に避けてくれるような感覚
少し向こうの森の中に狼系の魔物の気配が2匹?
歩む速度を瞬間落とす!!
そして気配を絶って隠密モード
息を殺してその気配のする方向に・・・
木々の向こうから争うような気配
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
『チラッ』
『チラッ』
『チラッ』
『チラッ』
『チラッ』
っち木々の間から白と黒の影がチラチラと舞っているように木々の間を走り回っているよう・・・
木々の影から見てみると
『白い真っ白な狼』
と
『黒い真っ黒な狼』
2匹が目にも止まらない速さで移動し死闘を繰り広げていた。
お互いの急所を狙い!!
お互いの牙で相手の喉笛を髪切ろうとお互いが一瞬の攻防を繰り広げている。
白い狼が黒い狼の喉笛を噛み切ろうとした瞬間、黒い狼は体を捻って一瞬の隙を突いて空中に逃げる。
今度は黒い狼が着地と同時に地面を蹴って白い狼の心臓に向かって牙をむく
喉笛を狙って攻撃を仕掛けてくると予想していただろう白い狼は不意をつかれ、空中で白い狼の心臓に黒い狼の牙が突き刺さる。
「クウウゥーーー」
悲しい白い狼の悲鳴が森の中に響く
そんな中白い狼と俺の視線が一瞬合ってしまった。
それは!!!
『ほんの一瞬』
その瞳は!!
俺の心に訴えかけていた!!
『助けて』
と・・・・
その瞬間俺は!!
黒い狼に向けて20本もの大量のアイスランスを打ち込んでいた。
その気配に反応した黒い狼は白い狼への攻撃を諦めて、白い狼から咄嗟に離れ20本ものアイスランスの間に体を踊らせてギリギリの所で避けてゆく。
しかし!!
「シュッ」
そのうちの一本が、黒い狼の肩口を切り裂いていた。
白い狼との戦闘に集中していた黒い狼は想定外の範囲から思いもよらない攻撃に黒い狼は回避に集中右肩に傷を負いながらも最小のダメージで攻撃を避けながらも、その体はもう俺への攻撃に動いていた。
右肩に怪我を負っているにも関わらず、一瞬で体制を空中で整えた瞬間空中を蹴って俺に向かって目にも止まらない速度で飛んでくる。
な・・・何だ~~空中の何もない所で方向転換?
『嘘だろ!!』
空中に足場を作るなんて普通の狼じゃない!!
思いもよらない黒い狼の軌道に
一瞬で抜いた剣を自分の前に翳して盾にする
「カキンッ」
その瞬間!!
黒い狼の繰り出してきた鋭い爪が俺の剣と打ち合って凄い音と火花を散らす。
一瞬で俺から距離を取る黒い狼
左右に分かれ睨み合う黒い狼と俺
一瞬黒い狼の姿がブレる!!
その瞬間、俺の前に翳していた剣が
「カキンッ」
っという音と共に火花を散らす、
全然動きが見えなかった!!
タダ
物凄い殺気に従って俺は体を動かしていた。
『久しぶりに味わう迫り来る死の恐怖』
俺も防御だけに集中している訳じゃない!!
黒い狼に向かって
『シュッ』
『シュッ』
『シュッ』
『シュッ』
『シュッ』
『シュッ』
とファイヤーランスを打ち出した瞬間!!
黒い狼に向かって一気に走り出し一気に加速
だが黒い狼も一枚上手!!
一気に上空に跳躍し、上空に足場を設置したのか、真下の俺に向かって一瞬で降下
「カキンッ」
危機感知に従って振り上げた剣と黒い狼の牙が当って甲高い金属音がする。
黒い狼は右肩の負傷が有りながら、此れだけの攻撃を繰り出してくる。
まさかの、空中に足場を設置しそれを踏み台に方向転換なんて芸当をやってくるなんて思ってもみなかった。
絶対に普通の魔獣なんかじゃ無い!!
『確実に俺なんかより格上の魔獣だ!!』
普通なら絶対に勝てるハズなんて無い!!
俺の身体能力以上に体が動く!!
そして危機感知さえも尋常じゃない感知能力!!
