第1247話 神の餞別
よし、順番に従魔たちを神へと進化させていこう。ハーゲンはもう神の使いみたいな存在になってた気がするから、飛ばしてアシュラからだな。
俺の見立てでは、信仰ポイントを消費して強制進化を発動させればいけると思っているんだが...
「お、いけた!」
<従魔:武神・阿修羅、個体名:アシュラ>
わーお、これまたいかついのができてしまったな。ってか、種族名と個体名が一緒って大丈夫なのか? 俺らで言ったら、種族が人間で名前もニンゲンってことだろ? いじめられたりしないかな?
いや、アシュラなら大丈夫か。絶対に暴力じゃ負けないし、顔も3つあるから陰口すら見逃さない。最強じゃん。
見た目の変化も結構生まれた。
最初の骨のみだった時代が思い出せないほどに、筋骨隆々とした体を手に入れちゃってる。顔が3、腕が3対の基本構造は変わっていないのだが、戦国武将のような鎧を身にまとっており、風神雷神のような白いスカーフまで生やしちゃってる。これを身に着けると神様ってことなんだろうか?
顔も鬼みたいだし、普通に怖いレベルだ。子供が見たら泣いてしまうんじゃないだろうか?
信仰ポイントも結構使ったからそれなりに格も高そうだ。よし、じゃあ次にいくか! 次は~、スカルとボーンだな。
「...あれ、できないぞ?」
アシュラと同じように信仰ポイントを消費して強制進化をしているのに、なんで何も変化が無いんだ??
ちゃんと、ポイントは減ってるよな? これだとただのぼったくりなんだが。
その後、大量にポイントを使ってみたり、別々に強制進化をしてみたりしたが結果は同じだった。
ん-、どういうことだろうか? なんでアシュラはできたのに、スカルとボーンは無理なんだ? 一旦他の従魔でも試してみるか。全員で試せば何か法則なり何なりが見えてくるかもしれない。
*
ハーゲンとアイスを除く従魔全員を強制進化させたところ、神になったのはアシュラ、アスカトル、ゼインの3体、あとゾムだった。
因みに、アスカトルは織神、ゼインは焔神、ゾムは虚神という名を手に入れていた。
ん-、でもこれは何の4体だろう。
薄っすらゾムはどうせ神になるんだろうなと思っていたが、なれなかった従魔となれた従魔の差が分かんない。
ゼインが神になっていることから、俺の従魔になった期間や俺と旅した時間とかは関係なさそうだ。所謂、懐き度みたいなものは神になる上では関係ないみたいだ。
その後一人であれこれ考えてい見たが、それらしい答えは思い浮かばず、メガネくんに聞いても流石に分からないとのことだった。いや、逆に分かったら分かったでそれはビックリするんだけどな。
ん-、でも神になれなかった以上、一緒にユグドラシルには行けないし、こっちでプレイヤー相手に修行でもしてもらおうかな? お手製ダンジョンでも作って、報酬とか用意すればそれなりに人はくるだろう。
ま、平たくいうと自動レベル上げ装置だな。プレイヤー側からきてくれれば、俺は一切動かなくていいから、完全自動っていうのもポイントが高い。早速ダンジョンの作成にとりかかろう。
あれ、ユグドラシルにいくのがまた後回しになっているような...? ま、いっか。従魔を少しでも強くすることの方が大事だろ。というわけで、
「メガネくーん」
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なんでこの主人公はさっさとユグドラシルに行かないんだっ!
とお思いの皆さん、私もです()
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