第1260話 サバイバル生活開始
「こちら、木材になります! 基本的に乾燥していて、木屑が出やすい素材になってます。で、こちらが擦り付ける方の硬い木材です」
「サンキュー、じゃあ後は任せてくれ」
俺は、メガネくんが持ってきてくれた木材にメガネくんが持ってきてくれた木材を当てがい、全力で気の棒を回し続けた。
スキルが封じられていない以上、称号のステータス補正は生きてる。だから、STRとVITのゴリ押しでなんとかなるはずだ。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
いつもは火なんて、スキルか従魔に任せてたんだが、その両方が封じられるとこんなにもキツいんだな。
現実世界で火を起こした人類の祖先はどうなってんだよ。上手いこと落雷させたとかじゃ無い限り、無理だろ、って思ってしまう。
「はぁ、くっそ付かねぇな」
木屑は大量に出るが、そっから火をつけるまでが中々いかない。力の伝え方が悪いのだろうか? 折角ならAGIの高さを活かして、走って火をつけるか?
んー、それに適した木材が無いな。
「メガネくん、何か火をつける良い方法が…あ、それ使えるんじゃね?」
「はい?」
「いや、メガネだよメガネ! 虫眼鏡で火をつけるのは有名だろ? ならメガネでもいけるんじゃないかって。メガネくんって目悪いか?」
「かなり」
「なら、可能性はあるかもな。ちょっと日当たりの良いところにでるか」
ティラノサウルスに見張りを任せ、俺とメガネくんは日の当たるところに出た。木屑を移動させるのが思いの外大変だったが、なんとかなった。
「では、メガネくん。メガネを」
「こちらに」
まるでオペをする医者がメスを受け取るかのようにメガネを拝借し、日の光を集めた。そして、
「メガネくんって、度、つっよいな。これなら案外早くいけるかもしれないな。白亜紀のめちゃ強い日差しも相まって」
「は、はい!!」
メガネくんは見えていないのか、頼りなげな返事だった。それにしてもゲームの中でもメガネをかけてるのは何でだろうか? 別にゲームないなら裸眼でもできるよな?
「お、煙が出てきたぞ!!」
そんなことを考えながらひたすら腕を固定し、光を集めていると煙が立ち始めた。よし、これが火種だな。ここから酸素を送り込んで火を付けるんだ!
「ハーゲン!! 風を頼む!!」
「ハイっす!」
バサッ!!
ハーゲンの翼は非常に大きく、そのたった一回のはためきによって、木屑が、火をつけるようの木材が、全て吹っ飛んだ。
「あ、」
「え、どうなったんですか!?」
よし、もう一度だ。次は自分でフーフーしよう。
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書き溜め!!
今日はまだ月曜日だ!(火曜日です)
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