『多分・・・俺はあの白い狼の加護か何かを受けているっぽい』
今までの俺の能力だったなら、確実に一瞬で黒い狼に瞬殺されていた・・・
それだけ黒い狼の戦闘能力は異常!!
『普通の人間が勝てるような相手じゃない!!』
今は白い狼の加護に感謝しよう!!
俺の剣に阻まれた黒い狼は、一瞬で俺の場所から離脱して間を取る。
そして一瞬で目にも止まらない速度で加速し攻撃してくる。
一瞬も気が抜けない!!
一瞬でも気を抜けば殺されてしまうだろう!!
『厄介な相手に出会ったものだ』
いまさら後悔しても遅い!!
今は全力で黒い狼を殺す事だけに集中しよう!!
「カキン」
俺の後ろからの気配に剣を身体の後ろに回した瞬間にそんな金属音がする。
もう目ではとてもじゃないけれど追えない速さ。
それを気配感知の感覚だけで避けてゆく。
「カキンッ」
今度は左から一瞬で間合いを詰めた攻撃に剣で防御する。
その瞬間俺もファイヤーニードルで黒い狼が退避した場所の辺りに広範囲に攻撃
「キャイン」
まさか広範囲に攻撃が栗と思ってなかった黒い狼に数本ファイヤーニードルが直撃し黒い狼の体から鮮血が飛び散った。
一瞬間合いをとる黒い狼
俺達の距離は5メートル
『黒い狼と俺の視線が合った』
一瞬時が止まった感覚に襲われる。
黒い狼と戦闘になってから、もう1時間以上こうして戦っている。
だが・・・
黒い狼の様子が少し違う?
そんな感じがする!!
今の俺の攻撃で、少なからず傷を負わせたみたいだ。
多分・・・
黒い狼は・・
次で勝負に出る?
そんな感じがする!!
そう思った瞬間
『黒い狼はその場から一瞬で加速』
しかし!!
目の前にまできて瞬間黒い狼の体が消えた?
完全に俺は黒い狼の姿を見失う
瞬間真上に物凄い殺気を感じ、剣を頭の上で真横にして防御
瞬間
「カキンッ」
っという音と共に狼の牙が俺の剣と打ち合って凄い火花を散らす。
しかし!!
黒い狼は空中に足場を設置しその場から足場を蹴ってその勢いで俺の体をそのまま地面に押し倒し鋭い牙で俺の喉を噛み切ろうと大きな口を開けて襲ってくる!!
『殺される』
そう思った瞬間!!
『ブスッ』
俺は異空間収納から槍を奴の心臓の位置に取り出した!!
取り出した槍は見事に黒い狼の心臓を突き刺して串刺しに!!
その瞬間
黒い狼は・・
ドロドロの液体に姿を変え俺の口に一気に流れ込んで来る。
『ウゴウゴ~~』
その感覚に一瞬息が出来なくなり慌てたが、それは一瞬
『数秒で俺の体の中に吸収されてしまっていた』
ヤッタノカ?
それとも・・・
俺の体ごと・・・
『奴に乗っ取られた?』
それにしては・・体は自由に動かせる?・・・ようだ。
未だに何が起きたのか解らないが・・
『俺の体は満身創痍』
戦闘の余波で一気に疲れが押し寄せるが、白い狼を思い出し倒れている白い狼の所にふらふらする体を押しながら歩いて行って倒れている白い狼を抱き上げた。
「はぁ~はぁ~」
少し息は有るよう・・・
俺はダンジョン産のポーションを異空間収納から取り出して半分を白い狼の口に誑し込み、半分を心臓の傷に振りかけるとみるみると元気を取り戻し
俺を見て
「ク~~~ン」
と甘えた鳴き声を発して、俺の顔をぺろぺろと舐め始めた白い狼。
結構人なっこい?
そんな風に思った俺だったが・・・
突然白い狼は
俺の喉に噛みつき、俺の喉に鋭い牙を突き立ててきた!!
瞬間薄れてゆく俺の意識
『俺は此処で死ぬのか?』
白い狼を助けるべきじゃ無かったのか?
結局は白い狼は魔獣でしか無かったのか?
そんな風に思いながら、俺の意識は薄れていった・・・
つづく・・・
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