第1251話 白亜の紀
「う、うわぁ。綺麗、ですね」
メガネくんと一緒に背中に乗り、改めて世界を見下ろすともはや感嘆の声すら上がらないほど美しかった。
美しさの原因として挙げられるのは彩度だろう。脳天にビビッとくる色あいで、現実世界のどこを探しても見つから無さそうな配色をしている。まるで、美しい自然のトーンや色の値をいじりまくったような、そんな感じだ。
しかも地上だけでなく、空中そして目を凝らしてみると海中にも見覚えのない生物が沢山いた。
空にはハーゲンよりも大きな鳥? がゴロゴロいるし、水中では常に水棲生物同士の熾烈な戦いが繰り広げられている。お前らそんなに食ったり食われてたりしたら全員全滅しちゃうんじゃんないか?そのくらいの勢いだ。
そのままブワブワと白亜紀観光をしていると、目の前から、大きな鳥が俺らを襲ってきた。
「あ! ケツァルコアトルです! す、凄いこんなに至近距離で生のケツァルコアトルを見られるなんて...]
いや、別に生ではないんだけどな。
でも、本人はそんなことなど一切我関せずといった感じでケツァルコアトルに見入っている。というか俺たち今まさに襲われようとしてるんだけど。
死んだら、また出会うためにはフラフラお空の旅をしないといけなくなるんだが。
まあ大丈夫だ。さっきはパニックになってただけで、今は冷静だ。普通にスキルを使って倒せばいい。ただ、それだけだ。
恐竜だろうが、ケツァルコアトルだろうが、俺のスキルの前ではただのモンスターだ。
「【天絶之剣】」
大きな剣を頭上に掲げ、ケツァルコアトルを縦に綺麗に真っ二つに、できなかった。
「え??」
攻撃を耐えられたとかじゃなく、まるで何事も無かったかのように弾かれた。
「ちょちょちょ、ハーゲンどっか適当に降ろして!!!」
俺がスキルを発動し、外したことでハーゲンの態勢も若干崩れ、そこにケツァルコアトルがもう突進し、ハーゲンの翼に食らいついた。それにより完全に制空権を失ってしまい、俺たちは錐揉み状態で墜落してしまった。
幸い、ケツァルコアトルの追撃は無かったものの、緑の生い茂る森の中に、俺、ハーゲン、メガネくんが散り散りになってしまった。
*
カサカサッ
後ろで音が鳴った。音量的にそこまで大きくはない、気がする。
さっき、攻撃が効かなかったし、イレギュラーなことが他にもあるかもしれない。
一旦、空に逃げる?
でも、メガネの人も見つけられてないし、空にはさっきの敵もいる。
ん-、どうしよ。
カサカサカサッ
敵!?
目の前に現れたのは、自分と同じ羽を生やした、でも明らかに小さい未知の生命体だった。
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ただいま、9,997人のフォロワーさん...
感謝、感謝しかないです。ありがとうございます。
でもこれが投稿される頃には超えちゃうかな、それとも下がっちゃうかな?
ワクワクドキドキです。
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