第1252話 兜蟲の気持ち


「ん、ハーゲン??」


 3人バラバラに堕ちた後、スキルを使いハーゲンの位置を特定し、その場所に向かうと頭に可愛らしい生き物をちょこんと乗せていた。


 ハーゲンはハゲタカだから、まるで専用の台座のようにきれいにフィットしている。


 どうやら敵対している訳でも、操られているという訳でもないため、一先ず警戒心を緩め、ハーゲンに聞いてみる。


「ハーゲン、その頭の上に乗っている鳥はなんだ?」


「こ、これっすか? な、なんか可愛かったから...」


 可愛かったから、って。白亜紀だからそんな見た目してめちゃくちゃ強いかもしれないんだぞ?


<Lv.2 ドードー>


うん、大丈夫そうだな。じゃあ頭に乗せててもいいや。きっと虫しか食べないんだろう。


 ってか、ハーゲンの口調ってあんなだったっけ? 一時期はそうだったが、一度死んで蘇ってからはもう違うと思ってたんだが、、、前の記憶でも思い出したのだろうか?


 ま、どっちでもいいか。そんなことより何か重要なことを忘れているような...


「あ、メガネくん」


 ドドドドドドドドド、物凄い足音が聞こえる。あれ、メガネくん見つかっちゃった? でも確か透明化できるよな?


『へ、陛下! スキルがクールタイムで使用できません! そ、それと何故かここにいる恐竜たち、みたいです!!』


 は?


『わ、分かった! 一先ず全力で逃げろ!!』


 スキル【全知全眼】を使い、メガネくんの座標を確認。【時間歩行】で最短距離で移動す


「ぶへっ」


 木にぶつかった。ってか、半分以上めり込んじゃってる。木の味って不味いんだな。カブトムシとか、何をあんなに一生懸命ペロペロしてるんだろうな。


 じゃなくてメガネくん!!


「【攻贖他愛】」


 このスキルは味方のスキルを肩代わりするというものだ。もし、これすら使えなかったらいよいよ詰みなんだが、、、


 ガキン!


 恐竜の歯はメガネくんに刺さってはいるものの、メガネくんは無事なようだ。当のメガネくんは生の恐竜に噛まれてるのに、目をキラキラさせて見つめている。いや、噛まれているから興奮してるのか。


 まあ、恐竜は男の子のロマンだよな。冷静に対処しろって方が無理がある。


 *


「ふぅー、ありがとうございました。まさかスキルが使えないとは思ってもおらず、九死に一生でした」


 今回メガネくんを襲った恐竜はアロサウルスと言って、体躯はそこまで大きくないものの、俊敏性と高い攻撃性を兼ね備えており、パニックの中逃げることしかできなかったようだ。


 むしろ俺が助けにいくまでよく粘ったほうだよな。


 だがこれで3人揃ったな。ここからこの世界の攻略開始だ。初っ端からハプニングの連続だったが、一旦腰を据えて取り組めば怖いものはないだろう。


 あ、ハーゲンが連れてきたドードーもいるから4人だったな。







-------------

真夜中に失礼いたします。蟲って夜行性ですものね(?)

皆さんは恐竜は好きですか??

私は好きです!特にパキケファロサウルス!(既出)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る