第1245話 天使と悪魔
各街と王都の壊滅、そしてアイスの身に起こった変化。個人的に前者がどうでもよくなるほどに、アイスの進化? 変化? がとても気になる。
どうしてこれが起こったのかも気になるし、元に戻った理由も不明だ。
何より、可愛いアイスがカッコよくなってしまったことに、クラスで一番の美少女がクラス一番のイケメンになったくらいの衝撃を受けている。ま、そんな事象が身に起きたことは無いんだが。
当の本人に現在の状況を聞こうにも、可愛いワンちゃんの姿で眠っているから起こすわけにもいかない。
あ、そういえばアイスの種族名が変わっていたな。なんだっけ、グルーガン? いや、ゲルーゴンだ。どういう意味だろう?
『なあ、メガネくん。ゲルーゴンっていう言葉知ってる? 従魔のアイスがゲルーゴンフェンリルっていう種族に進化した、いや、一瞬進化したんだが...フェンリルはまだしも、ゲルーゴンという言葉に聞きなじみが無くてな』
『陛下、無事に撃退されたようですね。流石でございます!』
あ、そう言えばそんな話だったな。アイスが全部片づけてくれてたから完全に忘れてたぜ。
『ゲルーゴンフェンリルですか。ゲルーゴンは氷を司る悪魔として知られております。ただ、私もそれ以上のことは分かりません、申し訳ないです...ただ、フェンリルは神話の神話にでてくる生物ですね。ただし神聖な狼、というよりは狂暴な怪物、としての認識が強いようです。悪魔と怪物の名を関しているため、陛下に相応しいモンスターに進化したと考えることができそうです』
悪魔と怪物、か。
今までは天使みたいに可愛かったのに、真逆みたいな存在になってしまうんだな。
まあ、確かに魔王軍にはそっちの方が似合っているだろうし、魔王軍にいたからこそ、そのように進化したのかもしれない。
ただ感情論で言えばアイスは可愛いままでいてほしかったという思いもある。でもそれはエゴなんだろうなー。
子供が成長した親は皆、こういう気持ちを抱くんだろうか?
子供どころか奥さん候補もいないんですけどね。
『ありがとうメガネくん。さて、プレイヤー含め人類の調子はどうだい?』
『はい! 今後も何かありましたらいつでもご入用ください。人類の調子は最高、いや最悪と言っていいでしょう。ログインしているほぼ全ての人類プレイヤーが死に、帰るべき場所も無くただただ絶望しているようです。ランカーたちも全滅してしまったわけですから、その絶望度合は図り知れないでしょう』
『おー、それならよかった』
その絶望の為に、今回は侵略したようなものだからな。目標達成と言えるだろう。従魔の現状や面白い組み合わせを見れたし、アイスも強くなってくれたし、大満足だ。
『ただ、良かったのでしょうか? 当初は対象はプレイヤーのみでNPCは倒さない予定ではありませんでしたか?』
「あー、それに関しては変更無いぞ。今でもプレイヤーのみが対象だ。ただ、方法が殺さないではなく、生き返らせるにチェンジしたんだ」
正確には元に戻すなんだけどな。
『え? それはつまりどいう...』
「ふふっ、見ててくれ。奇跡、【
俺が奇跡を発動すると、先ほど倒壊させたばかりの世界が瞬く間に復旧され、侵略する前の世界に戻ってしまった。
「これでヨシっと」
『え、ええーーーーーーっ!?』
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